只今絶賛追放イベント中ですが、自己紹介と過去を振り返った後、勇者PTと別れ、焼肉したいからいろいろ準備していざ食べようとした時、絶望が俺を支配した。
思いつき企画
ブックマーク登録 50 で次話制作。
…やぁ、ドーモ皆さん。何処にでもいる超越者です。おっと!ブラウザバックはまだ早い!しばらく我慢して最後まで見て行ってくれ!
でだ…只今、絶賛勇者パーティーの追放イベント中なんだが…今の状況を説明する前に、俺の事を話して置こうと思う。
俺は、主神や頂神と言う「神というモノ」より、遥かに超えた力を持つ「超越者」という物だ。…え?いまいちわからない?うーん…とりあえずちょっと動いただけで、3次元が崩壊する位だと思ってくれればいいさ。
…あ!今は安心してくれ。今着ている近未来的なデザインのマッスルスーツのおかげで、自由に動き回れる程に力を抑えているから。
で~次に説明するのが、どうやって「超越者」になったかと言うと、今から300年前のこの世界「AZ」に勇者として召喚されたんだ。
いやー、あの時は酷かった…
家でエ〇画像漁ってたら、突然魔法陣が現れてさ~水洗トイレみたいに魔法陣に吸い込まれた後、AZの神様とご対面したんだ。でも、すぐに「お得用!異世界召喚チートスキルパック」みたいなの渡されて、一息吐く暇も無く召喚地へ放り込まれたんだ。
…うん。あの時は、あまりの雑さと展開の速さに怒りと悲しみが間欠泉の如く沸いたね。
それで、仕方が無いから召喚地にいた王様の話を聞き流した後、旅立った訳。そう一人で。数枚の金貨と共に。もちろん戦闘訓練も無し、お供も無し、武器や防具も無し。どうしようもなくなって頭の中がグールグルしたんだけど、AZの神様から貰ったスキルに【創造】って言うのがあったんだ。
この【創造】スキルって、自身の魔力量次第で何でも作りだす事が出来るんだ。そう!なんでも!武器防具はもちろん魔法、スキルなんかも作り出せたんだ。それに遥か未来の情報端末だったり、光学兵器だったりデスス…いや、何でもない。
それで俺は街から出てた後、近くの森に入り、地下を掘ったんだ。その地下を拠点にする為に。
地下の大きさは、東京ドーム(イメージ)位だな。え?なぜそんなに掘ったんだって?楽しくなってきちゃったんだから、しょうがないじょのいこ。
…今思えば、かなり危ない事してたんだなと思うよ…だって碌な知識持っていなかったのだから…支柱も適当、補強も適当だったし。
地下の拠点が出来上がったら、次に俺は、魔力量を増やす方法を探したんだ。
そう、【創造】で作った電子図鑑を使ってね!
その図鑑に載っていたのは、ゲームによくあるステータスが永久に上昇するお馴染みの食べ物とか、魔力を空にした後、休めば増えるなんて物がいろいろ合ったんだ。
ステータス上昇のアイテムは、かなりの魔力量が必要で作れなかったから、最初は訓練から初めて行って、徐々に魔力量を増やしていったんだ。各属性魔法を使えるスキルを作ったり、食べ物や娯楽品を作って魔力を空にしたり、豆腐ハウスを作ったり、鍛冶の真似事したり…いろいろやって行ったんだ。
…まぁ、遊んじゃうよね!
それから、ステータス上昇アイテムを作れる様になると、できる事も増えて行って、魔力量も爆発的に増えて行ったんだ。
でも、その途中に俺は思ったんだ…「俺…魔力量増やしても使いこなせないと意味なくね?」って…
それで俺は、「異世界最強の師匠」を【創造】で作り出そうとしたんだ。
でも、人間そのものは【創造】でも作れなかった…何でだろうと思ったけど、表示されたウィンドウには「人間を創造する事ができません。人間創造は生命を司る神か主神のみ可能です」って警告文が表示されたんだ…。
だから俺は、ホムンクルスと言う方法を取ったんだ。もちろん女性型のな!…引っ叩かれるより引っ叩きたい派だけど、どうせしごかれるなら女性型の方が良いと思ったんだ…他の意味もあったけど…
いろいろ紆余曲折、曲折浮沈があったけど、何とか作りだす事に成功したんだ。
名前はマリア。
名前の由来は、元の世界で俺のMyサンが、よくお世話になっていたエ〇アニメに出て来たメイドの名前からそのまま取った。もちろん、その事は話していない。言ったら魂すら塵にされそうだから…
それで、早速訓練をお願いしようとたら、今からいう物を用意して私に授けてくださいって言われた。それは、蘇生魔法と完全回復魔法、精神安定魔法、錬金術スキル、時間が進まなくて快適に生活できる空間、重力魔法などなど…。
…何に使うのか疑問だったけど、とりあえず言われた通りの物を【創造】で作ってマリアに渡したのだけど…
そ こ か ら 地 獄 が 始 ま っ た …
時間が進まない空間で光線回避訓練、重力を数分毎に上げて行く超距離マラソン、師匠との対人戦、ステータス上昇アイテムの強制過食、各種武器の取り扱い(師匠が武器を振り回しそれを回避しないと微塵切りにされる)、大型ビル解体用の鉄球を、尋常じゃない速さで振り回す師匠に近づく接近訓練等…。
もう何度も殺してくれと思ったし、実際殺されてもすぐに蘇生されるし、発狂しても精神安定魔法で素に戻されるし…ステータス限界値が来たら、上位の肉体を作ってそれに乗り換えろって脅迫されるし…拷問訓練だって言われて全身に釘さされるし…他にもいろいろあったけど、これ以上は思い出したくない…
あぁぁ…だめだ…ストレスがマッハだ…ヤニ吸って落ち着こう…スゥー…ハァー…。
あ、ストレスで思い出したけど、髪の毛は無事だったな…ありがとう母さん…強い(毛根)子に産んでくれて…。
えーっと…それでだ、時間が進まない空間で何年…いや、千?…万?…億?兆…はいかないか…多分…その位、数えるのも止めてしまう程時間が経過したら、流石に動けるようになった。概念攻撃や根源攻撃とか訳が分からない攻撃には手こずったけども…。
それで、全ての訓練をクリアしていったら師匠から太鼓判を押されたよ!やったね!あの時程、嬉しかった事は無いね!1週間は涙が止まらなかったし。
時間が進まない空間を出た時、ステータスを確認してみたんだけど、文字化けして役に立たないから、もうステータスを見るのを止めた。
この体も、もう人間じゃなくなったしね!シカタナイネ!アハハ!
それから、地上に上って日光を浴びたんだけど、また涙が止まらなくなった!なんでかな?ハハハ!。
で、それから街に向かったんだ。人に会いたかった。会話しなくていいから。人の存在が恋しかったんだ…でもね、その時…完全に忘れていたんだ。俺が、召喚勇者だったって事に…城から追い出す様に旅立たされたって事に…。
「(あ?なんだお前!?まだこんなとこにいたのか!?さっさと次の街に行け!早く魔王を倒して来いよ!…あ゛?街に入りたい?んなもんダメに決まってんだろ!さっさと失せろ!っチィ!使えねぇ勇者だな…)」
衛兵にそう言われて、自分が勇者だった事を思い出したんだ!そして、衛兵の言葉にへこまされてガチ泣きながら地下拠点に帰って、魔王討伐の準備し始めたんだ…。
地獄の訓練のせいで、メンタルグチャグチャだったからシカタナイネ!
まぁマリアが、慰めてくれたから何とか持ち直したけど。
それからマリアと一緒に旅に出て、いろいろな国を巡って、魔王城に辿り着いたんだけど…魔王城に辿り着くまでの道中、モンスターと碌に出会わなかったんだ。だから戦闘と言える程の事は起こらずに、ここまで辿り着いてしまった…何故か知らないけど、近づいただけで死んでいくし…だから当時のLVも23だった…。
でも、折角ここまで来たのだし、そのまま魔王城に乗り込んでいったんだけど、ここでもモンスターが出てこなかったんだ。四天王と思われる魔王幹部も出てこなかった。俺とマリアは「おかしいなぁ?」と思いつつも、魔王がいる玉座の間へ進んで行った。
「(降伏します!どうか!どうか命ばかりはお助け下さい!)」
玉座の間に意を決して踏み込んで行ったら、そのすぐ目の前土下座している女魔族が開口一番そんな声を出したんだ。意味が分からなくて、俺とマリアが困惑していると、目の前で土下座している女魔族が更に変な事を言って来たんだ。
「(足を舐めろと言えば舐めます!肉奴〇になれと言えば進んで股を開いて迅速に性〇理を行います!なので!なので!命ばかりはお助けを!)」
その時の俺は、余りの衝撃の言葉に絶句したね。それに下品すぎて興も冷めてしまった。だから俺はこう言ってやったんだ。
「(人と戦う 終わり! 平和 OK?)」
「(お…OK!)」
片言みたいになってしまったのは、地獄の訓練の弊害だと言っておく。
で、それから魔王も約束を守って、この世界は平和になったんだけど、今度は俺をこの世界に呼んだ神様が敵になったんだ。神様が俺を敵とした理由は、最上神である自身より高次元に至った存在など認められないかららしい。その理由を聞いた時、正直知るかと思った。俺はただ、師匠に鍛えられただけだし。
そして、俺とマリア 対 神の熾烈なる戦いが始まる…かと思いきや、そんな事は無かった。なんかこう…ゲーム中盤の中ボス戦みたいな戦いで終わった。苦戦する事も無くおわった。で、その時のマリアが…
「(は?この程度なのですか!?不完全燃焼です!!欲求不満です!主様!今すぐ私に腰振るか戦ってください!)」
「(うん、どっちも遠慮しておくよ…)」
いや、別に行為がしたくない訳じゃないんだよ?俺…まだ童貞だから、しっかりとロマンティックに包まれた雰囲気と場所でしたいんだ。え?夢見すぎ?だって童貞だもの…
そんな言い訳しながら、マリアの要求を回避していたら、何処からともなく拍手が聞こえて来たんだ。
「(おめでとう!君達は神越えをなした!今日から二人は「超越者」だ!)」
びっくりした。だって、俺のすぐ後ろで拍手しながら笑っているんだもの…それに、近未来を感じるマッスルスーツ着てるし…スーツかっこいいなと思ったのは秘密だが。
「(君達には二つの道があるよ!私達の組織に入るか、この世界の神として存在するかだ!)」
「(組織って何ですか?)」
「(お!興味あっちゃう系ですか~?それなら教えてしんぜおう!私達の組織は神と崇められる者達をちゃんと契約を守っているのか監視したり、異世界召喚又は転生する魂を取引する際に神々の仲立ちをしたり、やらかした神を引っ叩きに行ったり、いろいろやってる組織だ!万年人材不足だから入ってくれると嬉しい!むしろ入ってくれと懇願する!)」
「(万年人材不足何ですか?)」
「(そうだ!世界は最大無限大数以上ある!そして、我らの組織人員は約3万人しかいない!だから監視の目も届かず、やらかす神も多い!そして、そんな神をぶっ飛ばすのは超越者となった者にしかできない!だけどその超越者になれる者は極僅か!ほぼ0%と言って良い!泣けるね!いや!もう泣いてる!)」
「(大変なんですね…)」
「(ああ、でもいろいろ特典があるぞ!これが、今週の特典表だ!)」
「(…週で変更されるん‥‥あ!これは!)」
「(フフフ…やはりそれに目を付けたね!)」
「(超越者の組織に入ります!)」
「(おめでとう!そしてありがとう!では、私の肩を掴んでくれ!本部世界に飛ぶ!)」
そして、俺は「超越者」の組織に入ったんだ。ここまで長くなったが、これが「超越者」になった経緯だ。
「おい!てめぇ!聞いてんのか!?」
「フゥー‥‥あ?聞いて無かった!」
「この!糞てめぇ!殴り殺してやる!」
おっと、今代勇者はキレやすいな!カルシウム沢山取れよ!牛乳と骨ごと食べられる魚がいいらしいぞ?あーあ、壁殴って骨折してらぁ…
「避けんじゃねぇよ!」
「いや、イカ臭そうな手だったんで避けたわ」
「殺す!」
「おい!勇者!そんな安い挑発に乗るな!貴様も挑発してんじゃねぇよ!お荷物野郎!」
「ハイハイっと、で?俺はクビでいいのか?」
「ああ、そうだ!これは全PTメンバーの総意だ!」
おおう!賢者君がすっごい睨んでるよ!さすが自称神童。勇者を宥めながら、相手を貶して行くスタイル…殴りたくなるね!
「分かった。じゃあ、この書類に署名と血判を押してくれ。全員だ」
「っチ……………ほらよ!」
勇者に聖女、賢者に騎士、魔法使いと盗賊…よし全部あるな!
「確かに。それじゃあお疲れ様~っと」
「おい!てめぇの持っている荷物置いて行けよ!」
「何言っているんだ?この勇者は?」
「聞こえなかったのか?その背中に背負ってる棺桶みたいなアイテム入れを置いてけって言ったんだ!」
「阿保なの?馬鹿なの?なんで置いて行かなきゃならん?お前、この書類に名前書いただろ?この書類の一つに「甲は乙の所持品を乙の物と認め、甲はこれらの返還を求めない。又、PTで獲得した戦利品は、分配されたものに限り、乙の物と認め返還を求めない」って言う内容の契約文があるだろうが!?」
「そんなの無効だ!」
「無効になるか!馬鹿が!」
ウソォ…この勇者INT低すぎ!?相手してらんないわぁ~…帰ろ…もう本当に、無駄な時間だったな…。あ、お腹すいたから何処かで肉買って焼肉しよう。そうしよう。
「おい!待て!お荷物野郎!確か前にその棺桶を開ける事が出来たら、中にある物全部くれてやるよって言っていたよな?なら挑戦させろ!」
おいおい、今度は賢者が今更な事を言い始めた…さすが賢者、サスケン。
「あのよぉ…それは俺がPTに参加しているのが大前提の話だ…PTを追放された俺に今更そんな話を持ち出されても意味ないだろうが!」
「っく…それは!…」
「…はぁ~…分かったよ。なら最後のチャンスをくれてやる。ここじゃ迷惑が掛かるから外行くぞ」
全くしょうがねぇなぁ……か、勘違いしないでよね!ほんの気まぐれなんだからね!‥‥先ほどのツンデレでイラっとした方は「大丈夫、あなたは正常」だ。だが、何も感じなかったり、興奮してしまった人は異常だ。悔い改めよ。
で、街の外までやって来たんだが~…Oh…みんなやる気だな!目がギラついてやがる!…何故その真剣さを魔王攻略に生かせないのか…コレガワカラナイ…
「じゃあ、説明するぞ!制限時間10分以内にこの棺桶型アイテムボックスを開けてみせろ!はい、スタート!」
お?いきなり勇者が、斬りかかって行ったな!ガンバレ!ガンバレ!…ここで何だけど、この勇者PTに参加した経緯を話して置こうと思う。そう、あれは今から300年前…「超越者」の組織に加入し、いろいろ手続きを済ませた後、この世界に帰って来たんだ。
え?帰ってこられるのって?
そこら辺は自由らしい。ただ、呼び出しがあるからそれに必ず答えないといけない。呼び出されない時は、好きに存在していてね!って受付の女の人に笑顔で言われた。後ろにいたマリアがなんだか強烈な殺気を放っていたけど…
で、俺は、この世界でどうやって存在して行こうかと考えた時、一つ思い至った事があったんだ。
「(もういい加減童貞を止めたい…)」
皆は、これを見てくだらないと思うだろう…だが、しかし待ってくれ。時が進まない空間で地獄のような訓練の日々、魔王討伐の旅に出ても、勇者としてのイメージがあるから、娼館にもいく事は出来ず、更にはマリアの監視があったんだ…。俺の言いたい事はこれでわかるだろうか?
このまま女体の柔らかさも知らず、愛さえ知らないままで、永遠の時を過ごすなんて嫌だってんだ…だから俺は、超メイドハーレムを作ることにしたんだ。はいそこ!笑わない!…え?なんでメイドなのかって?性癖だからだよ!重要だからもう一度言う!性癖だからだ!
毎日メイド達に囲まれて、淫靡に爛れまくった生活…メイド達の尻を並べて、ヌチョヌチョでグチュグチュでスパーン!スパーン!スパーン!な生活…いや性活…どうだ?いいものだろう?…え?妄想が過ぎる?キモイ?ハッハッハ!童貞だもの仕方ない。
じゃあ、どうすればその超メイドハーレムを築けるのか…と考えました。そして考えに考え、莫大な金が必要になるなという結論に至ったんだ。
じゃあ、どうやって莫大な金を稼げばいいのか…と数秒悩むと一つ閃きが駆け抜けたんだ。
「(そうだ!商売をしよう!)」
そこからの行動は早かった。適当な街で商人ギルドに入り、俺とマリアだけの小さな商会を立ち上げ、地道に売り上げを伸ばしていったんだ。沢山行商もした。危険な場所にしかない素材も自ら仕入れに向かった。商品開発をして、大ヒットさせる事にも成功した。それに伴い新しい店舗や従業員も増やしていった。そして…
いろんな事をやってたら、いつの間にか300年が立っていたんだ…
そう…300年たっていた…そして、いまだに童貞だった。…まぁ、300年という時間で俺の商会は世界中に広がっている。そして、売り上げもずっと右肩上がりだ。貯めた資産も、超メイドハーレムを大陸規模で作れる位になった。
え?何?…なんで作れる様になったのに作らなかったのかって?
規模が増えた分だけクソ忙しくなったからに決まっているだろう!スケジュールが秒単位で管理されてるんだぞ!?それに、分身やマルチタスクスキルを最大に使ってのスケジューリングだ!そんな状態で余裕なんてあるもんか!…あるもんか!
それで、なんだかんやでやっていたら、なんか新しい魔王が出たって騒がれ始めたんだ。俺の代から300年が立っているし、新しい魔王が現れても不思議じゃないけど…。あれ?そういえば、俺の代の魔王は、あれからどうしていたのだろうか?前に見かけた事があったけど、その時何故か俺の店舗で、魔道具売っていたな…まぁいいか…
その魔王発生で、戦争経済が期待できるなと思っていた時、勇者が魔王討伐に出立するという情報が入って来たんだ。それと同じくして、勇者が住んでいる国から「各国の首脳陣を呼んで大規模なパーティを開いたり、豪華なパレードをするからそれに必要になる物を用意してほしい」と言う大口の依頼も舞い込んできた。
正直に言おう。殺意が湧いた。
だって、俺の時は数枚の金貨渡されただけで、追い出されたんだぜ?それに、再び街に入る事も許されなかったんだぞ?怒るなって言うほうが無理だろ!もうね…殺意が溢れすぎて大河になりそうだったわ…でも、仕事だからきっちり揃えて納品したさ…でも、そこから更に問題が発生したんだ。
「あと5分~ガンバレ♡ガンバレ♡」
「五月蠅い!…ハァ…ハァ…お前に応援されても…嬉しくない!目障りだ!」
「…(ちぇ~何だよ…せっかく応援してあげたのに…)」
おっと!今頑張っている勇者達も忘れてはいないよ?なんか、かなり疲れているけど…
話を戻そう。それで、必要な物を揃えた後、俺自ら納品しに行ったんだ。でも、本当は俺自ら行く必要は無かったんだが、大口の依頼だしね。決して、しょうもない悪戯を仕掛けてやろうとかは考えてない。…半分だけ。
それで、城に到着して荷物を渡そうとした時、何故だか城の中に案内されたんだ。その時の俺は、契約に不備があったのか?とか追加注文されるのかな?と思っていたんだけど、全然違った。
「(お願いします!勇者PTに付いて行ってはもらえないでしょうか!?)」
「(ファ?)」
案内されてたどり着いた場所は、大きな会議室のような場所で、その会議室の中には各国の首脳がいたんだ。そして、俺の姿を見た各国の首脳達が一斉に土下座して、勇者PTに付いて行ってくれと言ったんだ。俺はその余りの出来事に対し、間抜けのように聞き返してしまった。それに土下座って…この世界に土下座文化はないはずなのに…
「(え?…どういう事?誰か説明して…)」
「(わ!私が!ご説明いたします!今回、魔王討伐に向かう勇者PTに付いて行って欲しいのです!彼方様は、神すら凌駕する程の力を持った「超越者」となられた方であり、尚且つ世界中に巨大店舗を展開しておられる大商人でもあられます。つきましては、その超越者のお力と大商人のお力を此度の勇者PTに貸していただきたく、伏して伏して申し上げる次第です!)」
あの時、心で思った言葉が口に出ちゃっていたんだ。でも、宗教国の一番偉い女性が説明してくれて、意味が分かったよ。だから、俺はこう言ったんだ。
「(えー…やだぁ…)」
「(そこを何とか!お願いします!)」
「(えー…やだぁ…)」
この問答が2時間続いたよ。最後の方では、新しくこの世界の管理神になった女神も出て来て、一緒に土下座懇願し始めたから、仕方なく折れてやったさ…条件付きで。
契約書には、かなり無茶な要求や条件もふんだんに入れたんだけど、まさかまさかで全部通っちゃった…
まぁ…そんなこんなで、勇者PTと顔合わせした後、早速出発した訳なんだ。ああ、最初の顔合わせの時に「俺は君達に混じって戦わないから」ってちゃんと伝えたよ?俺が戦闘に参加したら、経験値1しか入らなくなっちゃうし、「周りをウロチョロしながら回復薬投げつける」っていうサポート行為ですら、戦闘行為に入っちゃうからね。もう何もせず棒立ちするか、戦闘範囲外に下がるしかないよね。
戦闘行為以外は、しっかりとこなしていったよ。宿の手配、移動手段の手配、武器防具の支払い、道具類の補充、野宿時のテント設営や食料調理、面会を希望する貴族や商人達の対応、PT全滅時には近くの教会に勇者達を運んだり等いろいろやったんだ。
当然、何で戦わないんだ?とか寄生虫野郎とかいろいろ暴言吐かれたけど、ぶん殴るのは我慢した。お仕事だし、大人だしね。大丈夫…ええ、我慢しました。すごく。
それで、しばらく旅を続けて行ったんだけど、途中補給に入った街で追放イベントが発生したんだ。
や っ た ぜ !
これでお役御免だ!内心すごく喜んだね!PT追放された場合は、莫大な金が各国から支払われる事になるし、国宝も渡して貰える。更には、契約書に署名した国限定だけど、俺が選んだ女性は奴隷の身分に落として、その全ての権利を貰う事ができる!そう!それが王妃だろうが女王だろうが、何人でもどんな身分でもだ!‥‥ちゃんと拒否権はあるから安心してほしい。
フハハハハ!超メイドハーレム計画が一歩進んだぞ!と内心喜んでいたんだけど、追放イベント最後に荷物置いてけって言われたんだ。そんな義理はないけど、1度だけチャンスを与えてやる事にしたんだ。「俺にしか開けられない棺桶型アイテムボックスを何かしらの方法で、開けることが出来たら中身全部あげる」って言うチャンスをね。
この棺桶型アイテムボックスの中には、俺が作ったヤバイ武器(兵器)とか惑星破壊級の隕石が直撃しても全く問題ない防具、100回殺されてもすぐに復活する霊薬とかいろいろ世に出しちゃいけない物が沢山入っている。正直、何で俺はこんな物を作ったのか…コレガワカラナイ。
「終~了~」
「…はぁ…ハァ…くそ!」
お?勇者達は、かなり疲弊しているね!勇者達ならもしかしてと思ったんだけど…ダメだったね。ん?どういう意味かって?それはだな…人間って生き物は、絶対という物を超えて来るよね?空を飛ぶ事然り、海底に行く事然り、宇宙に行く事然りにさ…。俺だってこの世界の創造神を倒す事が出来たんだし。今回は「俺にしか開けられない箱を開けて見ろ」っていう「絶対の試練」だったけど、超える事ができなかったねって話だ。
出来たら出来たで、魔王なんかワンパンで倒せるんじゃないかな?
「じゃあ、帰るよ。お疲れ様~」
「おい!待てクソがぁぁぁ!てめぇが開けて中身寄越せやぁぁ!」
「…アホくさ…付き合ってられんわ…」
「死ねヤあぁぁぁぁ!!」
おいおい…勇者PTが襲って来たぞ!?マジかよ!?それをやったらもう勇者とは言えなくなるぞ!?いいのか!?いいんだな!よし!殺ろうか!…といっても、デコピンで勘弁してやる!死なす訳にはいかんしな…。
「グベェ!」
「ガッ!」
「ギャ!」
「な!速…グボォ!」
「そんな馬鹿‥ナブェ!」
「ううう…嘘だ…こんな事ぉぉぉ!ガヒュン!」
さっき、大人だから仕事だから大丈夫と言ったな?あれは嘘だ!…暴言を吐かれた恨み辛みを込めたデコピンをしてやりましたよ!本当はグーで行きたかったんだけど、殴った所が四散しちゃうし止めておいたよ。
「よし、誰も死んでないな!肉屋寄って帰ろう!」
焼肉~焼肉~ルンルルン~!っと街まで戻って来て、早速肉屋に直行!ヘイ親父!一番いい所を頼む!あ、ブロックでくれ!牛、豚、鳥、魔物肉!そして腸詰肉!…あ、ホルモンは今回いいや!釣りは取っておきな!
買う物かったら、空高くジャンプして、バビュっと音速の壁を越えて適当な森に着地!ん?なんで森の中かって?いやね、前…街で焼肉しようとしてたら、孤児達が涎を口から出してこっち見ていたんだ…仕方が無いから食わせてやったんだが、いつの間にか人が集まってきて、その全員を食わせる事になってしまったんだ…そのせいで一切れも食べられなかったよ…悲しいね…だから、同じ轍は踏まない様にしたんだ。人が来れない森の中なら大丈夫だろう!
「銀シャリもいいけど、冷麺も食べたいな…」
思い立ったら吉日!早速準備して行こう!取り出したるは七輪!白炭に火を付けて!材料取り出して、調理開始!色々入れた粉をコネコネ~薬味切って~茹でて~スープ作って~薬味やキムチ添えて~ってクラァ!名もわからぬ魔物!匂いに釣られてこっち来んじゃねぇ!ぶっ殺すぞ!
あ、ちゃんと野菜も食べないとね!パパっとやって完成!!よし!焼くぞぉ!超焼くぞぉ!
「いただ「キャァァァァァァァ!!」…」
い…今ありのまま起こった事を話すぜ…「焼肉の準備が出来ていざ食べようとした時、謎の悲鳴が聞こえたと思ったら、準備した物が全部地面に転がっていたんだ…」皿に持った肉や冷麺…それに組み立てテーブルや七輪なんかも全部だ…何を言っているのか分からねーと思うが、俺もわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…驚いたとか怒りが沸き起こったとか…チャチなもんじゃねぇ…もっとずっと悲しい感情が俺を支配したんだ…
お疲れ様でした。