#4 俺の結論。
前回のあらすじ。
前回を見ろ。
#4 俺の結論。
もし唐突に「貴方の大切なものは何ですか」なんて言葉を投げ掛けられたら、俺は何て答えるだろうか?
【家族】・【仲間】・【価値観】を言えば、綺麗事として片づけられる簡単な質問に思える。
だけど、果たして…俺達が本当に大切なものは≪それだけ≫だろうか?
大切なものは人によって其々違うのは知っている。
その人の大切なものを馬鹿にしたり、傷つける事なんて起きてはならない事も知っている。
でも…
「このマンションって、よく救急車のサイレン聞こえてきますよね~…」
キッチンで何やらゴソゴソしている、下ネタ鬼畜家庭的貧乳少女の声が聞こえてくる。
ってか…ずっと冷蔵庫とかタンスとか漁られてるの、まっちゃ恥ずかしいんだけど。
んで、俺は半透明のビニール手袋を付けてトイレ掃除中な訳だが…
おっと、一応会話のキャッチボールは遂行せねばな。
「ですね…睡眠中もよく聞こえてくるので、鬱陶しく思うこともありますね…」
「‥‥」
そう、この世界で俺が一番大切なものは…
≪命≫だ。
自暴自棄になって、何度も死にたくなって…最終的に辿り着いた結論だった。
この世界を生きていないと【いつかある報い】が受けれないかもしれない。
そんな、僅かながらの奇跡を信じてしまったんだ。
ただ単に、死ぬ勇気が無かったから自分を正当化して苦し紛れで生きている人間に過ぎない。
それでも…命に希望を縋って、自分だけを愛していかないと…
きっと俺は、生きる意味を見失う‥‥。
…っと、これほど磨けば舐めれる程に綺麗なったも同然だな!
「トイレ掃除、終わりましたよ」
「あ!お疲れ様です~!」
なんだよ、無邪気で健気な笑顔をしやがって。
俺という童貞には眩しすぎるんだよ畜生…!!!!
「そういえば、冷蔵庫に野菜が入ってなかったのですが…どこに置いてるんですか?」
あぁ、そういえば…冷蔵庫の野菜全てを先週全部捨てたんだよなぁ…。
だって使いきれないし、夏場だから腐るのも早いし~。
そこに虫が集って地獄だったんだぞ???
肉は冷凍して何とかできるけど…野菜は調理も面倒だし使いきれねぇんだよなぁ。
「野菜は…あまり冷蔵庫には置いてなくて、使い切りのカット野菜をコンビニで買う程度なんですよ…」
よしぃ…上手く切り抜けられた。
流石に、初対面の人に【野菜全部捨てた人間】と認知されるのは精神にもくるわ。マジで。
「それは困りましたね…今からコンビニに行って…」
あ、もしかして今からコンビニに行こうとしてらっしゃる???
いや、俺は良いけど…流石に貧乳少女が深夜に街の外へ繰り出すのは、絵的にもまずいし…。
何よりここ最近は付近でも犯罪や事故が多く発生してるから、危険が多いかもしれないのが俺的見解。
あ!そういえば!
「そういえば、実家から送られてきた段ボールの中に芋の類があるので…良ければ使ってください!」
玄関にある段ボールをズルズルひこづりながら、中を見せてあげた。
というか…俺も中身を初めて見た。
親からのLIMEで家で採れた芋類を送るって来てたから…それで知ってただけだけどな。
「わぁ、立派なジャガイモですね!!とても太くて大きい…」
やめろぉ!?!?
そのワードチョイスは下腹部に響くから。
頼むから、ロりボイスでそのワードを口走らないでくれ…!
ってか、最早わざとやってるだろ!!!
「それじゃあ、アレを作りますね!机を綺麗にして、ゴミを収集場に持って行って待っててくださいね♪」
要所要所で俺の母らしくなるのやめて欲しい…切実に…。
俺だ。神果みかんだ。
どうやら最近、不眠症になっているようだ。
そのせいなのか分からないが…浅い眠りが毎日続いていて、頻繁に夢を見るんだ。
見ていたい夢から覚めたくない気持ちがあって2度寝・3度寝をしてしまう事もあるからさ、少しは自分の生活習慣に気を配っていかないとって戒めるここ最近。
覚めたくないような夢を現実にしたいと思うのも事実。
それじゃ。