昔話を一度に読める話(後編)
お椀に乗って箸をオールに、太郎は隣国へ流れ着きました。
上陸してさっそく、太郎の目に入ってきたモノは、鬼に襲われているお姫様の姿でした。
「きゃ〜〜〜ん!」
「ぐわははは!」
太郎は激怒した。
太郎は小さい体を利用し、鬼の胃の中に入り込みました。
胃中を刺されまくった鬼は、たまったもんじゃありません。
「いでぇーーー!やめろぉぉぉ!」
太郎は、尚も刺しまくりました。
「くそぉぉぉx!」
鬼は痛さのあまり気絶し、その際に頭を石にぶつけ死んでしまいました。
なんとか胃からはい出た太郎は、お姫様に近寄りました。
「お姫様、お怪我はありませぬか?」
「はい。ありません」
「良かった。ところで、僕と結婚してくれませんか」
自分がチビにもかかわらず、アホみたいに自信を持っている太郎に、お姫様はひどく感銘をうけ
「はい。結婚しましょう」
太郎は喜びました。そりゃ、喜びました。
「でも、一つ条件があります」
お姫様は微笑して、シャネルのバックから小槌を出しました。
「この小槌を振って願い事をすれば、願いが叶います。どうぞ、背が大きくなりますように…と、お願いしてくれませんか?」
太郎は悩むことなく
「もちろん!」
太郎は小槌をふりました。
(どうか……どうか私の体を大きくしてください)
その瞬間、小槌がぎらっと光り、閃光と共に太郎の体はぐんぐんと大きくなっていきました。
しかし、大きくなったのは体だけ。太郎は小さな服をビリビリ破り、アソコもソコも完全に露出しました。
と、そこへ来たのは警察。
「現行犯逮捕だ!」
太郎は言い訳する暇もなく、署にしょっぴかれました。
太郎の逮捕は、お婆さんとお爺さんの耳にも届きました。
太郎は未成年であるため、お爺さんが保護者の監督不行届として、隣国の警察まで呼び出されました。
一人残ったお婆さんは、近所の人々から白い目で見られ、ストレスが溜まってしまいました。
「こんちくしょー!」
お婆さんはイライラのあまり、雀の舌を切りまくって、動物愛護団体に訴えられたそうな。
めでたしめでたし。