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383:極小銀河とおチビさん達

 不思議世界のパステルカラーの地面の上で冴内以外は全員スヤスヤ眠っている中、冴内だけはちゃんと瞑想して、ただ一人この宇宙そのもののパチものじゃないモノホンの宇宙であるパステルと共に真っ暗闇の宇宙空間を移動していた。


「あっ!明かりが見えてきた!・・・っとあれは、銀河・・・銀河かな?」


 確かに冴内が言う通り渦巻き模様の銀河が出現した。やはりパステル調の色彩だった。


「まだだいぶ距離があるみたいだ、少し速度をあげてもいい?」

『う~ん・・・多分、その必要はないと思う』

「???」


 冴内はパステルの答えを疑問に思ったが、その疑問はすぐに解決した。


「えっ!?アレッ?コレッ!これ銀河!?こんなに小さいのが銀河なの?」

『うん、すごく小さいけどこれ銀河だよ』


 冴内がまだまだ遥か遠くにあるのだろうと思った銀河は実はまだ遠い距離にあるのではなく、もの凄く小さいサイズの銀河で、実は既にもう冴内の目の前に存在していたのであった。


「これ、1メートルもない大きさなんだけど、ホントにこんな小さな銀河ってあるの?ひょっとして僕のイメージ不足っていうか力が足りないからこう見えてるってことなの?」

『いや、ワタシの宇宙にはこういう極小銀河も存在するよ。小さすぎて暗黒魔王達も興味がなかったんだと思う。やっぱりあいつらはバカだなぁ。小さいから弱っちいだろうって思ったんだよきっと。決してそんなことないのにさ』


 冴内は心の中でパステルさんはこれまでの宇宙と違って結構気さくな性格なんだなぁと思った。自分のせいでもあるということは完全に微塵も1ミリも考えていなかった。


『冴内君、よく見てごらんよ。小さいけどちゃんと沢山元気な星々が輝いてるよ!』


 冴内は近くによって銀河をよく観察してみた。すると確かにパステルの言うように様々なきらめく星々を目にすることが出来た。それはまるで砂粒のように小さいが、それでもとても元気に自分達を見てと強くアピールしているかのように見えた。


「ホントだ!とても元気に明るく光り輝いていますね!どれもとてもきれいだ!」


『でしょ?小さいけどとっても力強く輝いてるでしょ!ボク達は元気いっぱいで明るいんだよ!って言っているんだね』


「あっ!この星何か点滅してる、僕に何か話しかけてるような気がする!」

『どれどれ・・・うん、ホントだね!きっとボクのところにおいでよって言っているんだと思うよ!』


 冴内は元気に点滅している星をじっくりとよく観察した。その星はパステルカラーの銀河の中でもとても強く光り輝いており、きれいな水色だった。


 冴内は無意識のうちに顔を近づけて、その水色の星をひたすら凝視した。その星を強く感じようと五感を研ぎ澄まして凝視した。すると冴内は顔からその星に吸い込まれていった。その際顔がムニュゥーと伸びて針のようになっていったのでかなりキモイ光景が展開されていた。


『どうやら冴内様は星を見つけたようですよ』と、ジメンが言った。


 見るとジメンの地面の上に胡坐をかいていた冴内の姿が徐々に薄くなっていった。まるで少しづつ透明になっているかのようだった。


『皆さん今から負荷を解きますから、冴内様に触れてください!』

「グゥグゥ・・・グッ!?わっ!皆起きろ!父ちゃんにつかまるんだ!」

「ムニャムニャ・・・わっ!わかった!」

「スゥスゥ・・・ウン!分かった!」

「バッチリよ!」既に優は冴内に抱き着いていた。


 さいごのひとロボ4号機と音声ガイドロボ2号機とオリジナル花子も素早く近づいて冴内の身体に触れた。


『皆さんいってらっしゃい!修行がうまくいくようにお祈りしています!』


 そうして冴内達は不思議世界からいなくなった。パステル調の粒子となって全員消えていった。


「う・・・う~ん・・・」(冴内)

「グゥグゥ」(美)

「ムニャムニャ」(初)

「スゥスゥ」(良)

「スヤスヤ」(優)

「・・・」(最後ロボ)

「・・・」(音ロボ)

「・・・」(花)


「う~ん・・・こっここは・・・うん?えっ?あれっ!?あれあれっ!?なんだこれェーーーッ!!」


「グゥ・・・ウグッ?どうした父ちゃん・・・」

「ムニャムニャ・・・どうしたの?お父ちゃん」

「スゥスゥ・・・あっおはようお父さん」

「スヤスヤ・・・おはよう洋・・・ってどこ?洋」

「--- システム起動 ---」(最後ロボ)

「--- システム起動 ---」(音ロボ)

「--- システム起動 ---」(花)


「・・・」(冴内)

「・・・」(美)

「・・・」(初)

「・・・」(良)

「・・・」(優)

「・・・」(最後ロボ)

「・・・」(音ロボ)

「・・・」(花)


「「「 わぁーーーッ!!! 」」」

「「「 きゃぁーーーッ!!! 」」」


 冴内達は全員2頭身しかないおチビさんになっていた。見た目3歳児の初はそれほど違和感はないが、さいごのひとロボ4号機と音声ガイドロボ2号機はかなり違和感があった。


 以前冴内と美衣と優は第117話「ペロペロキャンディ」の回で赤ちゃんになったが、今回は赤ちゃんというよりはデフォルメされた可愛らしい造形になっていた。アニメキャラを2頭身程度にした「ねんどろん」という人気商品フィギュアのようだった。もちろんさいしょの民達よりも小さかった。


「まさか我々まで影響を受けるとは!」

「こっこれって冴内様のイメージの中の世界なのでしょうか?」

「しっかりするんだ!コレは現実だ!我々は間違いなく現実に存在する物体としてこのような姿になっているのだ!」


「アハハハハ!みんなおチビさんだ!アハハハ!」

「ホントだ!美衣お姉ちゃんもお父ちゃんもロボットさん達もみんなボクと同じくらいのおチビさんになっちゃった!アハハハハ!」

「わぁ!みんなすごく可愛い!わっ!私の手もすごく小さい!足もだ!アハハハハ!」

「キャア!洋!可愛いぃーーーッ!!」

「わっ優!優もすごく可愛いけど美衣そっくり!いや、美衣が優にそっくり・・・ってまぁいいか!アハハハハ!」

「皆さんとっても素敵で可愛いです!」

「わっ!花子姉ちゃんもすっごく可愛いぞ!」

「うん!花子お姉ちゃん可愛い!」

「ホントですか!?皆さんと同じで嬉しいです!」


「ところでここはどこだ?父ちゃん」

「ここはこの宇宙で初めて見つけた星だよ、水色に輝く綺麗な星で、僕達にとても来て欲しがっていたんだ」

「ホントだ!ここはボクと同じお星さまだ!こんにちは!ボクは冴内 初です!冴内 洋の息子でさいしょのほしっていう名前の星です!」


ボウンッ!


「おう!ようきてくれたべ!オラはバルダクチュンっていうべ!嬉しいべ!歓迎するべ!」


「ば・・・ばるだ・・・ばるだくちゅん、さん?」

「んだんだ!うまいうまい!オラはバルダクチュンだ!バルダでいいべ!えっとサエナイ ヨウさん、よろしくだべ!」

「はい、バルダさん。僕のことも洋でいいです。よろしくお願いします」


 冴内達の目の前にやはり2頭身の可愛らしい顔中ヒゲだらけのおじさんが現れた。しかし大きさは冴内達の身体の3倍程もあった。仮に冴内達の身長を50センチと仮定すると150センチはありそうだったが、冴内達が今いる場所で果たしてメートル法で計測出来る場所なのかは不明である。


「アタイは冴内 美衣!冴内 洋の娘で英雄勇者で料理人だ!コックともシェフとも言う!」

「私は冴内 良子!冴内 洋の娘!昔は悪かった時もあったけど今は良い子です!」

「私は冴内 優!愛する冴内 洋の妻よ!」

「私は冴内 花子!冴内 洋様の娘ですが皆さんのお世話をするのが生き甲斐のメイドロボです!」

「私はさいごのひとと呼ばれるかつて繁栄を誇っていた人類の末裔の思念体だ」

「私は音声ガイドです、元は航宙艦に組み込まれていたAIでしたが今は冴内様達に仕えております」


「ウンウンそうだベかそうだべか、こりゃごていねいに皆さん有難うごぜぇます。まずは皆さんを案内するべ!オラについてきて欲しいべ!」


 そういってバルダクチュンは歩いて行った。果たしてこの先冴内達はこの星でどんな修行を行うのであろうか・・・

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