始まり
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朝起き、目覚まし時計を見ると、いつも学校に行く時間はとっくに過ぎていた。
「やばい!、遅刻しちゃう!?」
私は、慌ててベッドから飛び起き、自分以外誰もいない家の中で急いで学校の支度を始めた。
家を飛び出し、駅に着いた頃に朝ご飯を食べていないことに気づいて、ため息をついた。
「またか〜、何でこんなことになってるのかなぁ…」
彼、狐好楓には現在、家族と呼ぶ事の出来るような存在はいない。去年の秋に、母親が交通事故にあってしまい、今は離婚した父親から送られてくる、お金を使って生活している。
楓は、最近目覚めが悪くなっており、昼間でも、ボーっとして、何をしていたのかを忘れてしまうことが、多くなっていた。
「やっと、学校に着いた〜…、でもどうせ遅刻してるんだよなぁ〜、はぁ…」
楓は、ため息をつきながら、学校の中へと、入っていった。
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「狐好、また遅刻か!、何回目だと思っているんだ⁈、明日は、皆んなより早く教室に来なさい!」
「…分かりました」
楓は、教室に入った瞬間に、先生に見つかってしまい、怒られてしまった。
「楓ちゃん、体調でも悪いの?」
楓の、ことを気遣ってくれているのは、美菜沢香織小学校の時からの友達で、言わば親友だ。楓が前回、体調を崩し、お見舞いに来てくれた時には、泣いて帰って行ったぐらいだ。
だから、最近目覚めが悪くなっているなんて、絶対に言えない。多分これだけのことでも、足本に水溜りが出来ると思うから。
「大丈夫かな、ただ目覚まし時計をかけるのを、忘れただけだから」
「そっか〜、良かった〜、楓ちゃんが体調を崩してたら私、号泣してたよ〜」
(…危なかった〜、言ってたら池が出来てたかもしれないかなぁ…)
楓は、冷汗を垂らしながら席へ座った。
1時間目の授業(楓は10分)が終わって、10分休みになり、クラスの皆が動き出した
「楓、お前最近、遅刻が多くなってない?、体調でも崩してるの?」
10分休みの最初に話しかけてきたのは、阪田康樹。中学の時に知り合い、友達になった、男友達だ。
(てか康樹、それ今言っちゃいけないよ⁉︎)
康樹も気づいたのか、香織の方を、顔を青くして見ていた。
「…ぇっぐ…ぅぅ…うわああぁぁぁん!、やっぱり楓ちゃんの体がおかしくなちゃったんだ!?、うわああぁぁぁん…ぇっぐ…」
「康樹どうしてくれるのよ!?、大丈夫、香織ちゃん、私どこも悪く無いから、ね?」
「楓、そんな事言っても、お前が遅れてきたのが…」
「あんたは、黙ってなさい!」
「…ぇっぐ、本当?…本当にどこも悪く無い?」
「本当、本当、私どこも悪く無いから」
「良かった〜、体調を崩してたら私、死んじゃうかと思った〜」
(さっきより、重くなってる!?何で私が香織の命握ってんの!?)
その後、何故か康樹を罵って落ち着き、香織は泣くことをやめたが、康樹の心が折れ、一人だけ机で泣いている。ま、うるさくない分ましなので、放っておく。
その後の学校は、一人が泣いているだけでほかに何も起きなかった。
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「今日の学校疲れた〜…」
「楓ちゃん、具合悪いの?」
「いやいや、具合は悪く無いから、大丈夫かな」
香織が、また涙目になって問いかけてくるので、慌てて大丈夫だということを伝えた。香織とはいつも同じ道、一緒に帰っている。今日もいつもと同じように、いつもと同じ道を、帰っていた。
いつも香織と別れる、比較的交通量の多い交差点に差し掛かった。
「楓ちゃん、また明日ね〜」
楓は、香織の言葉に反応して振り返った。
「香織、じゃあね…ッ!」
楓は、香織の後ろから近づいてきているトラックに気がつき、走り出した。
「楓、どうしたの〜?」
「香織っ!、後ろ!」
「後ろ?、何?…え?、嘘、何これ」
後ろを、振り返って、トラックに気がついた香織は
その場に立ち尽くしてしまった。
(もう、失いたく無い!)
「香織ッ!」
楓は、立ち尽くしている香織を体で弾き飛ばし、香織の代わりに、トラックにひかれる。運悪く、勢いよくコンクリートの壁にぶつかり、口から血を吐き意識が朦朧としていた。
「楓ちゃん!、楓ちゃん!、起きて、目を覚まして!」
「…香…織、ごめん…明日…学…校…いけ…そうに…無い…わ〜…じゃあ…ね…」
「楓ちゃん?、楓ちゃん!、起きて!、起きてよー!」
楓は、香織の泣き叫ぶ声と一緒に意識を手放した。
ありがとうございました
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