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259:食糧調達・後編

 美衣は以前食べ逃した巨大海竜を仕留めることが出来て上機嫌で、さらに美味しそうな様々な海の幸をじゃんじゃん捕獲している最中だった。


 そこへ突然久しぶりに例の白い消しゴム状の携帯端末が鳴り響いて少し驚いた。


「わっ、びっくりした。久しぶりにに携帯が鳴っとる。誰だろう?はいもしもしこちら冴内 美衣です」

「美衣お姉ちゃん・・・助けて・・・」


「ハジメ!!!!分かった!今行く!すぐ行く!」


 美衣は初からの救援要請に「どうした?」とか「何があった?」とか「今どこだ?」など一切聞かずに海中発射ロケットミサイルのように凄まじい水しぶきをあげて弾丸発射した。最初から全身黄金の粒子に包まれて黄金の矢のように飛び立った。

 美衣には初のいる位置が最初から分かっていたかのようで、まったく躊躇することなく完全に完璧に一直線に最短距離を凄まじい速度で突き進んだ。

 黄金の粒子雲の後に空気を切り裂いて出来た水蒸気による飛行機雲が出来てその後にとんでもない轟音が空に響き渡った。


「あら?何かあったわね美衣」(優)

「あっ美衣ちゃん、どうしたのかな?」(良)

「美衣様何かあったのでしょうか?」(花)

「わぁ、美衣はりきってるなぁ・・・」(冴内)


 と、冴えない冴内だけがのんきな感想を述べ、他の家族は美衣の身に何か起きたことを察知した。


 美衣は3分もかからず初のところに辿り着いた。とんでもなく大きな4つ足の恐竜が横たわっており、その恐竜の頭の上で初が手を振っていたので美衣は安堵して初の前に静かに着地した。


「すごいの倒したね初!」

「うん、美衣お姉ちゃんごめんね。倒してから気付いたんだけど、これ大き過ぎてたべものをいれる箱に入らない。美衣お姉ちゃんのポケットにいれてくれる?」

「うん!いいよ!」

「ありがとう美衣お姉ちゃん」

「きゃぁーっ!」


 いつものように美衣は喜んで初の可愛いほっぺたに自分のほっぺたをくっつけて喜び、頭の先から尻尾の先まで100メートルはありそうな巨大草食恐竜を宇宙ポケットの中にいとも簡単に完全に物理法則を無視して格納した。やはりこの宇宙ポケットは試練の門の中でも最上級に価値のあるご褒美アイテムだった。


 極めて遺憾で申し訳ないことに、これらは全て初の責任ではなく、またしても作者の完全なミスであり、かなりの文字数を書いて「シメシメ今日も文字数ノルマを達成出来そうだ」と一息ついたところで「これ格納出来ないじゃん!」と気付いてしまった次第である。初ちゃん本当に申し訳ない。


「初すごいね、こんな大きい美味しそうなヤツを見つけたことも、綺麗に一発で倒したことも、けいたいでんわを使えることも、全部すごいね」

「うん、ありがとう」

「ほかにも大きいのが何匹かおるな。これは初じゃなくて多分大きいヤツにやられたんだな。まだ美味しく食べられそうなヤツは一緒にしまおう」

「わかった。あれとあれはまだ美味しいと思う」


 美衣は初の目利きに頼って超巨大草食恐竜に踏まれて殺された恐竜達を確保していった。内臓破裂したり踏まれて肉と血が凝固して鮮度が落ちたのは美衣がその場で全宇宙の万能チョップで綺麗に華麗に解体して美味しい部位を宇宙ポケットに格納した。解体しても一つ一つの部位が大きいので食料格納箱には入らなかった。解体後に残された肉片などはこの森林に生きる様々な生き物達やこの土壌にとっての糧となることだろう。


 一通り辺り一面の恐竜たちを宇宙ポケットに格納したので美衣と初は別の場所で食材を調達しに行くことにした。


 一方優の方は美味しそうな様々な種類の果物を大量に食料格納箱に納めると冴内のところまで飛んで行った。冴えない冴内は食材探しが思ったようにはかどっておらず、どうしたものかと思案していたところだった。


「あれ?優どうしたの?」

「・・・」(優)

「・・・」(冴内)


 冴内はすぐに雰囲気を察して、二人で森の中に入り夫婦のスキンシップにはげむことにした。そろそろ結婚1周年になるのでこの辺りのことはすぐに察することが出来る程に以心伝心可能な間柄であった。


 その頃花子は自然群生している麦に似た植物を大量に刈り取っていた。

「きっと眠っている宇宙人さん達も紙芝居を見たらラーメンを食べたくなりますね!だからたくさんラーメンの元になる麦を取らなくちゃ!」

 一面黄金色の麦の群生地の中で小さな可愛らしい小型のロボットが凄まじい速度で麦を刈り取っていった。その様子はまるで動画の再生速度を3倍速で再生しているかのような速度だった。


 良子の方はというと、地球のニワトリに似ているがサイズだけが倍以上もある鳥や同じく地球のヤギに似ている4つ足動物に話しかけて一緒に旅をしてくれないかと説得していた。良子からは外敵に襲われることのない安心安定した生活と食事の提供を約束し、鳥や4つ足からは卵や乳を定期的に提供して欲しいとお願いした。

 お互い会話をしているわけではなく、良子の方から心と誠意をこめて一方的に話しているだけなのだが、鳥や4つ足は真剣な眼差しで良子をじっと見つめていて、やがて納得して頷いたり短く小さく鳴いたりして、食料格納箱の中に自ら進んで飛び込んで入って行った。

 こうしてニワトリに似た鳥がおよそ100羽、ヤギに似た4つ足を30頭程生きたまま確保出来た。食料格納箱は取り入れ口サイズに出し入れ出来ることが大前提ではあるが、性能的には宇宙ポケットに匹敵する程の保管性能を持つ便利アイテムなのであった。

 その後は鳥や4つ足のエサとなる穀物や草をとにかく大量に採取し始めた。良子の力を持ってしても一人では人手不足なので、良子は冴内に白い消しゴム状の携帯電話で手助けを依頼すると、冴内と一緒に優もやってきたので良子は少しだけ不思議に思ったが、人手が増えることは大いに有難いことなので、事情を説明したところ二人とも喜んで手伝ってくれた。100羽の鳥も30頭の4つ足もこれなら数年は食べ物に困らないだろうというくらいのエサとなる植物を採取して格納した。

 その後は3人でそのまま植物採取の延長として、自分達が食べる葉物野菜や実のなっている野菜や根菜やキノコなど様々な野菜を採取した。ちなみに美味しく食べられるものかどうかの判断は優と良子が行って、冴内は二人から教わったものを採取した。たまに見た目がそっくりな毒キノコや毒ネギや毒イモや毒ニンジンなどを採取してダメ出しをくらったが、偶然何かのキノコを間違って採取したところ物凄いお宝キノコを発見したと褒められたりもした。


 一方の美衣と初は以前野生の稲がたくさん群生していた自然の水田に訪れて、米にそっくりな稲を沢山採取していた。今回も美衣が初を腹に抱えて初がチョップでバッサバッサと刈り取って美衣の宇宙ポケットに放り込んで行くという作業工程だった。

 上空から俯瞰して撮影していたら何かのコンバイン機械によって稲刈りしているのかという程に早く正確に美しく野生の稲が刈り取られていった。

 必要十分以上の野生の稲を採取したので、さらに納豆の元になりそうな豆がないか初に聞くと、初は目を閉じて少し静かにした後で「あっち」と指をさし、その方角に少し行くとそれらしい豆があちこちになっている何かの植物のツルがたくさん巻き付いている木がいたるどころに生えている場所に辿り着いたので、そこで思う存分豆を採取した。


 なんと食糧調達だけで前後編に分けて6千文字を超える程に冴内達は各自凄まじい量の食料を調達した。一体何十年旅をする気だというくらい食料を調達した。当然ソティラが乗ってきた航宙艦の乗員300名の腹を十分以上に満たす程の量だった。

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