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3:卒業、そして初めてのゲート

 前代未聞のひと騒動の後、それまで黙っていた役所の方が、ゲートシーカーに関する説明や正式文書に正式書類など、まさにお役所仕事というか事務手続きの一切を語り始めた。


 数日後には役所にいって各種の登録や講習を受け、可能な限り早い段階で実際のゲート内での、レクリエーションを受けるよう言われた。現地への移動費や滞在費も含め参加費用は全て無料で、状況によってはそれなりの収益もあるそうだ。


 レクリエーションは最低でも数日かかり、人によってはそのままゲートシーカーとなってその地で生活していくようなので、半年後専門学校を卒業した後で参加することにした。


 ゲートシーカーにならない場合は就職するため、ちゃんと学校を卒業して各種専門資格もとっておいたほうがよいと、あらかじめ決めていたのだ。


 そんなわけでその後の半年間しっかりと授業を受け、各種資格試験にも合格して卒業することになった。


 本当はさらにもう1年専門課程に進んでから就職活動を行う予定だったのだが、まさか自分がギフトを授かることになるとは思わなかったので、通常の2年コースでの卒業となった。


 そして春、自分は今まさに日本に2か所あるうちのゲートの一つ、富士山麓にあるゲート前にいる。


 ゲートは幅2メートル高さ3メートル程だろうか。あらかじめ画像や動画などで見知っていたが実際にこうして目の前で見てみるとすごく小さく感じる。


 ゲートにはドアでいうところの枠がまったくなく厚みもまったくない、そしてゲートの裏側は真っ黒だ。そして正面には今立っている富士山麓とは全く別の草原が映し出されている。さらにその草原には鈴森さんが立ってこちらを見ている。


 前回家に来た機関の方とは別の方が「それでは入ってみてください」と言ったのでそれに返事をして単身ゲートに向かって歩き出す。当然緊張しどんな風になるのだろうかと思ったが、まるで何の抵抗もなくまったく何の変化もリアクションもなかった。


 ゲートを通過して中に入ったところ「ゲート内へようこそ」と鈴森さんが言った。


 辺りを見渡すと大きなテントやプレハブ小屋、さらには木製のロッジなどが多く建ち並び割と人でにぎわっていた。


 さらに遠くを見ると見事な美しい山々やどこまでも続く草原があり、ビルなどの人口建造物が一切ない光景が広がっていた。


 そんな光景を目の当たりにし、見た目の景色だけでなく、音、匂い、空気を五感に感じそれだけで非常に感銘を受けた。


「どうですか冴内君、これがゲートの中の世界ですよ」

「はい、なんというかありきたりですが感動してます」

「おっそれは見込みありですよ、この景色、この空気に感動するということは、この世界の住人になる資格が大いにあるということです」


「さて、早速ですがついてきてください、冴内君の適正を判断して実際にゲート内を探索しましょう」

「分かりました」


 鈴森さんについていきプレハブ小屋へと入っていった。


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