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93:卵

 優の衝撃的な発言の後で冴内は慌てふためいて、右手にヤカン(実際には電気ケトル)左手にバスタオルを持ってウロウロ駆け回ったが何の心配も準備も用意も要らないから安心してと優は言った。でも一応せっかくだからと言ってバスタオルをベットに腰から下の位置にあたる部分に敷いた。


 優は冴内の右手にあった電気ケトルで湯を沸かしハーブティーを入れハチミツをたっぷり入れて飲んで静かに横になった。洋も一緒に寝てと言ったので冴内は静かに優の隣で横になった。お互い横になると優は冴内の手を握り今日はムフフなこと出来なくてごめんねと言った。書いてて妬みと嫉妬で気が狂いそうになる作者であった。そのうちスウスウを静かに寝息を立てて安らかに優は眠ったので冴内もその寝息を聞いていると安心して眠っていった。


 明けて翌日、冴内が目覚めるとベッドには優の姿はなく、ちょっとだけ不安になったが、起き上がってリビングに行ってみるとニコニコした様子の優がいたので安心した。優は冴内を見るなり「おはよう洋!見て見て!生まれたよ!」と言った。優が指し示したところを見ると、日当たりの良い位置にテーブルを移動させていて、その上にタオルを敷いて何かを乗せていた。


その上に乗っていたのは小さな卵だった。


 大きさ的にはアーモンドチョコレート一粒程の大きさで、うずらの卵のようだったが、色が黄金に輝いていた。


「えー・・・と・・・これが・・・そうなの?」

「そうだよ!わたしと洋の子供だよ!多分数日後に生まれるよ!」

「えーと・・・卵から孵化するんだ・・・」

「そうだね、外見は似てるけどやっぱり根本的に違う宇宙人なんだね!」


 考えてみれば優の後輩だと言っていたかぐや姫さんも竹を割ったら出てきたというお話しだけど、実は竹じゃなくて卵だったのかも。ひょっとして実は桃太郎なんかも同じ宇宙人だったりして・・・


 朝食後すぐに神代に今件を報告すると、同じ研修センター内ということですぐに研究職員達がやってきて卵の前に高性能カメラや各種測定装置などを設置していった。さすがにX線を当てて中を確認するとかは万が一にでも何かあったら取り返しがつかないのでやめておいてサーモグラフィや収音装置を取り付けるだけにしておいた。優はそんなに心配しなくても私に似て頑丈だから何をしても大丈夫だと言っていた。卵を落っことそうがハンマーで叩こうが核ミサイルを直撃させようが地球をぶっ壊そうが、宇宙そのものを破壊でもしない限り大丈夫とか言っていた。恐るべし【ンーンンーンンンン】人。


 それでもやはり初めての我が子は可愛いのか、ずっと卵の近くにいてあれこれ話しかけたりする優。それを見て洋もいろいろ話しかける。そうすると徐々に卵は大きくなっていった。昼前には普通のニワトリの卵並みの大きさになり、夕方にはラグビーボール程の大きさにまでなった。もちろんその様子は全部高性能カメラで録画されており、研究職員達もただただ驚くばかりであった。研修センターはゲートの外の一般社会なのでこの様子は全世界のゲート機関に常に配信されており世界中の生物研究者達も驚愕と好奇心でいっぱいだった。そしてさらに冴内家族にもこの様子は伝えられていた。


 この日は優は部屋から一歩も出ず、昼と夜の食事は冴内が食堂にいってテイクアウトしてきて卵を置いたテーブルで食事をした。夕食後にハチミツ入りハーブティーを飲んでいると優は話し始めた。


「洋ありがとう、これで私の願いは叶ったよ。あとごめんね」

「どういうこと?」

「私達【♪ー♪♪ー♪♪♪♪】人は一生涯に一人しか子供を産めないの。そしてその子供が無事に生まれたら、私の不老不死のぱぅわぁーは生まれてきた子供に引き継がれるの。だから私はこれから洋と一緒に年を取って100歳になるまで一緒に生き続けて、最後に一緒に死ぬことができるわ。ずーっと800年間願い続けてきた望みがようやく叶うことが出来てとても嬉しいわ。あと、ごめんねって言ったのはこれから沢山ムフフなことをしてもヽ(`Д´)ノ ←作者 もう子供は生まれないことについて謝ったの」

「そうなんだ・・・うん、でもいいよ。一人でも無事生まれて来てくれるならそれだけでも十分満足幸せだよ」

「うん、そう言ってくれると信じてた、洋ありがとう、愛してる」

「こちらこそ有難う優、愛してるよ」


 思いっきり全力で高性能カメラで録画されていることなどお構いなしに世界一のイチャイチャオノロケを世界中に見せつける二人であった。ちなみにこの年の出生率は若干例年よりも高い数値を世界中で記録した。




ヽ(`Д´)ノ




【♪ー♪♪ー♪♪♪♪】人は一子相伝なんですね。

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