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ワシに少々策が有る

「ジム!マズイ、ヤツを止めろ!」

ジムにしか聞かれない様に、声を押し殺す。

「ん、如何(どう)したんだい旦那、急に?」


「忘れたのか、お前さんの兄の事を!」

ジムの兄は、砦に救援要請が届かない様に、何者かに謀殺された。

ワシはそう睨んで()る。

だとしたら……また同じ様な事が繰り返されんとも限らん。

いや、此処(ここ)まで、あからさまな仕掛けをしてくる程だ、先ず間違いない。


ワシの言葉に、ジムが気付きハッとする。

「レナード、ちょっと待った!」

「どうした、ジム?」


「どうしたも何も、お前が砦に向かったとして、その、ハゲだか中佐殿だかが、本当に動くのか?」

「うーーん……そうだな、残念ながら確信はない。もし、本当にそのなんとか一家(いっか)ってのに鼻薬でも嗅がされてるなら、動かん可能性が高いかもしれん」


「なら、残って、手伝ってくれ。戦力は一人でも貴重だが、指揮を取れる者は尚更な」

「フッ、分ったよ。仰せのままに従うぜ、大佐殿」

「はぁ~、オレは、もう軍人じゃ無えっての」


「しかし……どう迎え撃つ、ジム」

レナードの問いにジムは肩をすくめる。

「ともかく、いつ奴らが襲って来るか分から無え。町中を回って皆を叩き起こして、女子供は教会へ避難。男共は銃を手に持って待機って所か。オーウェンの旦那」


「分った、自警団(うち)の若いのに町中を回らせよう。しかし……銃と言ってもな、皆が皆持ってるわけでも無い」

「うむ、そういう事なら、ワシらがニーリーの盗賊共から奪った物が有る。確かカービン銃が二十五挺、リボルバーが三十三挺有った筈だ。そいつを使え」

ジムも頷き同意する。


「そうか、恩に着る」

「だがオーウェン、弾薬はさほど無い。トマスに至急送ってくれる様、頼んでは居たのだがな……」

「昨日中にトマスがヌーグに着いたとして、荷馬車だと此処まで一日掛かる。早くても、届くのは今日の夜か明日の昼頃か……。それ迄、奴等の襲撃が無い事を祈りたいところだな。それにだ、銃が有ったとして、如何(どう)迎え撃った物か……」


「うむ、その事だが、ワシに少々策が有る」

さっそく、昨日錬成した物が役立つ事に成るとはな。

そうそう後手に回ってばかりはいられんさ。


「で、旦那、その策ってのは?」

「フッ、なに、ワシらにはゲティスバーグの炎龍殿が付いておる。ならば、火責めが良かろう♪」

「だ、旦那ぁ……」


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