1話 こうして俺は死んでしまった
新作です。この新作により「ニート召喚者のだらだら生活」はお休みします。ご了承下さい。
さて、新作です。処女作ではありません‼前作より読みやすくなってると思うのでお楽しみに‼
俺、杉崎慎吾は今まさに死にかけている。痺れた肌からは液体の感覚に何かが体から抜ける感覚。霞む眼から見えるのは真っ赤になった自分の掌、アサルトライフルを俺に向けた男、その回りにいる人たち。聞き取りずらくなった耳からは男の怒鳴り声、少女の泣き声、回りの人たちの悲鳴。嗅ぎづらい鼻からは、鉄と火薬の匂い。おかしくなった口からは濃縮した鉄の味。
あぁ~どうしてこうなったのだろうか。俺はぼやける思考で今起こった出来事を思い出す。
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「あー、あつー」
その日は9月なのに神様が冷やさすのを忘れたかのように暑かった。俺はその時飛行機の中にいた。格好はラフなTシャツにジーパン足元にはリュク手には着替えや予備の金が入っている旅行カバン。
俺は高校三年生で海外の大学に入る事にしていた。教師からは『君なら確かに行けるがどうして海外にこだわるんだ?』と言われていた。理由は簡単だ。自分の親と一緒にいたくなかったらからだ。
俺の親は俺に感心を持たなかった育児放棄とも違う食事や洗濯など幼いときはしてくれていた。しかし自分の事ができるようになるにつれその家事もしなくなった。だから俺は親と離れる事にした。自分の事は全部できるのだから親は入らないと自ら捨てた。親に海外に行くと言った時も親は何も言わず了承した。だから俺は海外の大学に行く事にしたのだ。
しかしそれだけが理由じゃ無い、確かに親の事もあるが本当は自分の好奇心のためだ。俺は気になったものはとことん調べた。たまたま読んだ本の仮説や数式、マンガに出てくる必殺技などそれは幅広くとても深かった。目指した大学も自分の好奇心が刺激される事があると思ったから。まぁ海外ってだけで好奇心はくすぐられるが…。とにかく自分の好奇心ために海外を目指した。
大学にはちゃんと合格した慣れない英語を使ってテストするのも楽しかった。今空港にいるのも長い休みを使って海外に言って観てその文化に触れたり歴史を感じたりしたかったからだ。必死にバイトして金を貯めた。まず羽田空港からイギリスに行くために飛行機を経由した、だがその結果今回の事に繋がる。
飛行機が飛び立ち、主発地点から何分か経ったときそれは起こった。俺はその時本を読んでいた。熱中していると。聴こえてきた英語の怒鳴り声。回りの乗客もなんだなんだと顔を上げた。カーテンの奥から真っ先に見えたのは黒いアサルトライフルだったそしてそれを持つ男だった。
「Put up all the members hand‼(全員手を上げろ‼)」
男は俺達にライフルを向け叫んだ。
「We occupied this airplane‼(この飛行機は俺たちが占拠した‼)」
俺達はハイジャックにあってしまったのだ。
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俺達は椅子に座らされたままその場にいるように言われた。ケータイも取られた。国際電話の可能性もあるからかも知れない。彼らの話から、この飛行機でテロを起こすことが目的だとわかった。イギリスの時計塔にぶち当てて世界に宣戦布告するらしい。彼らは【アルメリア】と名乗り行動しているらしい。今犯人は二人、しかしこちらは30人はいるだが人は銃の前には無力である。
どうするかと悩んでいると泣き声が聴こえた。その声はまだ幼い子供の声だった。犯人の内の一人背が高いが痩せている男はその子供を席から引きずり出してライフルを向けた。そして一人がその行動を止めようとしている。しかし痩せた男は仲間を押し倒し銃を向けた。引き金が引かれるその瞬間俺は反射的に動いていた。俺は痩せた男の腰にタックルをした。奴は痩せていたから簡単に倒れた。
奴はキレた子供の俺に倒されて、奴はライフルで殴った。しかし起こすこと離れない、奴は俺の腹を蹴った、俺は奴の腰から手を離してしまった。
「These feces kid‼(この糞ガキが‼)」
奴が俺に銃を向けた、あぁここで死ぬのか…。
「Die‼(死ね‼)」
子供を狙った銃口は俺に感心向けられ引き金が引かれた。俺の腹を穿った弾丸は後ろに血の尾を引いて飛んでいった。その時犯人二人の視線が俺に向いた、向いてしまった。その隙を他の乗客は見逃さなかった。15人の男たちが犯人に群がった。銃を奪い手足を縛った、他の仲間が来たが男たちには勝てなかった。後で知ったが彼らは軍人で社員旅行のような事をしていたらしい。
俺はそれを見届けた、犯人が捕まっていくのを、俺を治療しようとするたまたま居合わせた医者、俺がかばった子供の泣き声。
あぁ俺はここで終わるのか…もっといろんな事を知りたかった。もっといろんな事をやりたかった。俺の意識は暗く深淵のような闇に落ちていった………。
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あれ?意識がまだあるぞ?俺は眼を覚ました。そこは真っ白な世界。そこにポツンとあるテーブルとイス、そこに座る人影。その人影がこちらを向いた。
「やぁ‼やっと起きたね‼」
如何だったでしょうか。お楽しみになりましたか?満足した方は今後ともよろしくお願いいたします。ご不満の方は是非ともコメントを。それではまた、さよ~なら~!!