表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

時計の電池が切れた時

作者: みるく

諸君は、時計が止まったらどこに持っていくだろうか。

大型チェーンカメラ店?デパート?近所のカメラ屋?

女は出かけた先の、用事がある場所の向かいに、「時計電池交換1000円」という看板を見つけ、これ幸いと飛び込んだ。


と、小型のふわふわな犬が出迎えてくれた。

「人懐っこいんだよ」

とは主人の言。

動物を飼ったことがなく扱いに慣れない女も、その愛くるしさに目で追い、出来れば触ろうとした。


「高そうな時計だねえ」

と主人は正直な感想を言って、時計屋らしいレンズの眼鏡を頭にセットして時計の中を覗く。

「すぐ終わるよ」

助かった。


それから主人は、息子が継がないからここは俺の代で終わりなんだ、なんて寂しい世間話をした後、女には見慣れない伝票を見せた。

「普通はお客さんに原価なんて見せないんだけどね、うちの電池は長持ちするよ!ほら、外国製の電池の安いこと。でもね、うちのは違うよ!安心しな!」

格好いいなあ。女は惚れ惚れした。

「また来ます」

「その時計の電池がまた止まる頃には、俺が死んでるよ!」

物騒な話だったが、女は笑って、このことをインターネットの日記に書き留めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ご主人イケメン過ぎです。 カッコいいです、でも最後はしんみりしましたね。 またここで時計の電池交換したいですよね。
2014/10/27 13:11 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ