プロローグ 凶弾
ついにヴァルガンに勝利したクウガ、そして、戦場が続く
物心がついた頃から、父様はずっと大きかった。4歳の時から、父様の背中を登るのが楽しく、父様も、それを嫌がることもなかった。あんまりにも縁談が多く、それがいやだから、軍へ入団した。元々素質があったか、父様の技を、12歳でマスターし、軍内の昇進も早かった。戦争前も、辺境防衛や、魔物の駆除もやって、盗賊も。
人を初めて切った時、本当はそれが嫌だった。父様には言わなかったが、それ以来、本当は人を切りたくなかった。だが、戦争がはじまり、どんどん人を切らないと、味方が死ぬ。そのうちに、敵国に死神と恐れられ、帝国には英雄と祭り上げた。
本当は嫌だった。
私は、本当は、父様と一緒なら、、、、
場所はクウガの方へ、
杖に突きつかれるヴァルガン。だが、一向に攻撃が仕掛けてこない。
「どうした、やれよ」
「。。。。。降伏してくれ、おっさん」
「ふん、この首欲しいやつが星の数程いるのに」
「そんなものに興味がない。」
「小僧、はては貴様、人を殺したことがないじゃな」
「。。。。。」
「やつの世迷言かっと思っておったじゃが、なるほど。」
「。。。。。」
「なぜ、戦争に加担する。」
「僕は、単に力を発揮するところを」
「いいや、それなら他にもあるはずだ、だが、」
「。。。。」
「お前は、戦争を選んだのじゃ,
ならば、国の為に、切れ」
「。。。。。断る。。。僕は」
「バカ者が、」
その時、両者の決着に皮切り、帝国軍の士気が低下し、王国軍がその勢いのまま押していく。ミドラーの姿を確認できず、エミリー副団長もロイズに抑えられ、実質の指揮系統がないまま、帝国軍が態勢の立て直しが見込めない。
その時だった
グーーーーーン
混乱のさなか、ヴァルガンの胸が、大きな穴が空いた。
すぐさまクウガがヴァルガンの体を抱え、メイに回復魔法を命じたが。
『ご主人様、申し訳ありません、ストックが。」
そもそも反魔法石群の中クウガが魔法を使えたのが、メイにある程度の魔法をストックさせたから。通常の杖では不可能な事だが、人工知能のメイだからこそできる芸当である。しかし、それでも上限がある。そして、ヴァルガンとの闘いでストックが空となり、もはや回復魔法が使える状態ではない。
「おっさん!!!しっかりしろ、おっさん!!」
「くは、無理、じゃろ、、、、、致命傷じゃあ、、、、」
「バカ言ってんじゃねよ、まだ何か、、、、誰か!!!!!救助隊を!!!」
「無駄じゃあ、、、、、、」
ヴァルガンは少し考え込み、残された時間を、何かを、、、、、、、、
「小僧、、、、、クウガ、、、、と、いったな、」
「ああ、大丈夫だ、きっと大丈夫だおっさん!!」
「たのみ、が、ある、、、、」
「あ、何でも聞くから、しっかりしろ」
「、、、、、、娘を、、、、、、頼む」
「、、、、、、え、、、、」
なぜ自分なのか、不思議そうなクウガだが、ヴァルガンにとってはそうではない。
今の一撃を、三つがある貫通力、軍に長くいると、誰かの仕業だと、すぐわかる。そして、そいつはいずれ最愛の娘にも、凶器を振り下ろすだろう。
そして、唯一娘を救えるのが、目の前の青い若者しかいない。
ならば、死にゆく自身よりも、その自身を真正面から打ち勝つ目の前の若者に託すしかなかった。
「た、、、、、の、、、、む」
「ああ、大丈夫だ、任せろ、だから、死ぬな!!!!」
「。。。。。。」
ヴァルガンの手が、崩れたようにたらんとした。
巨鐘のヴァルガン、本名シュベル・X・カエサル・ヴァルガン。死亡。
胸騒ぎがする、軍が撤退していく、エミリーさんが撤退を指揮したそうだ。そして、遠くから信じられない事を耳にした。
「巨鐘のヴァルガン、クウガ・ゼンにより討ち取られた!!!!!!」
。。。。。。。。。。。。。嘘だ
嘘だ、噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ
体が動く、前へ、前へ、そして、噓が真実だと、知った。
「父様!!!!!!!!!!」
叫びと同時に目の前の敵に切りかかり、男が後ろへ下がり、私は父を抱え呼びかけた。
だが、父は安らかな顔で、応じなかった。
胸には今までない感情が湧いてくる。自分が自分じゃない何かに変わった感じがする。
言葉も、今まで使ったことがない物を、相手にぶつけた。
「よくも、よくも!!!!!!!!」
男はなにもしゃべれなかった。今まで挑発な言葉しか言わないこの男が
その時、目の前に馬が来て、
「ヨミさん、撤退です、早く、」
「ですが、、、、、」
「今は態勢を立て直すのが先決です、ヴァルガン様もきっと」
泣きそうな友人を見て、唇を噛みつつ、目の前の男に
「次は、、、、、必ず、、、、、、、、、、」
「。。。。。」
「ぶっ殺してやる」
エミリーに父様の遺骸を乗せて、後方のさらに先の拠点へと、撤退した。
「巨鐘のヴァルガン、クウガ・ゼンにより討ち取られた!!!!!!」
「我々の勝利だ!!!!!!!!」
「クウガは英雄だ!!!!さあ、歓声をあげよう!!!!」
「我らの英雄に!!!!!」
「クウガに!!!!!!!」
周辺の兵達が歓喜している中、クウガは笑みではなかった。普段お調子者だった彼だが、周辺と反比例して、暗い雰囲気を漂った。
雨が降ってきた。クウガはまだ動かない、周囲の兵達が駐屯地へ戻りつつあるが。クウガは雨を感じてないように、立ち尽くしている。
「僕は、なんでいるだろう。。。。。。。。。。。。」
クウガは、己の両手を見て、そこには鮮血の跡がびっしりと、雨では到底洗いきれないほどの
「ぐ、おおおおおおおおおおお」
吐いた、脳にヴァルガンとミヨの顔をよぎって、その場で吐いた。
”娘を、頼む”
(あ、そうだ、まだ、終わってない)
空を見上げて、何かをすることを、決心した。
帝国、シュタイン領、夜
ミドラーがゼハースに救助され、裏路地に連れ込まれた。兵達の住処だったが、全員駐屯地に居る為ここが誰もいない。
「なぜヴァルガンを殺した、やつにはまだやってもらわないといかんのじゃあ」
「大声だすなよ爺さん、夜中だぜ」
「そんなことをきいとらんわ、どうする、わしの計画が台無しだ!!!」
「ま、まだ手がある。それに、あのヴァルガンが敵軍へ投降しそうだから、ほら、」
「くくくく、仕方がない、だが、あの屑どもを今度こそ根絶やしをしなければ、陛下へ申し訳がたったん」
「それは大丈夫だと、今士気が低いが、やがて、報復の方が強くなる。あのおっさんの人気が半端ないぞ。」
「ふん、だといいんだが。だが、あのクウガとかいうわっぱ、なんとかせねば、そうだ、今から行ってころしてこい。」
「。。。。。。」
「そうだ、今しかない、やつは木っと油断しとる、ふへへへへへ、見てろよ、今度こそあのガキを。。。。」
サーーーーーー
気が付けば、ミドラーの首が宙へ浮かべ、見下ろしたら、自分の体がある。
「悪いな爺さん、あ、全然悪くないな、俺様の体を好き放題いじりやがって、」
ゼハースは落ちてきた首を足で踏んだ。
「ま、感謝してるぜ、力を与えてくれて、だが、だめだよ、今あいつを殺しっちゃ、俺の計画が台無しになるじゃない。安心しろ、死体解剖は得意、てね」
そして、みるみるうちに、老体が解体され、気付けばもう元の形がなくなっていく。
「小僧、、、、、、、精々嚙み締めろよ、、、、、ふふふははははははははは!」
そして、男が、闇の中へ溶け込んでいく。




