89:神と神の中の神の帰還
翌朝、これまでの疲れが溜まっていたのか、他の別の疲れなのか分からないがヽ(`Д´)ノ ←作者、ゲートシーカーになってからこれまでで一番遅い時間に目が覚めた。目の前にある泉で二人とも汗を流しヽ(`Д´)ノ ←作者、泉の滝の上流で洋がチョップで水を割り優が抜き手で魚を獲りそれを焼いておかずにして朝ご飯を食べた。
それからまた二人で帰りの道を飛行した。行きは冴内一人でただひたすら急いで移動していたが、帰りは優がいる。行きには全く想像すらしていなかった優がいる。生まれて初めて、そして恐らく生涯ただ一人の愛する妻となる優がいる。まさに夢心地といった状態で大空を二人で飛んでいる。行きの時にはほとんど気にせず目にもとめなかった景色が目に映る。優があそこの滝スゴイねとか、あそこにいる鳥たちすごく綺麗だねとか言ってくれる。幸せ過ぎてギャン泣きしそうになる。作者は羨まし過ぎて気が狂いそうになる。ヽ(`Д´)ノ そうして3日目も穏やかに、まさに新婚旅行のような遊覧飛行とその雄大な景色を大いに楽しみながら移動した。その夜も二人は互いの愛を・・・ヽ(`Д´)ノ ←作者
4日目の夕方になって冴内が最初に立ち寄った田畑のある集落についたのでそこに着陸すると、集落をあげての大歓迎を受けた。集落にいた人達は全員携帯端末のアラーム警報音に続いて表示された【!!とくべつきんきゅういらい!!】に書かれた最後の一行に「めでたし めでたし ふたりは けっこんします」と書かれていたのを見ていたので、二人のことは既に知っており、冴内と一緒にいる優を一目みた瞬間ありえない程この世のものとは思えない程の美しさなので、さすが神の中の神様だけのことはあるとすぐに全てを理解した様子だった。実際は神の中の神ではなく宇宙最強の【ンーンンーンンンン】人なのだが・・・
以前述べた通りゲート村から遠く離れた小さな集落なので娯楽がほとんどない中で、神と神の中の神が結婚するために立ち寄ったというのだからこんなにめでたいことはないと集落総出で大宴会を開くことになった。といっても小さな集落なので言う程大宴会ではないのだが。それでも心づくしの暖かい宴会はとても嬉しく幸せな気持ちになった。優はガバガバジャンジャン底なしで日本酒を飲み、洋も飲みなれない日本酒を少し飲んだ。酒も肴も最高で盛り上がり、最後の方では良く分からない踊りをみんなで踊った。
次の日は若干二日酔い気味だったのだが、朝から稲刈りをしている村の人達の姿を見て、優と二人で水平チョップで稲刈りを手伝ったらあっという間にその日の分の借り入れは終わってしまい村の人から大絶賛だった。当然その模様は村の人全員から携帯カメラで録画され即時配信された。神のチョップを授かった冴内と神の中の神が二人仲睦まじく水平チョップで驚異的なスピードで稲刈りをする様子は当然すぐに研修センター情報部の知る所になり、神代直々に冴内に連絡をして可能な限り速やかに帰ってきて欲しい、何でもするからと、懇願された。その日は結局もう1日泊まることにして次の日の朝に出立した。
アリオンには干し肉、干し柿、欲し沢庵に加えて今回は新米が一俵くくりつけられた。ちなみに今度りゅう君に干し柿をいっぱい持っていきたいとも頼んでおいた。りゅう君についても村人達は全員既に動画を見て良く知っているようで、干し柿をうまそうに食べるあの恐ろしい姿を見て可愛い可愛いと言っていたそうだ。
またの再開を強く熱望されて村人全員に見送られながらゲート村へととびだった。ゲート村が近づくにつれて沿道には結婚を祝福する文字が花を使って描かれていた。また、道行く人たちが冴内達を見上げて結婚おめでとうと声をかけ帽子を振っていた。そうしてとうとうゲート村のロッジに到着した。時刻は間もなく夕方になろうとしていた。
早速アリオンの荷解きをして「ご苦労様!またしばらく故郷に帰っていいよ!こっちに戻ったらまた連絡するね!」と言うとヒヒィーンと言って速攻でアリオンは故郷にすっ飛んでいった。ちょっとだけ興奮しているように見えた気がするが何か大事な用事でもあるんだろうか。
近くにいたシーカー達から次々に祝いと労いの言葉をかけられるが誰も取り囲んで二人の行く手を邪魔をするものはいない。恐らく神代のスペシャル根回しが行き届いていて、いち早く研修センターに来てもらうよう頼み込んでいたのだろう。恐らく邪魔するヤツは指先一つでダウンさせるぞくらいの脅しをかけていたかもしれない。すいません。
そんなわけで米俵や干し肉などのお土産を持って研修センターへと向かったのだがゲート出口にてふと思ったことがあって口にした。
「そういえば優って、ゲートを出られるの?」
「出られるよ、乙先輩もかぐやも洋のいる地球の日本とかいう国に行ってたくらいだしね」
「あっそうか、そうだったね」といって二人一緒に外へ出た。ちなみに俵は優が軽々と片手でかつぎ、干し肉や干し柿は冴内が片手にもって、二人で空いてる方の手をつないで一緒に出た。なんというかあらゆる意味ですごいヴィジュアルの光景だった。その様子は当然色んな人達から携帯カメラで録画されていた。ゲートから出ると神代や初めて直に合った局長含め職員総出で拍手喝采の中、盛大に出迎えられた。プラカードや横断幕にはお帰りなさいとか結婚おめでとうとか書かれていた。
それを見た冴内はやーやーどーもどーも有難う皆の衆などという気持ちとは程遠く、これは大変なことになってしまった・・・自分はかなり大変なことをしでかしてしまったのだと今になってようやく思い知った。これからの人生はこれまでの人生とは全く違う大変な人生になってしまうのではないかと不安に襲われたが、すぐ横にいる優を見てそしてそんな冴内を見つめ返す優を見て、大丈夫!二人なら何の問題もない!二人で全て乗り越えて見せる!と強く決心した。そんな冴内の顔を見て優は満面の笑みでニッコリ微笑んだ。そうして出迎えてきた職員達と共に研修センターの中へ入っていた。




