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355:冒険者たち

 5日目の朝、ミラクルミックスジュース入りの風呂に入り、朝からステーキを何枚も食べる程に力みなぎっていた冴内達であったが、それ以上にスライム達も驚くほどパワーアップしていた。


 美衣、初、良子は3人一組で、冴内と優は二人一組でミラクルスライムと対峙した。


 美衣達は3方向から一斉に同タイミングで遠距離攻撃を放った。美衣はゴールデンチョップの斬撃、初はクロスチョップの斬撃、良子はブラックホールパンチを放った。もちろんかなりのパワーで放った。


 着弾と同時にこれまでにない轟音がした。同様に冴内と優の攻撃による轟音も響いた。


 さすがの複数人同時攻撃によりミラクルスライムは消滅した・・・が、なんと、復活した。


-------------------

ミラクルスライム

生命力:0⇒99

特殊力:99⇒0

攻撃力:9

防御力:9

素早さ:9

-------------------


「やっ!スライムが復活したぞ!やっぱりみらくるみっくちゅ・・・ミラクルミックスジュースの効果だ!」(美)

「すごい!ホントにスライムが生き返った!」(初)

「でも、特殊力がゼロになったよ!多分次は復活出来ないんだと思う!」(良)

「よし!もういっか・・・ギャッ!」(美)

「美衣ちゃん!」(良)

「美衣お姉ちゃん!」(初)


 一方、冴内と優。

「きゃあっ!」(優)

「優!」


 冴内と優の方も二人同時攻撃で一度はミラクルスライムを消滅させたのだが、やはり特殊能力により生き返りすぐさま体当たり攻撃を優に食らわせた。これまでと違って素早さが冴内達よりも向上しているので避けることが出来なかった。


 しかし、完全に避けることは出来なかったがかろうじて反応していたので、美衣も優もまともに攻撃を受けることなく致命傷は避けた。


「大丈夫!もう一度同時攻撃して!」

「「「 了解ッ!食らえッ! 」」」


 またしても轟音が鳴り響き、今度こそミラクルスライムは消滅した。


「フゥーッフゥーッ」(美)

「ゼェーッゼェーッ」(初)

「ハァハァ、フゥフゥ」(良)

「スゥー、ハァー・・・」(優)

「な・・・なかなか・・・手強い・・・けど、倒せないことはない・・・ね」(冴内)


「こっ、ここまで苦戦する程なんですね」(音ロボ)

「あぁ・・・まさか彼らがここまで苦戦する程とは思わなった」(最後ロボ)


 冴内はいつものように例のサクランボを食べようとしたところで閃いた。


「そうだ!サクランボじゃなくて、チェリースライムゼリーを食べよう皆!」

「そうか!いつものサクランボよりも良く効くかもしれない!さすが父ちゃん!」

「これでもまだダメならピーチスライムゼリーを食べようと思うけど、まずはチェリースライムゼリーから試してみよう」

「「「 りょうかーい! 」」」


 冴内達はまだ残っていて冷やしておいたチェリースライムゼリーを食べた。


「「「 ウマーッ! 」」」


「優、美衣、痛みはどう?」

「これは良く効くゼリーだ!すっかり元気になったぞ!」(美)

「うん!私もよ!」(優)

「ボクも朝と同じくらい元気になった!」(初)

「私も!」(良)

「そうだね、僕もだよ。さすがスライムゼリー、説明文に書かれている通り、食べるととっても元気になるね!」


「よし!この調子で戦おう!次からは最初に倒した後はすぐに回避するんだ!」

「「「 分かった! 」」」


「私改めて思うんですが・・・やっぱり冴内様達は凄いですね・・・」(音ロボ)

「うむ全くだ、ひるむどころかしっかりと戦況分析して果敢に挑もうとするとは実に大したものだ」


 冴内達は前方向には進まず、横方向に移動して残り3体のスライムを探して撃破した。


「やっ!ゼリーが出た!」(美)

「ホントだ!」(初)


-------------------

ミラクルスライムゼリー

効果:細胞の一部が残っていれば完全復活する。

全ての状態異常も完治する。

ごく稀に奇跡が起こる。

-------------------


 細胞の一部しか残っていない状態の人間にゼリーを食べさせることは不可能だが、一体どうすればいいのだろうか。逆に細胞をゼリーの中に入れればいいのだろうか。もしもまだ生きている人間の髪の毛などをゼリーに入れたらその人間がコピー出来てしまうのだろうか。


 ・・・と、いったことをさいごのひとロボ4号機と音声ガイドロボ2号機は思い浮かべ、ごくわずかに試してみたいと思ってしまったことをすぐに心の奥底に封印した。冴内達がそれに気付いた場合は果たして止めることが出来るだろうか。


「なんか・・・少しだけ食べるのが怖い気がする」(美)

「うん、ボクも」(初)


 さすがの美衣達も今回ばかりはやや臆する様子だった。


「そうだね、これはイザという時にだけ使うことにしよう」(冴内)


 そうして冴内達はミラクルスライムを見つけては撃破していったがさすがに消耗が激しく、チェリースライムゼリーの残りも少なくなってきた。ちなみに毎回一人一個を丸ごと食べているのではなく、大体ひとくちかふたくち程食べていた。


 冴内達はミラクルスライムを15匹、一人当たりに換算して3匹倒したところでレベルアップした。


-------------------

冴内さえない よう

21歳男性

レベル:6⇒7

生命力:80⇒120

特殊力:80⇒120

攻撃力:6⇒7

防御力:6⇒7

素早さ:6⇒7

-------------------


「さすがミラクルスライム!今日はまだ3匹しか倒してないのにレベルアップした!」(美)

「ホントだ!すごい!」(初)

「生命力と特殊力はミラクルスライムを超えたけど攻撃力とかはまだミラクルスライムの方が上だね」(良)

「うん、皆まだ気を抜かずに戦って!」(冴内)

「「「 りょうかぁーい! 」」」


 冴内達はさらにミラクルスライムを撃破していった。


「なんとなくさっきよりもラクになった気がする」(美)

「うん、ボクそんなに疲れなくなった!」(初)

「あと少しだけどスライムの体当たりが見えるようになったかも」(良)

「うん、ボクも見える!」(初)


「・・・以前VRシミュレーションで皆様方が猛特訓なされている姿を思い出しました」(音ロボ)

「なるほど、コッペパン号の貨物室で重力を千倍にして、シミュレーション内世界では彼等のステータスを千分の一に弱体化した時のことか。うむ、確かにあの時を思い出すな」(最後ロボ)


「いつも敢えて困難に立ち向かっていく姿勢には頭が下がります。そしてそれをいつも楽しそうに乗り越えて向上していく姿を見ると何故か機械である私でさえ胸が躍る気持ちになります」(音ロボ)

「あぁ・・・そうだ、そうだった。あまりにも日常とのギャップが大きいのでつい忘れがちになるが、彼等の本質は本来冒険者なのだった。冴内 洋は全宇宙の愛の使者である以前に探索者であり、彼の家族もまたそんな彼の意志をしっかり受け継いでいるのだ」(最後ロボ)


「そうですね、こんな暗闇の中に5日もいるのに皆様方はいつも明るく前向きです。見ていることしか出来ない私ですが、私まで明るい気持ちで皆様をみているとワクワクします」(音ロボ)

「辺りは一面暗闇で環境的にはあまり面白味はないかもしれないが、それでもその分かえって戦闘シーンが浮き彫りになり、今回の映像記録も多くの人々の関心を寄せることだろう」(最後ロボ)

「そうですね!」(音ロボ)


 音声ガイドロボ2号機は公開用動画で入浴シーンをどうやって編集しようか考えていた。冴内達の裸をそのまま無編集で公開することは出来ないが、風呂の湯にとんでもないものを投入するところはとても重要なシーンなのでカットするわけにはいかないのだ。

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