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03 お昼ご飯と思ぬ再会

席に案内された汐音は、早く茉莉が来ないかとソワソワしていた。

待っている間に両親と他愛もない話をしていると、程なくして


─リンリン─


店のドアベルの軽快な音が聞こえた。

入口の方を見ると茉莉の顔が見える。


茉莉はこちらに気がつくと悪戯っぽい笑みを浮かべて寄ってきた。


「霧雨ちゃんもそろそろ来るって」


"霧雨ちゃん"とは、茉莉の習い事の友達だ。

茉莉と同じ高校に進学したらしい。

茉莉から度々話は聞いていたが、実際に会ったことは一度もなかった。

前から茉莉はそのうち会わせると意気込んでいたがまさかこのタイミングとは…。何と聞いていなかった汐音が戸惑っていると、


「あれ?おばさんから聞いてなかった?」


茉莉の問いかけに対し、


「ごめーん、伝えるの忘れてた〜」


何故うちの母親はこんなに軽いのだろうか…。

そんな事を考えている汐音だった。


それはそうと、


「制服、似合ってるよ。可愛いと思う。」


汐音が伝えると、少し頬を赤らめてながら茉莉が


「あ、ありがと。」


今朝の「手を繋ごっか。」の意趣返し(いしゅがえし)のつもりが茉莉の素直な反応に戸惑い、黙ってしまう。


そのままお互いにソワソワしていると、再びドアベルが鳴った。


「茉莉〜、お待たせ〜」

茉莉を見つけて駆け寄ってきた後、茉莉の横に座った。


茉莉の隣に座ったのは、黒髪ポニーテールの美少女だ。


周囲に男子高校生が居れば嫉妬の眼差しだけで居た堪れなくなりそうだ。


「初めまして。茉莉ちゃんから聞いてると思うけど、莱表霧雨って言います。よろしくね!汐音くん。」


莱表…?どこがで聞いたような苗字に疑問を抱いていると、


「霧雨〜早いって〜」


入学式で話しかけてきた晴が店内に入ってきた。


「あれ?汐音じゃん」


普段、家族や茉莉以外には名前で呼び捨てされることがない汐音が驚く。


「二人ってもう知り合いだったの?」


茉莉と霧雨が驚いていたので入学式での出来事を説明した。


────


「美味しかった〜。」


パスタを食べ終えた一同は駅へと歩いていた。

因みに親はゆっくり話すからと、まだパスタ屋にいる。


「また行きたいね〜」と女性陣が話しているが汐音は緊張のあまり味を覚えていない。

仕方のないことだろう。


周囲からの視線が普段よりも多いことに違和感を感じていた汐音は、今更ながら周りが美男美女だらけなことに気がついた。


茉莉は言わずもがな、莱表兄妹も顔立ちが整っている。

汐音の戸惑いが伝わったのか


「汐音も髪型とか気にすればカッコよくなるよ。顔立ちは整ってるんだし。」


と、晴が声をかけてるれた。


パスタを食べながら話してみると汐音は意外にも、緊張せずに晴と話すことができたのだ。


「今度髪のセットの仕方教えるよ。」


と晴に提案を受けた汐音は一も二もなく頷いていた。

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