閑話 星に願いを ~七夕~
めっさ短いです。
俺は空を見上げた。見上げた空は雲一つなく星が瞬いている。巨大な天の川にデネブ、アルタイル、ベガ、有名な夏の大三角が見える。なぜ、こんなことをしているのかと言うと、今日は7月7日だから。
7月7日、それは世間では七夕になる。七夕は 織姫と彦星との恋愛話でして知られている。
織姫は天帝の娘で、機織の上手な働き者の娘であった。彦星は、働き者であり、天帝は二人の結婚を認めた。めでたく夫婦となったが夫婦生活が楽しく、織姫は機を織らなくなり、彦星は牛を追わなくなった。このため天帝は怒り、二人を天の川を隔てて引き離したが、年に1度、7月7日だけ天帝は会うことをゆるし、天の川にどこからかやってきたカササギが橋を架けてくれ会うことができた。しかし7月7日に雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は渡ることができず彦星も彼女に会うことができない。星の逢引であることから、七夕には星あい(星合い、星合)という別名がある。また、この日に降る雨は催涙雨とも呼ばれる。催涙雨は織姫と彦星が流す涙といわれている。
つまり、今の日本の風習である短冊に願いを書いて笹に飾ると願いが叶うなんてことはない。しかし人達は願う。叶わないと知りながら。それは俺も同じである。親に感心を持って生まれてこなかった人生を、ただ好奇心の赴くままに集めた知識、ただ闇雲に蓄えた技術。今の俺は、モノクロの世界にたたずむ蟻のようなもの。星から見たら、ちっぽけなものだろう。
俺は、満天の空に願った、
『俺の好奇心が満たされる場所に行きたい』
と、叶わないと知りながら。俺は、そのまま帰った。なにもない空虚な家に。
彼が帰った時織姫の星ベガと、彦星の星アルタイルが輝いた気がした。




