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236:出会いは突然に

 冴内達が別の宇宙にやってきてからちょうど30日目の朝がやってきた。


 いつものように炊き立てご飯に納豆をたっぷり乗せた朝食をとっていると、緊急アラートが鳴り響いた。

 この緊急アラートが鳴ったのは初めてのことなので冴内はかなり驚いたのだが、他の全員は全く動じていないようだった。


「無人探査衛星ナンバー92号機が何かと接触したようです!」と、音声ガイドロボが告げた。


「何かって、それはひょっとして宇宙人かい!?」

「その可能性が極めて高いと思われます!あっ!今新たなデータが送られてきました!画像表示出来ます!」

「見たい!見たい!」(美衣)

「分かりました!それでは表示します!」


「・・・ザッ・・・ザザッ・・・ザッ・・・」


ゴンゴン!ガンガン!ドカンッ!


「オイ!オメェ!ドコのモンだ!あぁ!?ここいら一帯がアタイらの縄張りだって知っての狼藉か?あぁ!?オイ!聞こえてんだろ!返事しろやコラ!」


「・・・」(冴内)

「・・・」(美衣)

「・・・」(優)

「・・・」(良子)

「・・・」(花子)

「・・・」(初)

「・・・」(さいごのひとロボ)

「・・・」(音声ガイドロボ)

「「「・・・」」」(量産型花子)


「なんか・・・初めて会った時のしろおとめ団のお姉ちゃん達みたいな感じだ・・・」(美衣)

「うん・・・これってまさか、この人たち宇宙海賊なんだろうか・・・」


「オメェ何シカトぶっこいてんだ!あぁ!?」


『皆さん、初めましてこんにちは、僕の名前は冴内 洋、別の宇宙から来た宇宙人です』

『アタイは冴内 美衣!冴内 洋の娘だよ!』

『私は冴内 優!冴内 洋の妻よ!』

『初めまして!私は・・・』


 無人探査衛星に搭載されているコミュニケーション機能が自動的に開始されて冴内達の立体ホログラム映像が投影され、冴内達の自己紹介映像が開始されたのであった。


「うっ!うひゃあ!!なんだテッ!テメェ!やんのかコラァ!!」

「おっ!おい待て!」

「なんだこの野郎!止めるのか!?」

「良く見ろよ!この最初に出てきた奴!コイツ!」

「あぁん?最初の奴だぁ?・・・・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」


「「「 ッッッ!!! 」」」


「コ・・・コレッ!コイツッ!コレってまさか!」

「あっ・・・あぁ!コレは多分・・・」

「オイ!誰か、古文書持ってこい!!」

「ヘイ!ボス!!」


「ボス!どうぞ!」

「おう寄こせ!えーと・・・あったこれだ!!」


「間違いない!コイツはオスだ!かつてオトコと呼ばれていた生物に違いない!!」


「「「なんだってェェェーーーッ!!!」」」


「こっ!これがオトコか!」

「オトコだ!オトコがいるぞ!」

「オトコだって!?」

「オレにも見せてくれ!」

「オレにも!」

「ワイも見たい!!」


「ハァ~・・・」

「ハァ~・・・」

「ハァ~・・・」

「ハァ~・・・」


「ようしテメェら!これがどっからやってきたのか徹底的に調べるんだ!こいつはとんでもねぇお宝がやってきたぞ!!」


「「「ヘイボス!!」」」


「ゲッヘッヘッヘ!オトコ・・・オトコかぁ」

「ケッケッケッケッ!オトコだ!」

「イッヒッヒッヒ!オトコ・・・オトコ・・・」


「・・・」(冴内)

「・・・」(美衣)

「・・・」(優)

「・・・」(良子)

「・・・」(花子)

「・・・」(初)

「・・・」(さいごのひとロボ)

「・・・」(音声ガイドロボ)

「「「・・・」」」(量産型花子)


「えーと・・・これって、ここからどれくらいの距離の事か分かる?」(冴内)

「はい、無人探査衛星が通過した宙域の情報は既にデータ登録しているのでワープが使えますから、コッペパン号のワープで移動すれば3日程で到着する距離にあります」(音声ガイドロボ)

「3日!・・・あの人達もワープ機能のついてる航宙艦とか持ってるのかなぁ・・・」


「大変だ!あのお姉ちゃん達、父ちゃんをお宝だって言っていたぞ!食べられちゃうのか!?」


 いや、美衣さんにとっての宝は美味しい食材かもしれませんが、他の皆さんにとってもそうだとは限らないと思いますが・・・


「そうね!洋を取られてなるものですか!」(優)

「お父さんは誰にもあげない!」(良)

「戦いましょう!」(花)

「わかった」(初)

「戦争準備ですね!」(音)


「いやいやいや!ちょっ、ちょっと待ってちょっと待って皆、しかも戦闘じゃなくて戦争って・・・」


「冴内 洋、確かに説得を試みたい君の気持は分かるが、あの様子を見るに最初からまともに話しの分かる連中ではなさそうだ。まずは最初にガツンとやって、力の差を身体で分からせた後で蘇生すれば少しはこちらの言うことを聞くかもしれない」


「蘇生って・・・そんな・・・」


「とりあえず惑星破壊ミサイルか物質還元光子魚雷の製作を開始しても良いでしょうか?」(音)


「待って待って!穏便に穏便に!」


「そんなものなくても父ちゃんのビッグバンチョップがあれば宇宙ごとぶっ壊せるぞ!」

「あっそれもそうですね!」


「いやいやいや、しないから!壊さないから!」


「もう、ちょっと待ってよ、皆まであの人達みたいに好戦的にならないで、落ち着いて」

「他のことならどうでもいいけど、洋を取ろうとするのだけはダメよ!絶対に許さないわ!」(優)

「そうだ!お父ちゃんが食べられちゃうのはダメだ!」(美)


 人柄は悪いですが食人族ではないと思うので冴内が食べられることはないと思いますが、別の意味で食べられることは間違いないかもしれません。


「まぁどんな軍団が大挙して押し寄せてきても、君達ならばまさに鎧袖一触、軽く触れただけで殲滅全滅絶滅させることは出来るだろうから、冴内 洋の言う通り慌てる必要はないだろう」


「いや、そういう意味で落ち着こうって言ったんじゃないんだけど・・・」


「そうね!洋のビッグバンチョップには敵わないけど、私達だってその気になれば幾らでも宇宙くらいぶっ壊せるんだから何が来たって問題ないわね!」

「そうだ!久しぶりに大暴れするぞ!」(美)

「私も、良くない物を全開放する!」(良)

「私も武装して軍事兵器に機種転換します!」(花)

「このほしをぶっつける?」(初)


 恐らくこれが初めてのことだと思われるが、ここまで家族全員ヒートアップするなど想像もしていなかったので冴内はかなり困惑した。ただその一方でそれだけ自分を大切に思ってくれていることに感動した。とはいえこのままでは自分よりも、初めて出会った宇宙人達の全滅の危機の方が真剣に心配で、なんとかして事態の鎮静化を図ろうと必至に懸命に賢明な案はないか考えたのだが、ここぞという今この時にやはり頭の中は冴えない一般人代表の冴内には妙案が全く浮かんでこなかった。


 そんな時だった。さらに緊急アラートが鳴り響いた。


「今度は無人探査衛星ナンバー1号機からの通信が入りました!」

「えっ!1号機だって!?一番最初の衛星だね!」

「はい!今データが・・・来ました!映像出力可能です!」

「見たい!見たい!」(美)

「分かりました、映像出ます!」


「・・・ザッ、・・・ザザッ・・・ヮ・・・」


「ヮ・・・ワレワレハ・・・」


「「「ゴクリ」」」(冴内一同)


「我々は宇宙連盟です、サエナイと名乗る別宇宙から来た皆様、我々はこの宇宙の宇宙連盟を代表する者です、皆様方の到来を心より歓迎いたします、繰り返します、我々は宇宙連盟です・・・」


「「「 キタァーーーッ!! 」」」


「素晴らしい!この宇宙にもやはり我々の宇宙の宇宙連合のような組織が結成されていたのだな!」

「そうですね!これだけの規模の宇宙と宇宙年齢ですから、そのような組織が結成されているだろうと予測されていましたが、本当に存在していてとても良かったです!」(音)


「あぁ良かった、マトモな人達がいて・・・」


 冴内達がこの宇宙にやってきてちょうど1ヶ月。自体は急速に展開し始めて行くのであった・・・

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