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40:シーカー会話

 午後5時半頃ゲート村に戻ってようやくレベルアップに気付きプレハブ小屋のおばさんに報告。


 換金所に行く前にウサギの肉とツノを良野さんに渡すと前回のハチミツの分も合わせてお返しを持ってくるのでそのまま換金所で待っててと言われた。


 とりあえず熊の爪と牙を換金してみたが、機械の鑑定結果が下記の通り表示されていた。


-------------------

熊爪(?)・・・新種のため鑑定不能

熊牙(?)・・・新種のため鑑定不能

-------------------


 担当者が「おーこりゃ久しぶりの新種だ!」と言い鈴森さんか研究所の人に調べてもらわないと分からんということで預かってもらうことにした。


 ほどなくして良野さんが戻ってくると、回復ドリンクと同じ柔らかいけど割れにくい素材の入れ物に入った液体容器を5本持ってきてくれた。聞いたところ万能ポーションだそうだ。多分熊にやられたユニコーンでもこの1本で毒消しやその他の状態異常も含めて回復すると思うと言って渡してくれた。ちなみに味については改良の余地ありだそうだ。そんなやりとりを見ていた換金所の人が目を丸くしていたように見えた。


 そのまま木下さんとも合流して3人で食堂に向かった。今日は結構賑やかで外人の人が半分以上占めている感じだ。以前研修センターの講習で聞いていた通り全員日本語を話しているようにしか聞こえなかった。たまにちょっと発音がカタカナちっくなところはある。


 どういうことかというと、ゲート内限定ではあるが異国のシーカー同士は各々の言葉で会話が出来るのだ。文字に関してはそのままなので現地の読み書きが出来ないと分からないが、会話だけは世界中どのシーカー同士でも「ゲート内にいる間だけ」はそれぞれの現地の言葉で会話できるのだ。ただし特定の単語、分かりやすい例ではスシ、テンプラ、スキヤキなど、そうした単語はそのままになる。だから先ほどの外人シーカーの会話でたまにちょっとカタカナちっくな発音を耳にしたのだ。


 この会話の仕組みについては既に70年近く研究されており、数十年前から国連やサミットなどで使われ始めて最近ではAIもシステムに取り込んでネット通信会議等では当たり前のように使われている。とはいえやはりゲート内で生で会話するよりも多少は劣るそうだ。


 と、そんな外人シーカーを見ていると「オウ!サチー!」「ハイ!サッちゃんサーン!」と外人に挨拶されている早乙女さんが少し恥ずかし気な様子で入ってきた。そんな早乙女さんがこっちに気付いたので、若干逃げるような感じで自分達の席にやってきた。いつも通り二人前を注文しているので大きなお盆を手にしている。


 聞くところによるとトレーラー並みの巨大リヤカーに建築材料を乗せて何度も「爆走して」往復していたら、それを見ていた外人達にやたらとウケたのだそうだ。


 あと建築現場では研修センターの会食で会った大工の宮君が一人でどんどん宿泊小屋を作っていて大活躍だったそうだ。もの凄い速さでノコギリを使って大きな木材を正確に切っていくので最初腕からチェーンソーが生えてるのかと思ったくらい凄まじかったそうだ。ゲンノウ(トンカチ)を使っているときも凄まじく、分厚い木材でもただの一振りで釘が完璧に刺さり、空気圧を使った電動釘刺し機の倍を超える速さで、しかも正確無比の等間隔でクギを打っていくのでまるで電動ミシンで布を縫っているかのような異様な光景だったので、外人シーカーもしばらく凝視する程で、そんな宮君はすごくカッコ良く見えたそうだ。それは是非この目で見てみたかったなぁ・・・

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