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221:再び惑星訪問

 力堂達が普通の地球人のゲートシーカー達の良いお手本となる活躍をしている一方、冴内達はりゅう君と神代の結婚披露宴パーティーのお誘いをするために実際に足を運んで各惑星を見て回った。


 宇宙イナゴ討伐の時は慌ただしくただ通過するだけだったので、討伐が終了して落ち着いたらまた遊びに行くという約束をあちこちの星でしていたのでそれを果たす目的もあったし、美衣はやはり各地の名物料理を食べたいと熱望していたので、電話だけで伝えるのではなく実際に足を運んだのである。


 最初の訪問地ははもちろんミャアちゃんがいる獣人達の星で、美衣は大喜びで一緒にあちこち遊んで周り美味しいものもたらふく食べた。さすが獣人達が住む星だけあって、肉料理が豊富でどれもとてもジューシーで美味しかった。地域によっては肉よりも魚料理の方が多かったりするようだが、穀物や野菜や果物を使った料理は多くなかった。


 もちろんりゅう君の結婚披露宴パーティーには参加するという返事をもらい、大歓迎大接待の3日間の滞在を終えて次の星へと向かった。お土産を大量に渡されたのでいったんみんなのほしへと戻ってしまってから次の長身エルフ達のいる星へと向かった。


 エルフ達の星でも手厚すぎる歓迎を受けた。美麗でスタイルの良い女性エルフ達が冴内にお色気ムードでちょっかいを出さないかと優は心配したが、エルフ達の最大の感心は冴内ではなく優で、この星の歴代最強伝説の大魔法使い【ΠΩΛーΛΩΠ】選手を大闘技大会で打ち破った際に冴内から優に渡った例の魔法の指輪の能力を見事に使いこなしている優の方にエルフ達は興味津々だったのである。


 優の魔力感知をさせてくれないだろうかと恐る恐るエルフ達に懇願され、優は気軽にいいわよと言って答え、魔力測定すると探知機は見事に破壊されるというお約束の展開になり、測定不能という結果になった。


 優がしている指輪は魔法力を飛躍的にブーストアップするが、相当の魔力を持つ者じゃないと魔力が吸われて魔力が低下するどころか命の危険もある程のものだそうで、この星の現在最強レベルの者でも丸一日装着するのは危険で就寝前には外さないと翌日は確実に体力が削られて物凄い疲労感に襲われるのだそうだ。


 この点を優に問い合わせると、ずっとつけて毎日過ごしてるけどなんともないわよとケロリとした様子で答えたので、ますますエルフ達は優に興味津々になった。しかも優が使える魔法の中には古代の文献でしか知られていないものがあったり、さらに新しく優オリジナルのアレンジが加えられているものもあり、エルフ達はひたすら優にベッタリだった。


 その間美衣と良子はあちこちの食べ物屋に行って色んな物を食べた。ミャアちゃんのいる獣人の星と違って肉や魚料理は少なく、穀物、野菜、果物中心の料理が豊富にあった。素朴な味のものが多かったが、その分素材の美味しさを良く引き出していた。


 冴内はえるに会って、白い消しゴム状の携帯端末を貸してあげて、えるとしろおとめ団達の近況を報告しあえるようにしてあげた。えるがこの星に来た当初は魔法力だけならこの星の最上級レベルに匹敵する程なので、後は様々な知識や技能を覚えるだけであり、試練の門で最終的にマルチマジックのレベルが1万になっていたので技能習得にかかる時間も通常では有り得ないスピードで学び終えるだろうと言われていたのだが、そこに追い打ちをかけて試練の門のクリアボーナスの「げんしょのきおく」で魔法に関する知識と経験の記憶をくれと要求したものだから飛躍的に魔法能力が向上してしまい、もはや学ぶことがなくなり、今やこの星の最重要人物になってしまったと報告した。


 当然異性にも大モテでモテモテのモテ期到来で引く手あまたの日々だそうだ。どれも眉目秀麗な超絶イケメンエルフだらけで、おまけに魔力も財力も地位も全て揃った好物件揃いだったのだが、見た目はともかく冴内に並ぶ程の好意を抱く人物がおらず、現在この星で頼まれている魔法学術整理の仕事がひと段落したらおとめぼしに戻ろうかと思っていると言った。もしも結婚するなら地球にいる日本人が良いとも言った。


 こうして長身エルフ達の星にも3日間程滞在するとまたもや沢山のお土産をもらったので、またしてもゲートを伝ってみんなのほしへと戻りお土産をしまった。


 やはり冴内は冴えないキャラなので、ここで訪問する順番を間違えたことに気が付いた。


 ・・・すいません冴内のせいにしましたが、実際には作者がミスして間違えてしまいました。ごめんよ冴内。


 ともあれ、冴内達は次にクリスタル女王のいるクリスタル星に向かった。


 クリスタル星のリングゲート付近には今日も大量のレアメタル、クリスタル星人達から排出された老廃物・・・要するにウンコが大量に地球へと運ばれていた。引き換えに運搬特化型シーカーが良質な天然水をクリスタル星に運んでいた。そんな様子を横目に若干顔を赤らめたクリスタル女王が出迎えてくれた。


 残念ながらクリスタル星には名物料理はなく、ただひたすらミネラルを含んだ水しかないので、美衣のテンションは低かったが、それでも何か素晴らしい食材があるかもしれないとまさに探索者の鏡のような探求心であちこち勝手に飛行許可もとらずに領空侵犯しまくった。その際良子も一緒に飛んで探してくれて有機化合物の存在をげんしょのひとの思念体に問い合わせて範囲を特定し、そこから先は驚異的な美衣の嗅覚でサーチしたのだが、それでも残念ながら美味しそうな食材は見当たらなかった。


 クリスタル星人の特徴として、女王とその側近数名だけが最近人物の彫像のような姿になったが、それ以外は本当に鉱石なので宇宙人なのか単なる石コロなのか普通の人には判別不可能だった。まだ宙を浮いていれば普通じゃないなと気が付くが、休憩中とか睡眠中とかで動かずに地面にいるだけだとまず分からなかった。


 美衣と良子が一番驚いたのが、水晶の山だと思っていたのものが美衣達に話しかけてきた時で、山そのものがクリスタル星人だった。そのクリスタル星人は背中が痒いのでちょっと掻いてくれないだろうかと頼んできた。痒いという場所を見て見るとコケがビッシリ生えている部分があったので、美衣はチョップでごっそりコケだけを器用に削り落とした。


 山のようなクリスタル星人はたいそう喜び、お礼として彼の体内というか洞窟の奥にあるとても綺麗な結晶体を持って行ってくれと言ってくれたので、断るのも悪いと思った二人はその結晶体をもらうことにした。山のようなクリスタルはこのコケの痒みに数千年も悩んでいたとのことで、物凄く喜んで四方八方に響き渡る綺麗な音色を轟かせた。


 美衣達は山のクリスタルに別れを告げて冴内達の元へと帰った。記念のためにコケも宇宙ポケットに格納して綺麗な結晶体と一緒に持ち帰った。


 遠い先の未来にこのコケと結晶体は大宇宙と、とある生き物を救うことになるのだが、今はまだ無用の長物である。


 山のようなクリスタル星人の綺麗な音色はクリスタル女王や臣下達の耳というか鉱石特融の振動波長を身体で探知して知る所となり、美衣と良子による親切なボランティア活動が大いに讃えられた。


 そうしてクリスタル星人達からも様々な素晴らしく貴重な宝石を沢山お土産にもらい、やはりみんなのほしへといったん戻ってお土産をしまった。


 まだわずか3っつの惑星にしか行っていないが、既に凄まじい価値を有するお宝の山が出来上がっていた。さいごのひとに頼んでホールケーキセンターの最上階の冴内達の部屋の近くにお土産を保存する部屋を用意してもらった。冴内達が宿泊する最上階の一つ下に元々あったいくつかの部屋を統合してお土産保管庫として作ってもらったのだ。


 美衣がチョップで手伝おうかと言ったが、図面を登録すれば部屋が自動で形を変えて再構築すると言われたので手伝う必要はなかった。興味津々で邪魔にならないように部屋自体が変形していく姿を見たが、まるで生き物のように壁が動いたり形を変えていくので美衣はそれがとても面白かったらしく笑いながら飽きずにずっと見ていた。


 他にもマシーンプラネットのマシンヒューマンと辺境の開拓惑星のドムゲルグフ人に結婚披露宴パーティーのお誘いをして、もちろん二つ返事で喜んで参加させてくれという返事とやはり大量のお土産をもらって帰って来たのであった。


 そこから先は宇宙断層地帯なのと、コッペパン号はおとめぼしに係留しているので、先に進めなかったので今回の訪問はここまでとすることにした。


 今回訪問した全ての星で是非一度おとめぼしに宿泊観光しに来てくれとPRもしてきた。PR動画を空間投影して見せたところ非常にウケがよく、どの星からも高評価を得て必ず行くと言ってくれた。

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