第一章 禁忌の片鱗
我喰がラピーツを連れて、斗真達と合流した。
破壊された町は結界の効果で元通りになった。そして、ラピーツがガーンティとしばらく町に住むことにした。
後日、学校帰りの斗真だが、その途中ある店が目に入る。
LOVE AND PEACE
最近知り合った人の中に、こんなノリの人が一人いったな。と斗真が思った。
「あら、斗真ちゃん、いらしゃい」
「やはり」
出てきたのはラピーツ、やはり、と斗真の内心が予想していた。
「どう、うちの商品、素敵じゃない」
「はい、とても、」
あれから1週間、我喰先生の紹介で知った天聖の一人ラピーツ、数日のうちに店を開いていた。
最初の印象は明るくいいひとだが、まさか初対面で力を継承することができたなんて、本人曰く
”あら、いい男じゃない、テンションあがちゃうじゃない”
と、頬っぺたをキスで力を継承する。
「。。。。。」
怖い
そう思う斗真だが、いつの間にか着替えさせられていた。
「あら、この袖、少し長いわね、安心して、すぐ直すから、ガーちゃん、お願い」
と裏へ指示を出すラピーツ。奥から車椅子ぽいものに乗って、ヘッドフォン付けだらしない格好をしたガーンティが出てきた。
「あい、、、、、よ」
と車椅子から機械の手が出て、あっという間に袖が修正された。
「あら、いいんじゃない、あとこれも着てみようかしら」
「。。。。。どうしてこんな目に」
と斗真が小声で呟いた。
同時刻、アスカが買い物の時偶然アリエスと会って、二人は買い物が終え、帰りする時
「アスカさん、少し下がってて」
アリエスが異常な空気を察知した。同様な物をアスカも感じた。
目の前に、なにかがいる
「。。。。。君たち、効きたいことがあるんだが、」
「。。。。。なに、」
前方には、チャイナ服を着た糸目な男、後ろに垂れた三つ編みの長い髪。その男が一歩一歩二人に近づき、二人はすぐに武器へ手を伸ばすが、瞬間、その手が男の両手で塞ぐことになる。
「ダメじゃない、綺麗な手が台無しにするなんて、」
二人は動けなかった。動けば死ぬと、肌で感じた。
「あ、そうそう、人を探しているんだ、継道斗真を知ってるんかい?」
「!」
「その反応、知ってるんだね」
男は微笑んだ。両手から伝わる圧が尋常じゃない。しかし、自分の主人が危険だと察知するアスカ、それでもと、動こうとしたその時。
「龍、何か用」
その先には、主人の先生がいた。
「おやおや、これはこれは、珍しい顔だね」
「そうか、ちゃんとファッション誌にも載れる顔付きだとおもうだが、」
「載るなら、手配書でしょ、ゼン・クウガラス・アポクリファ。」
「それで、何か用」
崩さない我喰、龍は両手を離して、我喰に向かって話を続ける。
「いやね、分かってるくせに。」
「。。。。」
「単刀直入に聞く、継道斗真を知ってるかい」
「生徒だ」
「居場所は」
「教える、だから二人から離れろ」
「はは、それはすまん」
と龍が二人から距離を取った。そして我喰は二人にアイコンタクトをとり、龍を連れてどこかへ行かれた。
時間が少し前に
「この気配、」
と感じるラピーツ、すぐに斗真に着替えさせた。
「どうした」
「いやね、やばいやつがきたわよ。」
「語彙がへんになってます、ラピーツさん」
「とにかくいくわよ、」
「。。。。。。そんなに、か」
「ええ、今のあなたじゃ勝ち目ないわね、いいや、ここにいる全員が総がかりしてもかてるかどうか。」
「何者なの、?」
ラピーツはすこし考え込んで、そして彼の名前を告げる
「最強の天聖、呂 龍」
「最強、、、、、だと」
「説明は移動しながら説明するわ、ガーンちゃん、店じまいお願い」
「わか、、、た、、、わよ」
そして、車へ乗り込む二人。
「まず天聖とはどこまで知ってる?」
「いいえ、まだ、」
最近学業、バイトに続き、我喰先生の訓練もあって、それを聞くチャンスは中々なかった。
「天聖は、元々概念の具現化、各概念に適する人が天聖の名を冠する。そして、概念の力を発揮する能力を得る。」
「なるほど。」
「その中に、特に禁忌と呼べる奴らは、人間が存在する限り、不滅かつ絶大な力を持っている。」
「。。。。まさか」
「そして、その中でも、戦闘狂と呼ばれる人が今こちに来ている。」
「。。。。その人は」
「。。。人類の最強への思い、その思いを一身に受けたのが呂龍という男だよ。」
「。。。。。。やばいね」
「でしょう。」
「でことは、今逃げるということですね、ラピーツさん」
「いいや、全然」
即答するラピーツ、斗真はさらに
「助っ人を呼びにいく」
「ぶぶー、残念」
満面の笑みで答えるラピーツ、それを見て何かを悟った斗真。
そして段々顔色青くなっていく。
「まさか、」
「そう、戦いやすいように移動してるだよ」
やはり、さすがにあの人の親友なだけあって、性格が悪い、いい人なのに。
そう思ううちに、前方からなにかが飛んできて、車のボンネットにぶつかり、車は急停止し、なんとか制御不能から安全停車できるようになった。そして
「やだあああああああ、私のプリティクーパーちゃんがあああああああああ」
「。。。。まず俺の心配してくれない。。」
飛んできたのは我喰先生だった。しかも、見るに満身創痍。
「あらゼンちゃん、生きてたの」
「あいにく、地獄の予約が一杯でな。」
我喰が起きて、目の前に構えをとり。
「生き地獄なら間に合うかも。」
最強の天聖、呂龍。ほぼ無傷で仁王立ちしている。
余裕のつもり、と斗真が思うが、先にラピーツが
「ちょっと、龍ちゃん、どうしてくれるの、うちのプリティクーパーちゃんをこんな目にあわせて!」
「久しいな、ラピーツ、車ならそちの我喰が弁償してくれるぜ」
「なんでだ」
「俺を騙し、俺を陥れようとしたら、返り討ちを合う君が弱いから。」
「言うね」
「そんなことよりも、プリティクーパーちゃんの仇よ、くらえ!」
そしてラピーツが左手で光の弦を作り、右手で光の矢を作る。呂龍に向けて矢を放つ、そして、放たれた矢は、10,100、1000、どんどん増えていき、無数とも言える程の矢が呂龍に襲う。
しかし、呂龍が右手を高く上げて、矢が届きそうな瞬間、すべてが消えたに見えた。
斗真は何にも見えなかったが、二人は真剣な顔して、
「「神業かよ、」」
と呟いた。
先、呂龍が右手で気を集めていた、そして、タイミングを見払って、あれだけの数を一呼吸の内に、すべて消し飛んだ。
一番の問題は、この間、彼は天聖としての能力を全く使わず、体一つでそれを完遂することだ。
故に
「最強になったから強いじゃない、強いから最強になった。」
そう呟いて、3人へ歩き出す。
「僕の目的はあくまで継承者の実力を見るだけさ、邪魔しないで。」
「いきなりラスボスにぶつけさせるほど、初心者じゃないのよ、」
「カワイ子ちゃんが傷だらけになるのを見てられないわよ。」
「二人ども、僕の事を何だと。」
と斗真が言い出すが、我喰から光る玉を受け取った。
「そういえば、まだ5元素最後のやつまだ継承してなかったな、」
「。。。。。そうだが、今は」
「今それを継承して、そして、」
「。。。。」
「ふんばれ」
瞬間、大地が割れた。斗真は慌てて上へと飛んで行ったがその先にはすでに呂龍がいた。
「初めまして、呂龍です、そして、いらしゃい」
ドーン
挨拶と同時に鋭い蹴りを繰り出した。斗真は空中で何とか対応しようとしたが、あんまりにも速いため、防御しきれない。そのまま勢いで木にぶつかった。
早く立ち上がろうとしたが、防御した場所が猛烈な痛みが襲ってくる。斗真はすぐに呼吸を整えて、痛みを抑えようとする。しかし、相手はそれを待ってくれない。
「おいおい、この程度で立ち上がらないと困りますよ」
「。。。。。く、舐めるな、立ってるわこんなもの!」
と勢い任せて立ち上がる斗真、しかし、呼吸が乱れて、痛みが更に深刻になった。それでも笑みを絶やせない、唯のやせ我慢である。
パーンパーン
「ほほ、根性だけがいいみたい、」
周りを見ると、どうやら二人とかなり離れているみたい。つまり、しばらく一人で対応しなければならない。
「トゥース、カースト」
斗真は片手で前に構え、呂龍に狙いを定めて、撃ち始めた、炎と風を織り交ぜた弾丸が呂龍に襲う。
だが、
「ぬるい」
先ほどラピーツの技を消したように、すべてが消し飛んだ。しかし最後の弾丸を消す前に、弾丸が破裂し、周囲が煙に包まれている。そして、体勢を立て直そうとしたが、目の前に腕が現れて、首が掴まれた。
「いい作戦だ、が、意味がない」
「くはああ」
「僕はね、見えない場所でも活動できるように修行を積んだ。この程度の目くらまし、」
そして、斗真をあらぬ方向へと投げ捨てた。
すぐに立ち上がる斗真、だが待ち受けたのが、相手の猛攻、攻防の中、あらゆる能力の組み合わせを試したが、すべて対処され、次の手を繰り出そうにも、左手が折られて、その隙に、腹に重い一発が食らった。
悶絶である。
斗真は崩れ落ち、だが、相手は追撃がしてこない。
「。。。。ガーンティに勝ったから、できる奴だと思ってたが。まだまだ甘い」
「。。。くう」
「さ、早く立て、まだ終わってないはず。」
刹那、斗真は先貰った最後の元素、金の力を出そうとしたが、不発でした。右手から何にも感じない程に、空虚だった。
呂龍はそれを見て、すこし溜息をして、顔面に蹴りを入れた。
重い一撃だった。食らった斗真はしばらく脳震盪が起こし、意識が保つことが奇跡だった。しかし、状況が最悪で変わりなく。
死、明確に死を感じる。
このままだと確実に殺される、打てる手がすべて打った、最後の賭けも潰えた。体がもう動かない。漫画のように、都合よく助けが来る奇跡が存在しない。一歩また一歩近づく敵に、不思議と恐怖を感じなかった。
”アスカさん、晩御飯が作っているだろうか”
”食いたいな”
斗真の意識が朦朧していく。
完全に気絶しているとみて、呂龍がすこし肩がすくんで、去ろうとした。
しかし、振り返った瞬間、背後にあり得ない程の殺気を感じる。
驚異した呂龍が振り返ると、そこに斗真が立ち上がっている。
青のインナーが崩れて、肌が黒く染まっていく。髪も黒から白へ変色し、両目がすこし開けようとした。
呂龍がすぐに臨戦態勢を取る。
が、すぐにその空気が解け、斗真がそのまま倒れていく。
啞然とした呂龍、しばらくしたら、納得した顔で笑みが浮かんでいた。
「は、そういうことか、まんまと乗せられたな、彼に、君たちにも」
振り返ると、そこにはラピーツと我喰がいた
「これである程度の事情がみえるわね。」
「あ、なぜ今頃継承者を選定するのか、なぜアスカを合わせたのか、ある程度なら分かった。」
「ですが、確定ではない?」
「あ、そのためにも、やつを問いたださなければ。」
「できると思うかしら。」
「なーに、ダメだったら、力づくでも」
「僕はやらないよ」
「ええ、龍ちゃん、それはないよ」
「僕の目的はあくまで継承者と勝負したい、こんな中途半端じゃ満足できない。あ奴の策に乗る方が僕の目的に近い」
「それはそうだね」
「ラピーツ、お前も、、、、、ぬ、仕方がない。」
「あら、あきらめちゃうの?」
「さすがに今じゃ俺の方が悪い。別の方法を考えるよ。」
「そうね、だがその前に、彼の手当をしないと。」
ラピーツが斗真に近づき、治療を行う。
呂龍が反対方向へ行き、そのまま帰った。
呂龍
身長 189cm
体重 98kg
特技 格闘技全般
最強の天聖を受け継ぐ者。今語れるのがこのくらいしかない。




