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99:美衣、イギリスに行く

 山頂まで昇りきったところで見下ろすと一際高い三つの山で囲まれた窪地にある平地が見えて、相変らず空を優雅に漂っているりゅう君の姿が見えた。


 美衣がもの凄いスピードで急降下し始めて「おおーい!りゅうくーーん!お土産の干し柿いっぱいもってきたよーーー!!」と、そのまま急降下爆撃でもしそうな勢いでりゅう君に急接近していった。


 りゅう君と面識がない者がみたら美衣などユーマもろとも一口でパックリ食べられるのではないかと思う程りゅう君は凄まじいヴィジュアルにさらに磨きをかけてまさしく世界最強生物としての見た目に変貌していた。


「おお!美衣殿!来てくれたのか!」


 そして・・・なんか・・・声色も口調も思いっきり変わっていた・・・


「りゅう君夢で見たときよりもカッコいいね!あとはいこれ!干し柿いっぱいもってきたよ!」

「なんと!わざわざ拙者に会いに来てくれただけでなく、拙者の好物まで持ってきていただいたとは!誠にかたじけのうござる!」


 だからなんでここでも時代劇なんだ、お前はどこの侍だと思わないでもないが、それでも今のりゅう君のヴィジュアル的になんとなくその口調もマッチしていると思えたのであった。そのままりゅう君のおうちに入って久しぶりの反省部屋とも再開した。優は例の壁画を指さして、酷いいたずらをするとこうなると美衣に説明すると、美衣は青ざめた様子で「ウン、分かった、肝に銘ずることにする」と言っていた。その後りゅう君のオジサンと立体映像通信で再会を果たした。


 結婚したことと娘の美衣を紹介すると、オジサンは「そのうち仕事を手伝ってもらうかもしれん」と言った。報酬は星の三つか四つくらいは用意するとか言いはじめたのだが、価値基準が途方もなさ過ぎてついていけなくなった。オジサンはすごく干し柿に興味があるようで、もしも仕事を手伝ってもらうときには頼むから干し柿を持ってきて欲しいと言った。またしても報酬は星の一つくらいは用意するとか言いはじめたのだが、価値基準が途方もなさ過ぎてついていけなくなった。ってコピペやめろ。


 干し柿って星1個程も価値があったんだ・・・


 しかもオジサンはそもそもこのゲート内世界が実は高度な宇宙人達による実験的なテラホーミング惑星だったという、驚天動地の衝撃的なことを普通にさらりとありのままを口にしたのだ。冴内は絶句して「これ・・・どこまでそのまま伝えたらいいんだろう」と考えていたら、冴内が被っているヘルメットに装着されたアクションカメラでこれまでの一部始終すべてが配信録画されていることに気付いて、凍り付いてしまった。しかも今や中継アンテナのおかげでゲート村までガチでこの情報はタイムラグなく送られている。こりゃすぐに全世界はひっくり返るだろうと思った。


 なんというか、優もオジサンも含めて、ここの宇宙人達は情報についてオープン過ぎる!


 一通り話しを終えて、そろそろ戻るかという頃合いになり、りゅう君にまた遊びに来るねと言って別れた。山頂付近で美衣は停止したので「どうしたの美衣?」と聞くと、美衣は「ちょっと向こうに遊びに行ってくる!」といってその方角を指さした。目を細めて見ると、はるか遠くに海のようなものが見える。「あれって・・・まさか・・・あっ!多分イギリスだ!ストーンヘンジ・ゲートの中で見た海かもしれない!」


 さらに向かって斜め左方向を見ると、何やらかなり遠くに大きなテントというか仮設の建物のようなものが見える。もしかしたらあれはナスカの地上絵のあるゲート内のシーカーかもしれない!やっぱり世界は繋がっていたんだ!これは地上に戻って教えてあげなきゃと思った。


 美衣は冴内と優に向かって「これから向こうに遊びに行ってくる。うまいことやるから心配するな、親は子離れ子は親離れする日がやってくるのだ」とお前まだ卵から生まれて1ヶ月程度しか経ってないだろうというツッコミをいれる間もなく「しばしの別れ!さらばだ!」といってあっという間に飛び去ってしまった。優は冴内に大丈夫だろうと言った。宇宙がぶっ壊れでもしない限り美衣の身体にはキズ一つつくこともないだろうし、悪い事をするとどうなるか先ほどの壁画の説明で身に染みて理解したようなので素行も問題ないだろうと言った。


 冴内的には身体や素行についてはそれで納得したが、悪い虫が付かないかだけが心配だと生後1ヶ月程の娘の恋愛問題を心配する有様であった。優はあの様子だと美衣はまだ数百年は恋だとか愛だとかとは無縁だろうから心配するなと言った。美衣はそうかもしれないが、周りの汚らわしいオスどもの方が心配なのだが、でも確かに神のようにありえない程この世のものとは思えない程美しい少女なので、そもそも恐れ多くて近づいてくる汚物のようなオスどもなどこの世に存在しないかと思うことにした。自分のことなどはまるっきり棚にあげて。


 それよりも「我が娘ながらなかなか気を利かせてくれるわね。これで今日から最近ずっとご無沙汰だったムフフなことが出来るよ洋!」などと、優が強烈に破壊力満載なことを言ったので、冴内は・・・冴内は・・・冴内め・・・この野郎!




ヽ(`Д´)ノ ←作者

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