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108:サイダー飲んで頭を冷やす

 前日は夜9時前に寝たので次の日は日の出前に起きてしまった。朝の食堂は当然まだやっていないので朝飯前の一仕事ということでゲートに向かった。


 玉置神社までの道中、早朝ということで車もバイクも皆無だったので全速力でぶっ飛ばした結果ゲートまで7分程で到着した。そのままさらにゲートに入って10日かけて巨木を切り倒してようやく到達した片道およそ50キロ程の穴のある地点まで40分程で到着。そこから一気にミイは垂直降下し冴内はユウにお姫様抱っこしてもらって垂直降下し3分程でまた試練の門の前まで来た。時刻はまだ朝の5時前である。

 早速ミイは扉の台座に手を乗せると「試練を再開しますか?」と聞かれたので「すまんがモードを普通にかえてくれ」と言ったところ・・・


「一度設定したモードは変更できません」

「試練を再開しますか?」


「なんだと!?どうしてもダメなのか!?」


「一度設定したモードは変更できません」

「試練を再開しますか?」


「どうしたら難易度を変えられる?」


「一度設定したモードは変更できません」

「試練を再開しますか?」


「おい!コピペやめろ!いいから普通にしろ!」


「一度設定したモードは変更できません」

「試練を再開しますか?」


「・・・すまん。お父ちゃん・・・アタイが考えなしだった・・・はんせいする・・・」美衣は地面に手をついてOTLの形になった。


「うーん・・・どうする?入る?戻る?」

「アタイ・・・ブドウまた食べたいなぁ・・・」

「そうね、あのブドウまた食べたいわね」

「確かにブドウ美味しかったね、よし!入るか!」「やった!ブドウ倒したら食堂に戻って朝ごはん食べよう!」


 ブドウじゃなくてぱぁぷるスライムな。ちなみに正式名称は違うんだけどな。さておき冴内ファミリーは懲りずにこの世の地獄の試練の門に入っていった。今度こそ一切油断しないように慎重に挑むことを全員で誓って入っていった・・・


 そうして進んでいったのだが昨日まっくろスライムやぱぁぷるスライムに遭遇した場所にはスライムは存在せず、結局試練の門の扉から30分程進んだところでようやくスライムが現れた。今回は銀色のスライムだった。


「あれ?昨日と色が違う!しるばぁだ!しるばぁスライムだ!」と、これまでよりもかなり遠い間合いから気付いたのでまだしるばぁスライムは襲ってこなかった。


 とりあえず今回は冴内が先行して進んだ。距離10メートル程で停止して様子をうかがう。手はチョップの状態で振り上げたままだ。


少しづつにじり寄る・・・

まだしるばぁスライムは動かない。

よく目を凝らして少しの変化も見逃さないようにジリジリとにじり寄る。


 すると、何かすごく微妙な変化が見えた。


 こちらから見てスライムの後ろ側がググッと縮んでいるように見えたのだ。恐らくはじけ飛ぶ前に力を蓄えているかのように見えた。しかしこちらから見て反対側の部位だったのと銀色とはいえ透明に近かったので微妙な形状変化までは把握出来ず、冴内は「ヨシッ来るッ!」と気付くのが惜しくもわずかに遅れてしまった。


「げぇっ!!」

「お父ちゃん!!」

「洋ッ!!」

「一発入れたぁぁぁ!美衣!」

「分かった!おりぃやぁぁぁ!!」


 ボヨォォン!と鈍い音!しるばぁスライムが美衣のチョップを間一髪避けてカスった音だ。


「グエッ!」と今度は優からの音、しかし優はガシッとしるばぁスライムをつかんで離さない。「母ちゃんそのまま!どりゃぁぁぁ!」と垂直チョップを叩き込んだ美衣。貫手だったらお母ちゃんごと貫いていたかもしれない。


 ブシュゥゥゥッ!シュワワワァァァ!!と、しるばぁスライムが消滅した後にはサイダーが瓶入りで3本地面に落ちていた。


 今度は美衣が優と洋を手当てした。「ちょっぷひーる!」と、強く念じると優と洋は回復したがミイは倒れて動けなくなった。だが意識はあって、多分ごはんをたらふく食べたら治るといった。とりあえずミイをおぶってもう一度外に出た。


 その時美衣はレベルアップしていた。

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冴内さえない 美衣みい

永遠の13歳:可憐な乙女

★スキル:万能チョップLv5⇒真・万能チョップLv1

★称号:英雄⇒試練の英雄

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 帰りはゆっくり歩いて帰った。研修センターに戻ってしるばぁスライムサイダーを冷蔵庫に入れて大浴場に行って汗を流した。風呂から上がるとちょうど食堂が開く時間になったので食堂に行き、美衣は大盛ご飯に納豆山盛りでおかわりを3杯程食べて一息ついた。もっと食べれるけど腹8分にしたそうだ。


 食後に3人で腰に手を当てて冷やしたサイダーを飲んだところ・・・

ゴキュゴキュゴキュ!

「プハーーーーーーーーァァァッ!!」

「ウメェーーーーーーッッッ!!」

「ゲェェェェップ!!」

「ケプッ」

「ケプッ」と、3人同時にゲップをした。さすがに女性二人のゲップは可愛いものだった。ゲップした後で3人とも大笑いした。


 このサイダーはのど越しがすごく爽やかで気分もすこぶる爽快になった。頭の先から炭酸が噴き出るかのようで疲れもストレスも何もかも吹っ飛んで最高に爽快な気分になった。今なら何をやってもうまくいってしまいそうな気分だった。さらに頭もクールダウン出来たのか落ち着いて冷静に考えられるようになった。


 とりあえずここでいったん頭を冷やして神代に連絡して、これまでの経緯を全て説明した。神代はいったんまた折り返すので待機していてくれといって通話を切った。5分後にまた連絡がきて1時間後に冴内達が滞在している奈良ゲート研修センターの中会議室で緊急会議を開くことになった。中会議室にはようやく会うことになった奈良ゲート局長と職員達に加え、正面モニターには神代もネット通話で同席していた。

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