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「みかづき」 森 絵都

塾という現場、教育にかける人たちの熱い戦いを昭和から平成にかけて濃密に描いた傑作です。

三世代にわたる長い物語ですが、その軸は最初から最後までぶれずにただひたすら教育とはなにか、ということを考える人たちを描いていて、いろんな意味で胸が熱くなります。

時代背景も本当に丁寧に描かれていて、読んでいてその時代時代を思い出してはうなずいたり、そうだったのかと驚かされたりしました。

塾経営の話ではありますが、この作品は家族の物語でもあります。

学習塾を立ち上げた吾郎と千明。塾に対する二人の考えの対立、彼らの三人の娘たちのそれぞれの生き方。

そして孫の世代にも運命のように教育の現場が目の前に開かれていくーー。

自分のころのこともそうですが、今の子育て世代のことも深く考えさせられるものがあります。

塾ブームとゆとり教育の弊害、家庭の事情による教育格差。

やはり、学ぶ場所を選べない子供たちにも平等に教育は与えられなければならないと思います。

物語終盤の一郎と直哉の話。直哉の母親の台詞に涙しました。

勉強をしたくてもできなかった子供たちが、力を与えてもらって羽ばたいていく。

教育の現場は大変です。でもそれでも情熱を注がずにはいられない、そういうものであると、この作品を読んであらためて思いました。

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