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68:日本では

 冴内が渡英している間に富士山麓ゲートでも神様騒ぎ程ではないが世界的大ニュースが起きた。鈴森の鑑定スキルが過去最高値を更新したのだ。


 鑑定士のスキルはレベル10が最高値だと長年思われてきていた。それがなんと限界突破してレベル11になったのだ。神代含め日本の情報部職員達は原因究明に注力し有力な仮説として、壁画とルビー(仮)さらにいくつかの新種素材の鑑定成功によって限界を突破したのではないかと断定した。


 このニュースは一躍世界を跨ぐ程のニュースになったのだが悲しいことにその数日後に「海割りチョップの神」が現われたことで、もう完全完璧ダントツに抜き去られることになった。


 とはいえ全世界の鑑定士職のシーカーの希望の星になったことは間違いない。何せ約60年ぶりに世界最高値を更新したのだから。


 さて、問題なのが富士山麓ゲート研修センター内の情報部室である。全世界に冴内の海割りチョップ動画が配信されたかと思えば、レベルアップステータスの称号に「神のチョップ」とか書かれていて、極めつけはストーンヘンジ・ゲート局長を含めた英国情報部全員に「神の中の神」を自称する齢800歳を超える光生命体が冴内と結婚すると宣言したという報告だ。


 あまりの衝撃的内容に眩暈がしてクラクラする。「オイィーー何やってくれてんだ!英国機関ーーーーーッ!!」


 さすがの神代も続々と届く冴内の一報にとうとう脳と精神の許容範囲を超えてしまい熱を出して寝込んでしまったが、良質なイノシシの牙で出来た鎮痛剤で1時間ほどでなんとか平常運転に戻った


 英国機関からもたらされた「神の中の神」とやらの存在に関する文書は、おいおいイギリスジョークは笑えねぇぜと一笑に付すことが出来ない程いたって真面目に真摯に正式公式文書として世界中に発表されたため、これは決してジョークではなく事実報道であると認めざるを得なかった。


 しかもその存在ときたらゲートの外の一般社会に現れたのだ。我々普通の一般人が日々暮らしている世界に干渉してきたのだ。


 こんなもの一体誰が信じるんだと普通なら思うところだが冴内の海割りチョップに神のチョップが実際現実として存在し、こんなバカげた発表内容でも英国機関が正式公式文書として発表している以上は信じる他なく、今後一体これらの事象に対してどう対処すればいいのかということに全力をあげて検討するほかなかった。


 なんたって神の中の神を自称する800歳の光生命体は冴内の1憶万倍も強いというのだ。打つ手を誤りでもしたらそれこそ地球規模で大変なことになる可能性がある。


 しかし1億倍、1万倍は分かるが、1億万倍というのが良く分からない・・・


 それにしても冴内君が正式ゲートシーカーになってまだ1ヶ月も経たない状況でこの展開ときたらどうだ。一体この先彼は、いやこの世界はどうなってしまうんだ?


 とはいえ神代もそこは普通の人間ではない。そのような人知を超えた存在と出来事に対して普通の人間ならば恐れや恐怖を抱くはずなのだが、彼はゲートとゲートシーカーを誰よりも愛する人間だ。未知なる世界での数々の発見と探索者達の危険をも顧みず挑む冒険心と好奇心、それら全てを誰よりも愛するからこそ今の地位にいるのだ。


 だから神代の胸中は不安や恐れは一切なくこれから世界はどうなるのか。冴内 洋はこの先、自分と世界に何を見せてくれるのか。期待で胸がいっぱいに膨らんでいるのであった。


 そんな神代の胸の内などミジンコ程も微塵も知らない冴内はシーラ嬢との別れの悲しみにくれていたのも束の間、帰りの機内で会った素敵なフライトアテンダントの女性に至れり尽くせりのサービスを受けて完全にぐでんぐでんのゆでだこ状態なのであった・・・

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