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精霊と踊る君と  作者: 此島
二章
6/33

 巫女の一日は朝課の祈りから始まる。従って、巫女守であるユーリの朝も祈りの間に同席する事から始まった。

 巫女殿の祈りの間は巫女以外が祈りを捧げる事の無い場所だが、その造りは本殿にあるものに引けを取らない規模となっている。設えれた荘厳な祭壇の中央には不思議な光沢のある銀で細工された精霊宮の紋章が据えられており、その周囲を六精霊を象徴する六種の色鮮やかな染布の天幕が巡らせてあった。

 ユーリは祭壇を正面にして祈りの間の入口近くに立っていた。祈りの間を一望する視界の中では、明かり取りの窓から差し込む朝日を受けて貴人等が奉納したという壇上の銀燭の数々がきらきらと輝いている。だが精霊へと祈りを捧げる巫女の神秘的な緑銀の髪は銀燭よりも目を引いた。腰まで届くレンディットの長い髪はまるで自ら発光しているかのように光に淡く煌めいて見える。

 祭壇を仰ぐレンディットは起き抜けとは思えないような声量で祈りの言葉を歌い上げていた。捧げる聖句は昨夕に聞いたものと同じで聞くのはこれが二度目となるが、至高の声楽染みたこの祈りは実に見事なものである。とはいえ彼女は八つの時から精霊の巫女を務めているのだから、このくらいの技量は当然なのかも知れないが。

 静謐に響くただ一音。レンディットの聖句を唱える透明な声が祈りの間に反響し、ただでさえ厳かな空間にある種の神々しさが生み出されてゆく。思わず瞳を閉じて聞き入りたくなるが、ユーリは巫女守としての意識からそうはしなかった。精霊宮――それも巫女殿の中で早々物騒事があるとは思えないが、己の役目を考えれば周囲へある程度の注意を払って然るべきだろう。

 そして、滞り無く朝課の祈りが終わる。聖句を捧げ終えたレンディットは祭壇に一礼し、長い衣の裾を引き摺るようにして戻って来る。ユーリは巫女へと会釈をした。

「――………」

 昨日の今日で打ち解けるなどというのは土台無理な話である。窺うようにユーリの事を見上げたレンディットだったが、開き掛けた口は一語も発さず元通りに閉じられた。巫女は何やら落ち着かなげなに顔を背ける。

 何事か言おうとしていたようではあるが、此方から尋ねてみた方がいいのだろうか。少々悩みはしたがユーリは結局黙っている事にした。仮に重要な用件があるのなら向こうから言い出すだろう。そうでないなら強いて話を聞き出す必要も無い。

 少しの逡巡の後歩き出したレンディットに付き従って祈りの間を出る。廊下を行き交う女官等がユーリ達の前で足を止め、一礼してはまた去って行く。様々な雑用を担う者達は朝から忙しいらしい。

 早朝からきびきびと働く女官等と擦れ違って間も無く、一歩前を行くレンディットが急にその場で立ち止まった。巫女の私室までにはまだ距離がある。どうしかしたのかとユーリはその背に声を掛けようとしたが、レンディットの方が僅かに早く言葉を発した。

「……あの、ユーリ」

 おずおずと振り返ったレンディットは一呼吸程の時間を置き、ぎこちなく表情を笑みの形に変えた。次いで溜め息のようなか細い吐息を零し、続く言葉を口にする。

「…もしよかったら、朝食をご一緒しませんか?その、爺様とはいつも一緒に食べていたので……えっと、出来ればユーリともそうしたいな…と思って。……あの、私も、早くあなたと仲良くなりたいですから」

 もしやとは思うが先程もそれが言いたかったのだろうか。その程度の事ならさっさと言えばいいものを、と思わないでもない。すらすらと聖句を暗唱していたのと同じ人物とは思えないくらいのたどたどしさで喋るレンディットにユーリは少しばかり呆れを覚えた。

「構いませんが」

 切って捨てるように答えた後に少しだけ、不味かっただろうかと考える。心情をそのまま声音に出してしまったが、一応は「仲良くなりたい」と言ってくれている尊い巫女様に対する口の利き方ではなかったかも知れない。

 だがユーリのこういった態度は生来の性格だ。周りの者からはよく口調がきついとか愛想が無いなどと言われるが、ユーリ本人にはそれを改める気は全く無い。

 逆にユーリに言わせてもらえば、何故態々表面だけを優しく取り繕ったり、無理に追従したりせねばならないのかが昔から不思議でならない。人付き合いにも最低限の礼儀というものがあるのは理解しているが、だからといって何でもかんでも相手の気に入るように行動するのは違う筈だ。

 一考しはしたが、持論に則ってユーリは敢えて愛想良く聞こえるよう返答し直しはしなかった。けれどもレンディットは気を悪くするどころか安堵の表情を見せる。

「本当ですか?…よかった。有難うございます」

 小さく息をついて、レンディットは胸を撫で下ろしている。ユーリは首を傾げて巫女を見下ろした。己の守をたかが朝食に誘うだけの事が、そんなに勇気のいる事だろうか。別にそれくらいなら大した事ではないし、此方としても殊更断る理由も無いのだが。

「…あ、では私、ネルにそう言って来ますね」

 下げた目線が搗ち合うと、レンディットはユーリの視線から逃げるように瞳を逸らす。呟いて巫女は身を翻して駆け出そうとしたが、それは向かいから来た人間によって直ぐ様阻まれた。

「――巫女様、ユーリ様。お部屋にてお食事のご用意が出来ております」

「あ……ネル…」

 礼の動作に合わせて肩から流れ落ちる深紅の髪。話をしに行こうとした当の本人による迎えが来てレンディットが慌てて踏鞴を踏んで停止する。

「まあ、巫女様。いけませんわ。廊下は走るものではございません」

 朝から身の熟しに一分の隙も無い侍女の少女はくすくすと笑み零して主を叱った。注意を受けたレンディットが居心地悪げに身を竦ませる。躊躇いがちに朝食の件を伝えるレンディットの声はやや硬かった。

ネルは淑やかに了承の意を表す。では支度をして参ります、と彼女はユーリ達を残して一足先に廊下の奥へと引き返して行く。

「……ネルとは仲が悪いのですか?」

 ネルを見送ってからぴくりとも動かないレンディットの横顔へ、ユーリは率直な問いを投げ掛けた。

 二人はレンディットが巫女になった時からの付き合いで、巫女と侍女であると同時に幼馴染みのような間柄でもあると女官長から聞いていた。が、それにしてはレンディットの方が妙にぎくしゃくとしている。

「え?あ、いえ、そんな事は…。その、多分仲は良い方だと思うのですが、今日はちょっと……」

 ユーリの問いに否定を返しつつもレンディットは俯いて言葉を濁した。

 仲が良いと言うのなら、一時的に喧嘩でもしているのか。ならば、自分を誘ったのは二人で気不味い朝食を過ごすのが嫌だという事もあったのかも知れない。

 そのまま黙って歩みを再開したユーリとレンディットは、レンディットの私室へと向かった。

 祀られている精霊そのものを除けばこの宮の主というだけあって巫女の私室はとても広かった。ざっと見ただけでも与えられたユーリの部屋の倍近くあるのに、この奥に更に寝室があるというのだから驚きだ。

 しかしながら広さの割には室内に配された調度品は余り多くない。窓辺に本棚と書き物机。部屋の隅に大きな布張りの長椅子。中程に二組の椅子が備えられた四角い卓があるが、その他には床の敷物や足の長い燭台があるだけの、物の質はともかく見た目には質素とも言えるような部屋だった。主であるレンディットの趣味なのか、調度が皆飾り気の無い意匠をしているのもそう感じさせる要因だろう。

 ユーリはレンディットと差し向かいに卓に着き、食事を運んで来たネルの給仕を受けた。

 昨夜の物もそうだったが、精霊宮で出される食事は食材の質は良いが献立自体は素朴な物であるようだ。精霊を祀る神殿に仕える聖職の身として、過剰な贅沢は控えられているのだろう。今朝の献立は豆のスープと数種の野菜のサラダ。近くで獲れる川魚の香草焼きに籠に盛られた焼き立ての柔らかいパンだった。

 微かな食器の音やネルの動く音しかしない食事の席は酷く静かである。必要以上に賑やかな衛士隊の面々との食卓に慣れ親しんでいたユーリはこの静けさに落ち着くどころか却って陰鬱な気分を誘われた。どちらかというと喧しいのは苦手な筈であったのに、慣れとは恐ろしいものだとユーリは密かに眉間に皺を寄せる。

 始まってからこれといった会話も無く過ぎてゆく食事の時間。他にする事も無いのでユーリは取り敢えず黙々と朝食を片付ける事にしたのだが、ふとレンディットの食が全く進んでいない事に気が付いた。

 何事か憂うように瞳を伏せているレンディットは、手にしたフォークでサラダの葉野菜を申し訳程度に突いている。一見して好き嫌いをする子供のような行動だが、その浮かない表情から察してどうやら巫女は食欲が無いらしい。

「巫女様。何処かお身体の具合でも?」

 だが、体調の問題というよりは悩み事に胸が塞いでいる風ではあった。ぼうっとしていたレンディットは声に釣られるようにユーリへ目を向け、其処で漸く話し掛けられた事に気付いたらしく驚いた顔をした。

「……え?あっ…いえ、すみません…。その……平気です」

 余り平気ではなさそうな感じで言われても説得力が無いのだが。かといって、今の言葉で間に線を引かれてしまったので続けて追及するわけにもいかない。仕方無いのでユーリは大人しく引き下がった。

「巫女様、全然お食事が進んでいませんわ。それだからユーリ様にもご心配されてしまうのですよ?」

 代わるように、それまで給仕の仕事に徹していたネルが口を開いた。最後に出す果物を切り分ける支度をしていたのか、ネルは小振りの包丁を片手にレンディットに優しく語り掛ける。

「さ、きちんとお召し上がりになって下さいませ。何をするにも身体が資本ですもの、それではいけませんわ」

「………だって」

 窘める侍女にレンディットが食い下がるように呟く。ネルを見る翡翠の瞳には、それと判る明らかな非難の色が混じっていた。

「だっても何もありませんわ。……全く、困った方ですこと。なら致し方ありません。そうおっしゃるのでしたら手早く済ませましょう――ね!」

 言うが早いかネルは手にした刃物を掌で回転させて瞬時に逆手に持ち替えた。静かな食卓に息を呑むレンディットの声と研がれた刃が風を切る音とが大きく鼓膜を揺るがせた。

 ネルの一連の行動をユーリは何もせずにただ見ていた。反応する事は出来たがその必要を感じなかったのだ。

 突如眼前に突き付けられた、眼を抉ろうとするような包丁の鋭い切っ先。ユーリは間近にある刃先を無視し、その向こうにあるネルの炎を思わせる青い瞳を見つめた。

「――……何ぼけっとしてんだよ?少しは反応しろよ、あんた」

 一転して荒っぽい少年のような口調で喋り出したネルは片眉を怒ったように吊り上げ、ユーリを鋭く睨み付ける。不満げな表情からして今の自身の行動に際してユーリが何某かの対応を取る事を期待していたようだ。

「殺気も無く寸前で止められる事が判った包丁など、相手にするだけ無駄だろう」

 そう素っ気なく言い返せば、ネルは包丁を構えた姿勢のままで首を傾げて思案顔になった。

 考え事に気を取られている最中であろうにネルは意外な程に隙が無い。その事にユーリは心の中で密かに感心した。淑やかに振る舞っていた時には武術の心得など無いような立ち居振る舞いをしていたのに、どうやら彼女はなかなかの使い手らしい。見抜けなかった自分も未熟ではあるが、彼処まで完璧に隠し通していたネルの力量は素直に賞賛に値すると思う。

「んー…。あんたさあ、他に何か言う事ねえの?侍女風情にいきなり刃物突き付けられて、巫女守の騎士サマなら普通、もっと言う事とかやる事とかあるだろ?」

 やっている当の本人が言う台詞ではないと思うが、まあ妥当な意見だろう。しかしユーリとて単に面倒だからとネルの行動を放置しているのではない。

 ちらりと其方に目を遣ると、巫女が此方の遣り取りをはらはらと見守っている。目線でレンディットを指し、ユーリはネルに自分が何も動かない理由を述べた。

「事の次第をご存知らしい巫女様があのように黙認されている。ならば私がお前にどうこう言う必要は無い」

 ネルの暴挙を意にも介さずにいるユーリの無感動な言葉にレンディットが幾らかほっとした様子を見せ、それまで詰めていたらしい息を細く長く吐き出した。だがネルの方は気に入らなげに唇を尖らせており、まだ包丁を下ろそうとはしない。

「んだよ、それ?心の広い巫女守様だな。…つうか、レン。お前、さっきからずっと挙動不審なんだよ。お前がそんなだから巫女守様が何の反応もしてくれねえんだろが」

 直後。ごん、という景気のいい音が聞こえた時には傍観を決め込もうとしていたユーリもつい眼を剥いてしまった。事もあろうに巫女の頭に拳を落とすなど、下手をすれば不敬罪で極刑になる可能性すらあるのではなかろうか。

 ユーリは唖然として言葉を失ったが、ネルは微塵の躊躇も無くレンディットの頭を鷲掴んでがくがくと揺らしている。守という己の職務を思えばこの現状は制止に動くべきなのだろうか。迷って腰を浮かせ掛けるユーリだったが、レンディット自身は抗議の声こそ上げてはいるものの無礼を気にする素振りなどは無い。

「そんな事言われても……。元はと言えば、ネルがこんな無茶苦茶な事考えるからでしょう?」

「別に止めなかったじゃねえか、お前」

「だって、ネルって一度言い出したら聞かないし…。駄目だって言っても結局こっそりやるんだから、だったらせめて目の前でやってもらった方がまだましだと思って…。でも、包丁を向けるのは流石にやり過ぎだと思う」

 レンディットは頭を掴む侍女の腕をどうにか振り解いて立ち上がり、ネルの手から包丁を取り上げた。包丁を食事を運ぶ為の手押し車の上に戻し、ユーリに向かって深く頭を下げる。

「ごめんなさい。ネルがまさか刃物まで持ち出すとは思わなかったもので…。これは止めなかった私の責任でもあります。…でも、この子に本気であなたを傷付けるつもりが無かった事だけは確かですから…」

 どうか許して下さい。侍女を庇って真摯に謝罪するレンディットに、ユーリは小さく溜め息をついた。

「…特に気にしていません。ですので、頭を上げて下さい」

 どういう意図の謀かは知らないが知っていて止めなかったレンディットに責任があるというのなら、気付いたのに放っておいた自分にも非がある事になる。だったらお互い様という奴だ。そもそも、本当に少しも気にしていないのにこうして〝巫女〟に頭を下げられるのは何とも居心地が悪い。

「…すみません。本当にごめんなさい」

「構いません」

 誠実に許しを乞う巫女と、ぞんざいに応じる巫女守。普通に考えれば立場が逆転しているこの状況は、端から見ると何とも奇妙な光景である事だろう。

 かなりの地位と身分があるにも拘わらず、己に非があると感じれば目下の者にも素直に謝る事が出来る。そんな巫女の姿勢には好感が持てたが就任早々手厚い歓迎を受けたものである。

 放っておけばいつまでも謝り続いていそうなレンディットを席に戻るよう促し、ユーリは中断されていた食事を再開した。どんな理由にせよ食事に招待されたのだから、毒入りでもない限りは出された物は残さず食べるべきだろう。

「…あんた、周りを気にしないで我が道を突き進む類の人間だな」

 パンの残りを口に放り込んだところで、さっきから無言でいたネルが何処か呆れた声で呟いた。

「何か問題があるのか?」

 口の中の物をしっかり飲み込んでから、ユーリは憮然としているネルを見つめ返す。目が合った瞬間、ネルは数度目を瞬かせ、にっ、と快活な少年のような笑みを浮かべた。

「―――よしっ、合格!」

「何がだ?」

 どうやらユーリに対する評価のようだが、一体自分は何に合格したのだろうか。意味が解らずにユーリは満足そうに笑うネルへと問う。

「ああ、実はさ。あんたがどんな奴なのか、性格っていうか、器?それを試させてもらったんだよ。腕前の方はファルガ様が確かめたからな、私は中身の方を確かめたかった訳だ。一般的に考えて、巫女の侍女がこんな口調で喋ってたら大抵の奴は煩く口出ししてくるだろ?それに幾らレンが許してるからって刃物持ち出されてまで動じずにいる奴なんてそうはいねえ」

「……刃物までは許してない」

 恨めしそうにネルを見ながらレンディットが咎めるような声を挟む。

「煩ぇよ。――とにかく、私としては細かい事一々気にしてねちねち言ってくるような器の小さい奴は巫女守として認められねえ。その点あんたはすぐ怒るでもなく、かといって縮こまって何も言えないっていうのでもなく、ちゃんと器量と芯があるみたいだからな。だから、合格ってわけ」

 ぺん、とレンディットの額を叩きながらネルはそう言葉を続ける。扱いは乱暴なようだが接し方から実際はレンディットの事を大切に思っているらしいのが見て取れる。推察ではあるが、それはレンディットも同様なのだろう。付き合いの浅過ぎるユーリへのものと比較するのも何だが、ネルへは随分と砕けた口調で話している。女官長は幼馴染みと称していたが、どちらかといえば二人には姉妹に近い雰囲気を感じる。

 食事を終えたユーリが手持ち無沙汰に座っている前で、ネルは朝食の全然片付いていないレンディットを責っ付いている。「早く食えよ」と言うのを聞くにユーリを試す為に態と荒い口調を使っていたわけではなく、どうやらそれがネルの地の喋り方のようだ。

「ったく。お前のメシが遅いと私が食いっぱぐれちまうんだからな」

 文句を言いながら行儀悪くも卓の角に腰掛けて足を組んだネルは食卓の真ん中に置かれた籠に手を伸ばしてパンを一つ取り上げると、大口でぱくりと囓り付いた。パンを銜えて口をもごもごと動かしている様子には、あの侍女としての完璧な物腰は欠片も残っていない。

「あ、そうだ。これから長い付き合いになるんだし、やっぱりちゃんと挨拶しとかねえとな」

 パンを口から外したネルは顔だけをユーリの方へ向ける。

「じゃ、改めて。ネル・アリースだ。レンの事、よろしく頼むぜ?」

 精霊宮で働く大勢の女官達の憧れの役職である巫女付きの侍女はそう言って口元のパン屑を拭う。食べ掛けのパンを片手に笑う様は何処か小気味好く、また可笑しな雄々しさがあった。

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