冒険者ギルド1
今回、冒険者ギルドに入ります!
私達は、冒険者ギルドへと入っていった。
そこは、冒険者達が酒を飲み、ガハハハと笑いあっているとても賑やかな場所だった。
「カエデちゃん、ようこそ、冒険者ギルドへ!」
ミラが、そう言った時、ギルド内にいた冒険者達が、声に反応してこちらを向いた。
「ん?、ミラじゃないか!、でも良いのかよ?、護衛対象の狐の嬢ちゃん連れてきて」
「護衛対象の狐の嬢ちゃん?、ああカエデちゃんのことね?、カエデちゃんは、護衛対象じゃないわよ。ギルドに登録しに来たの」
「はぁ?、狐の嬢ちゃんが?、冒険者舐めてるんじゃないか?、悪いことは言わねー、帰りな」
「私、それなりに、強いと思うんですけど…」
「そうよ!、カエデちゃんは、あのモミジさんの娘なんだから、強いに決まってるじゃない!」
「モミジさんの娘?、そんなの嘘に決まってるだろ、本当だったら、謝ってやるから、早く受け付け行って確認して来いよ。ガハハハ」
受け付けに行って確認?、どういうことなんだろう?
嘘発見器みたいの使うのかな?
「そうね!、行きましょ!カエデちゃん!」
「ちょ、確認ってどうやるんですか?」
「ん?、カエデちゃんは、それも知らないのね?、確認は、モミジさんが魔法で作った水晶を使って確認するのよ。もし私の娘が来たら、私のお金を全部あげちゃって〜、って言って残してったらしいのよね」
お母さん…、神界にいた時渡してくれたら良かったのに!
ミラさん達に会えなかったら街に入りたくも入れなかったんだよ!?、あ!、そう言えばカムさん大丈夫かな?
「お母さん、色々やって来たんですね…」
「そうよね〜、でもそれが良い所よね」
私は、少し気疲れしながら、ミラさんと一緒にギルドの受け付けに向かった。
「カラさん、カエデちゃんの確認をお願い!」
「はい、聞こえてましたよ、モミジさんの娘かどうかの確認ですね?、それでは、カエデさんここに手を置いてください」
「あ、はい」
私は、受け付けのカウンターに置いてある水晶に、手置いた。
「じゃあ、質問して行きますね」
え?、質問?、何を聞かれるんだろう?
「モミジさんは、死んだと思った時があります。いつのことでしょう」
え?、これって…
「10月23日の交通事故」
正直それくらいしか思いつかない、だってこっちに来てからのお母さんのことあまり知らないし、死んだと思ったじゃなく、死んでるし…
「コウツウ事故?、何なのそれ?」
あ、そっか分からないんだ。
何て説明すれば良いんろう、馬車で例えるかな?、街で走ってたし。
「馬車とかがぶつかって来る事です」
「へー、そうなの?、本当にそれで良いの?」
「はい」
「分かったわ、それを答えにするわね?、10月23日のコウツウ事故っと」
水晶は虹色に輝きはじめた。
テーブルのある方では、冒険者達が笑っていた。何故だろう?、耳を傾けると「あの人が、馬車なんかで死にそうになるわけねーだろ」と言っていた。
隣では、ミラさんが心配そうな顔をしていた。
「カエデちゃん、本当に大丈夫?、私はそれ違うと思うんだけど…」
「大丈夫ですよミラさん、絶対にこれですから」
「ほ、本当に?」
「本当ですから」
ミラさんが、少し涙目になっていた。おそらく、私がお母さんの娘じゃなかったら、ギルドにいる冒険者に、笑いものにされるのだろう。
「カエデさん!、結果が出たわよ!」
受け付けで、カラさんがそう叫ぶと、シーンと、ギルドの中は静まりかえった。
「結果は…」
「「「「結果は?」」」」
「結果は、正解よ!、まさかコウツウ事故だなんてね〜、驚いたわ。これだけでも、もう娘って認めてもいいと思うんだけど、もうひとつだけ質問するわね?」
ドキドキした〜、もし違ったらどうしようかと思った〜
耳をテーブルのある方へ傾けると、冒険者達が「マジかよ!」「あの人が、馬車なんかで…」などと呟いていた。
私の前では、ミラさんが、私の手を取って小躍りしていた。
「ほら、見なさいよ!。やっぱりカエデちゃんはモミジさんの娘じゃない!」
「ま、まだ分からないだろ!、後1問あるんだから」
ミラさんの態度が、一気にデカくなっていた。
逆に、冒険者達の態度は、小さくなっていた。
「カエデさん、じゃあ次の問題ね?。モミジさんが、娘さんに、付けたものは何?」
あ、これ耳と尻尾のことでしょ。絶対に。
「耳と尻尾」
「耳と尻尾ね〜、分かったわ、少し待っててね?」
は〜、この質問が出るってことは、元々つけられる予定だったんだろうなぁ
今度あったら、お仕置き決定だね〜
楓が、どんなお仕置きをするか、考えているうちに、結果が出た。
「結果は、もちろん正解よ!」
カラさんの声が聞こえたのか、ギルド内は、お祭り騒ぎになった。
「ついに、モミジの娘が現れたか!?、嬢ちゃん、いやカエデ、さっきは疑ってごめんな?」
「いえ、普通疑うものですから」
それからさらに、盛り上がり、初めてのお酒も飲んだ。少し飲んだら、状態異常耐性のスキルが手に入ったので、少し早かったらしい。
「そろそろ、カエデちゃんに渡す、モミジさんのお金の話をしましょうか!」
だいぶ酔っているカラさんが、そう叫ぶと、これまた酔っている冒険者達が、「いいぞ〜」や、「早く聞かせろ」などと言っている。
「か、カラさん、ここで言うんですか!?」
「もう良いじゃない、じゃあ行くわよ〜、カエデちゃんが、もらうお金は〜、えっ?」
突然カラさんが固まってしまった。その顔は、酔いがさめてしまっている。
「か、カラさん?、どうしたんですか?」
「ミスリル貨、73枚…」
「「「…」」」
「「「えぇぇぇー!?」」」
ギルド内が、驚きの叫び声につつまった…
次回、楓のギルド登録です!
お楽しみに!