プロローグ 破壊の申し子
ニヌルタ、古代メソポタミアの神の名前か
「そういや、この間古代メソポタミアの講義がやったけ」
「。。。。。」
観客席で、我喰と心総がまだ動いてない。アスカとアリエスが彼に接近しているのを目視したから、様子見を決めました。
「。。。。。いかないか?」
「まだ、その時ではない。」
そう淡々と答える心総を見て、我喰もこれ以上踏み込めないと見た、そして、視線が舞台中央へと移ります。
「ニヌルタ?」
「しらない?古代メソポタミアの神の名らしい。ま、これから死ぬ君には関係ない話だ。」
殺気、すぐさま攻撃を繰り出そうとしたが、ニヌルタが瞬きの一瞬で消え、反応できたのは、彼が自分の鎌の先端を触れてからだ。
「な」
「いい武器だ、が」
そう言って、ゼルの鎌はみるみるうちに亀裂が入り、そして粉砕された。
「バカ、ぐあああああ」
まだ状況を追いつけなく、ゼルが思い切り腹パンをくらい、鮮血が飛び散り、端子へ吹き飛んだ。
「ゼル!!!!!!!!」
大きな煙が上がり、霧散したら、血だらけのゼルがそこで座り込んでいる。まだ意識があるものの、もはや戦闘不能状態であることを、誰の目でもわかる。
「うん、一撃か、まあ、こんなものか、さて」
ニヌルタが動こうとその時、二つの銃口に向けられた事に気づく。
「ほう」
「斗真様を返してください。」
「それは無理な話だ。」
「私からもひとつ、」
アリエスが一瞬して憎しみな顔をニヌルタへ向けた。
「あんた、10年前にロザリスに行ったことは?」
「ない、こいつが生まれたときからずっと中にいる。」
「そう、」
すこし落胆と安堵したアリエス、そして銃を構えなおし。
「いますぐ彼にもどして、さもなくば」
「どうなる?」
パーン。
銃声が響いた。
「こうするのよ」
だが、まるで手ごたえがなく、よく見ると、ニヌルタの手がいつの間にか振り下ろして、拳の中から粉状な物が見える。
「。。。。!」
驚くアリエスだが、となりからすごいスピードで突っ込んでいた者がいる。
機関銃で地面をめった撃ちし、煙を巻き起こす。視界を遮ることで、一気に接近する。そして、軍用ナイフをスカートから持ち出し、ニヌルタの顔面の寸止めし、動きが止まった。
「返してください」
「人形風情が、」
これで追い詰めるとは思っていない、ゼルを一撃で行動不能に追い込んだやつが、こんなもので行動を制限されるわけがない、だが、だからこそだ、一瞬の勝機があんまりにも魅力的で、甘いスパイスとなる。
先の弾丸で、能力は手で触れたものに限る。そう錯覚させた。
パーン
「。。。。!」
一瞬、地面が割れた音をし、飛び散った石の破片が、アスカの視界を遮る。本の2秒ぐらい、それはニヌルタにとって十分すぎる。すぐさまアスカの軍用ナイフを手に取り、破壊した。
アスカはすぐさま機関銃をとり、だが遅い、触れただけで、機関銃がバラバラになり、次の瞬間アスカの喉が掴まれた。
「放せ!」
アリエスがすぐリボルバーで撃ち、弾丸がニヌルタに到達する前に、全て塵となった。
「この感触、なるほど、てっきりロボットだと思ったが、体は人間に近い」
「。。。。。があ」
「まあ、それはもはやどうでもいい、今から君を破壊する。そうすれば、やつは崩れる、この体永遠に俺の物となる。」
「させないわ」
それを聞いて、すぐにアリエスが接近してくる、だが。
「邪魔だ」
アリエスが目に見えない何かに腹パンされ5メートル程後ろへ飛んだ。
「。。。。なる。。。。ほど。。。ね」
「ん?」
「あんた。。。。。人だけが。。。。壊せない。。。。でしょう」
「。。。。。。」
「でなければ。。。。。。私は。。。。。とっくに。。。。くはあ」
ぼろ雑巾のように、アスカを地面へ投げ捨てた。
「あ、その通り、生物だけが壊せない、だが。」
ニヌルタがゆっくりとアスカへ近づき、そして。
パシャ
「ぬうううああああああああああああああああああ」
腕を踏み折った。骨を破壊した。
「人間の一部なら、ふふふふ、ははははははっははははははははははは」
「野郎!!!」
アリエスが再び攻勢に入ろうとした。が、隣から猛スピードで突っ込む者がいた。
カ――ン
ニヌルタが左手で受けた。がそこにはすでにいなく、右側に移動していた。
「しぶといね」
「彼女を、、、、、放せ」
ゼルがチェーンで出来た剣で構えていた。左手が全く上がらない様子。
「ほう、君のアバラの二三本を破壊したはずだが、いくら異世界人だからって。」
「はあはあ」
「ふん、やせ我慢しおって」
ゼルが弱弱しく、しかし、その目がちゃんと目の前の男を捕らえ続けている。
「。。。。しかし、君も不器用な男だ」
ニヌルタがゼルを哀れのような口ぶりを続ける。
「この決闘前までは、13天聖をすべて揃ってから奪うつもりだっただろう。敢えて手助けするのは、こやつが未熟なまま継承し、より簡単に奪えるため。」
「。。。。」
ゼルが否定どころか、反応もしなかった。図星か、それとも。
そんなことを気にもしなく、ニヌルタが続ける。
「だが、なぜ今なんだ。答えは簡単。俺の存在を感知しただろう。」
「ぬ。。。。」
ゼルはすこし反応した。すこしは当たったかもしれません。
「まてよ、チェーンに先の鎌、そしてあの技、、、、、、」
ニヌルタはすこし考え込んだ。それは大きな隙だが、ゼルが踏み込めなかった。目の前には、アリエスの弾を簡単に消す男がいる。もし、無暗に突っ込んで、武器を破壊されれば、今度こそ詰む。そして、もはや次の手を打つ体力がなかった。
「そうか。。。。。君。。。ベルの息子か」
「。。。。。」
ゼルが答えなかった。こうなることを分かっていた。
「そうかそうか、あ奴め、ぬふふふふふふふ」
「なにが可笑しい」
「それやそうさ、運命を感じずにいられないというやつのさ、」
ニヌルタが両手を両端に大きく開いて、そして、天に向かってこう告げた。
「君の祖父を壊したのが僕だからさあああああああああああ」
「な」
ニヌルタが拍手しながら、ホップダンスのような動きをし始めた。
「あれは最高だったよ、儀式の最中にあれを壊して、そうしたら、君の父の顔ときたら。ぬふ、はは、ははははははっははははははははははは。楽しくて仕方がないよおおおおおおお」
「貴様」
「ふふふふふ、そうか、俺の事を父から聞いたというわけだ。」
「ぬ。。。。。」
事実は違う、ゼルの父は無口な人だ。今回の次期国王継承争いにも、傍観の姿勢を崩さなかった。
(俺には、実兄と妹がいる。関係は良好だと思いたい。だが、分家には12の王位継承権を持つ者達がいる。魔界において、強さは全てだと考える者が少なくない、故に幼い頃、暗殺等当たり前。それでも、今までやってこれた。が、それでも限界がいつかくる。兄上や僕がともかく、まだ幼い妹は耐えれるどうかが。だから天聖の継承権を欲した。例え奪って力が継承できなくとも、それ自体が証となる。相続争いにも決着を付けよう。)
そうしたら、きっと
「思い出に慕ってんじゃねえよ」
一瞬、ほんの一瞬目を離したすきに、致命となりうる。
踏み込んできたニヌルタを一瞬対応が遅れた。そこから振り下ろす攻撃がなく、たた相手の攻撃を受ける覚悟しかない。そう見えた。
カキン
変な手ごたえをした。一番驚くのがニヌルタの方だった。
「やはりな」
ゼルがニヌルタの攻撃を見抜いた。その本質を見抜いた。
ニヌルタが司るは破壊、破壊の天聖。アリエスの特殊弾も触れる前に破壊させるように、あらゆるものを意のままに破壊できる。だが、決して万能ではない。破壊するものを確実にイメージする必要がある。ゼルが攻撃を直接受けて、破壊できていないのが、別世界の住人が若干遺伝子が違っているからだ。この世界の者として破壊するニヌルタが、完全に決められなかったのがそのため。故に、ゼルの出自をしった途端に、対象を変更して、魔界の住人に切り替えた。
決めた。はずだった。
ゼルが、それを読んで、腹のあたりにチェーンを巻いた。それで威力を半減させた。
そしてゼルが、右手を高く上げて。振り下ろした。




