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#6 俺のお米。

前回のあらすじ。

前回を見ろ。


#6 俺のお米。

人間は誰だって、褒めて貰いたいと想い生きているのではないかと思う時がある。

何故なら、、自分がまさにそうだから。

好きな事をやっていて、自分のできた物・形を沢山の人に見てもらいたい。

それで≪笑み≫・≪感動≫・≪感謝≫して貰える事って、とっても生きる意味になるし…力が湧いてくるような感覚になる。


そして、よく人はこんな問いかけをする時がある。

「お前は褒めてもらう為にやっているのか?」と。

その問いに俺なら


「当たり前だ」と返すだろう。


誰からも褒めて貰えず、いつまでも自分自身で自己暗示のように称賛し続けるなんて虚しいだけだろ?

隠れたヒーローが正義なんて間違ってる。

誰だってこの世界のヒーローで、みんな何かと日々戦っているんだ。

そんな人たちの事を…俺は無下にしたくねぇんだよ。

頑張った分だけ賞賛があり、頑張れなかった分だけ慰めがある…そんな『優しい世界』になって欲しいと常日頃から想う。


だから俺は優しくされた分、相手を褒めてあげたい。

どんな些細な事だって良い…自分が言われて嬉しい言葉を沢山掛けてあげたい。

だって、俺は人の笑顔を見るのが好きだから。

俺の一言で喜んでくれたり、笑ってくれたりしたら…それだけで俺は心が満たされるような気持ちになるんだ…。


例えその人が道を踏み間違えてたって、自分を傷つけていたって…一生懸命生きているって証拠なんだから、賞賛すべきだと思うんだ…。


もう、俺の一言で

誰かが傷つくのは…見たくないんだよ…。



「ご…ごめんなさい!!!」


「大丈夫ですって!そんなに気にしな…」


「本当にごめんなさい…!!!」


んで…この状況を端的に換言するならば…

いちに、炊飯器の米がお粥のようにびちゃびちゃになっていた。

にに、聞くと水の分量を間違えたという真実が判明。

さんで、俺の目の前でロりっ子が土下座して謝っている。

絵的には最悪さ。

なんていうかこう…

【ニートの社会人兄貴に屈服され怒られている小学生妹】という、ギャルゲーならば俺が悪者になってもおかしくない状況下だ。

さっきから「大丈夫だ」って声は掛けているんだがなぁ…。


「お米を無駄にしてすみませんでした…そのお米は全て私が食べて処理をしますので…どうか…どうか…此処に居させてください…」


酷く怯えてる様子だった。

何でだよ…さっきまでの生意気さはどうした…メスガキ特性はどこいった…。

そんな顔されたら…俺だって、、、嫌なんだよ…。

見たくないんだよ。


なら…


「はむっ!」モグモグ…


米、食べてやる。


「あ…!ダメです…私が食べなきゃダメなのに…」


ん…?

これはこれで…


「ふは‥!美味いぞコレ…!!」


「え…?」


いや待てよ?

そういや俺、ここ最近まともな食事を取れてなかったから…どんな食べ物でも手料理が美味く感じているのかもしれないなぁ…。

でも、まさか炊飯する時に塩を振っているのか?この米!

確か塩を振れば、何日間か冷蔵庫に入れておいても腐らずに保ってくれる筈だ!

それを知ってて入れているなら家事力高いぞこのロりっ子!!!

なんなら、塩で味付けされたお粥って感じで美味いんだけど!?!?


「最高だよ!このお粥!」


「‥‥」


あ…。

口ポカーンとされてる…。

スゥーーーー…変人だと思われたか?

これやっちまった?好感度上昇イベで選択ミスした…?

好感度ダウンって結構心にくるんだよなぁ…。


「…ふふっ、お粥じゃなくてお米だったんですけどね」


あ!笑ってくれた!

良かったぁ…何とか一難という名の波乱に満ちた台風は去ったようだな!

てか…あれ?

無邪気な笑顔と打って変わって、また違う雰囲気の笑みだな…?

なんだかこう…大人っぽいような…?


「じゃあ…冷める前に食べましょうか!じゃがいも、ホクホクですよぉ」


あ、クソガキスマイルに戻った。


「はい!作ってくれてありがとうございます!いただきます!」


「…こちらこそありがとうございます。いただきます!」

俺だ。神果みかんだ。

ここ最近はバイトを辞めると店に言ってからと言うものの、数回程度で辞めたという罪悪感に押し潰されそうになっていて、自分は≪社会不適合者≫なのではないかと責める日々が続いてます。

それでも生きてはいます。

ご安心ください。


それじゃ。

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