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その1

―そこに、「絶望」がいた。

「ソレ」は高層ビルに匹敵するような巨大な体をくねらせ、触手のような物を使い、街を轟音と供に容赦なく破壊していく。

人々は少しでも「ソレ」から離れるべく、阿鼻叫喚の中クモの子を散らすように逃げ惑う。


「クッソォー!!なんだよあのでっかいイカはああああー?!」


誰かが叫んだ。

まさしく「ソレ」は巨大なイカと形容して等しい。

ただイカと違うのはあまりにも巨大すぎる事と、色が全体的に黒い。そして「イカにも」怒ってるぞ!っという三白眼つき。極め付けは…


「アックヤアアアアーク!!」


ビリビリと地響きがする程の低音ボイスで叫ぶ所だった。

ちなみに顔の正面、口の位置と思わしき所についている巨大なラッパみたいな器官から。

そしてよく見るとイカの触手の上に人影があった。


「クックック!いいぞ、アックヤーク!そのまま人間どもの世界を暗黒の中に沈めてやるがいい!」


「アックヤアアアアーク!!」


その人物に呼応するようにイカが叫ぶ。

どうやらこのイカの御主人様で間違いないようだ。

ドラキュラ伯爵のような漆黒のマント、同じく漆黒の軍服のような服にドクロや薔薇、ドラゴンをモチーフにしたシルバーアクセやチェーンが全身にじゃらついている。


おまけに頭にはツノつき。さらに左胸ポケットにも漆黒の薔薇がささっている。

正直鬱陶しい。


「ククク…さあ、早く現れるがいい。今日こそ僕達の血塗られた聖戦に決着をつける時だ。」


どうやら誰かを待っているらしい。


「嗚呼・・・。血が見たいと、この右目がうずく。」

黒ずくめの男は眼帯に隠された目を手で覆った。

本当に装飾品が無駄に多い。


「さあ!アックヤークよ!絶望をさらに撒き散らせ!!我が黒き力のいしずえとするが為に!!!」


「アックヤアアアアーク!!!」


イカが叫び、再び触手を振り上げた。

その時、

しばらく全力の茶番にお付き合い下さい。

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