Rの残照
川沿いの砂利道を一人歩いた 乱暴な風が髪をかき乱す
笑い合う二人の女性 肩を寄せ合う恋人の影
不機嫌に重い雲 まだ泣かないの? どこかで声が聞こえた気がした
正解なんて知らないけど ここにあなたがいないことだけは
確かだったよ 確かに愛していた
運命はきっと 僕たちを祝福していなかったけれど
灰色の世界だ 鈍色にゆがんだ
あの時見えていた未来は こんな息苦しかったっけ
灰色の世界だ 僕だけが一人だ
なんてばかなこと けれど今は 今だけは思ってしまうよ
人を傷つける甘さ
そんな当たり前さえ 見ないふりをしていた
あんなに心地よかった傷が
今はただ苦しいや
藍色に揺らいだ 曖昧なくらいだ
選ぶことが怖かったのに 選ばないことを選んだ
灰色の未来だ 明瞭に一人だ
Rの残照が今もまだ 最果てに灼きついて消えない
ありがとうございました。