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#12 俺の天国。

#12 俺の天国。

一生、夢の中で過ごしていたい。

そして、幸せを感じているまま死にたい。


いつまでも自分の想像する世界で、甘い蜜に浸って過ごせれたら…それ以上望むものなんてない。

俺はもう、あんな世界に居たくないんだ。

いつまでも報われず、救われず、傷つけられて、痛みに耐えて…自分を傷つけられる事は簡単な癖して、死ぬことが叶わない。

希望を持たせてくるのに、永遠に血を舐めさせられるような世界…。


そんな世界に居て何になる?

頑張って生きた結果、手に入るのは≪働ける権利≫

傷を庇いながら生きる結果、手に入るのは≪更に多くの傷≫

欲を叶えようと生きる結果、手に入るのは≪更なる欲≫

心が満たされないまま生きること、精神を傷つけながら、傷つけられながら生きることに、何の意味があるのだろうか?


俺は自分の欲を満たせれるなら、どんな事でも良かった。

昔から好きなものが無くて、嵌れるものも無かった俺はどんなものにも手を出してきた。

いつか、自分が永遠にやっていても飽きずに、心を満たしてくれるような事柄と巡り合えると信じて…。


でも、何をやっても長くは続かなかった。

その度に増えていく玩具、道具、楽器に溺れて、虚無を感じるようになった。

飽き性な自分が悪いと責めて、また違う何かに手を出していく。


何時しか俺に恋人ができた事もあった。

大好きな彼女から呼び出されれば、いつでも家に向かった。

言われれば、抱き枕をしてあげた。

言われれば、ポッキーゲームもしてあげた。

励ましたり、励まされたりと…ずっとずっと甘い甘い時間を過ごしていった。。。

これからも…そんな無償の愛で俺の心を埋めてくれるんだと…そう思ってた。


だけど。

別れは突然訪れた。


カラオケに大人数で行って、俺も彼女も参加した時の事…

俺が後ろを一人で歩いてた時に…別の仲良い女性が俺に声を掛けてくれた。

だけど、彼女は他の男と楽し気に話してて…見ていられなくて…。

それを一つ不満に思いながら帰宅すると…


【私たち、別れよう】


の文字が送られてきていた。

理由も教えてくれなくて、何度も何度も


【何で?俺が何か悪いことをしたか?】


って返した。

でも、返事は


【今でも好きだけど、ごめん】


の一点張り。

それに激怒して、正気を失っていた俺はすかさず


【別れるんだったら、言わしてもらうけど】


という文字から始まって…

長き文に渡り、彼女と付きあっていた時に生まれた不満を一気に解き放った…。


そして俺が一文字


【さよなら】


と送って、俺は一つの恋を終えた。


結局、俺も彼女も傷ついたまま。


最悪のエンドロールで幕を閉じた。


でも…愛し合った数か月間は、明らかに世界で誰よりも幸せだったと思っている。


俺は無償の愛をもらえれば…それだけで生きていける。

そうでもしないと…過去の事とか、今の事とか…考えたくなくても考えてしまうから…。

共依存で破滅できるなら、それで構わない。

そもそも俺は


もう、生きていても意味ないんだから。



…そんなこんなで、今俺は宮殿へと続く道筋レッドカーペットを歩いている。

ここが死後の世界だろうか…?

やっと俺…死ぬことができたんだなぁ…。

周りには、白い天使型の彫刻が並べられていて、目の前を絵にかいたような大きな噴水が出迎えてくれる。

彫刻の下から後ろに広がる、色とりどりのお花畑…。

綺麗…以外の語彙力を掻き消すほどの豪華絢爛な庭園を見ながら、見上げる程大きな白い宮殿へと向かう。


ここが…天国…。

俺がずっと望んでいた幸せな夢…。

違う、夢のような場所…。


目の前にある、宮殿の扉が開く。

すると、細微までに豪華な飾りが施されているような煌びやかな内部が目に映る。


「お帰りなさいませ、ご主人様」


声のする方を向くと、黒と白をを基調にしてスカート部分がフリフリのメイド服を着た女性が道筋レッドカーペットを挟んで両横に並んで立っていた。

しかも、俺がゲームやアニメで推していた嫁がメイド姿をしてる…!!!!!


最高か????

やっぱり死後の世界は違うなぁ…!!!

疑って悪かったよ神!


メイドなら、どんな命令でも従ってくれるんだろぉ?

いやぁ困っちまうなぁ、でも仕方ないよな!!

この宮殿の主ですから!!!


っお!このキャラクターも居るのか!!

この子はツンデレヒロインだから、自分で堕としてみたかったんだよね~!


おぉ~最推しの嫁来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!

今すぐ抱き枕のように抱いてあげたいけど…くっ…もう少し待っててくれよな…!


あれ?この子は…?


「ご主人様ぁ♪」


…?

どこかで…見たことあるような…?


「ご主人様ぁ~♪」


しかも…この声も、聴いたことが…?



「起きて~、ご主人様ぁ~♪」



「っは…!?」



何だ?何が起きたんだ?

さっきまで…幸せな夢を…って


「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」


「あっ、ご主人様~おそようございます♪」


…状況を整理しよう。

今俺は、パチリと目を覚ましてグッドモーニングな朝を迎えようとしていた。

それなのに‥‥目の前には俺のデリケートゾーン付近に座って、ガチ恋距離で接近してくるロりが一人…。


「こんなに立てちゃって~、夢でナニをしてんたんですか~?んっ…」


しかも何かしら喘いでて…よく見れば、、メイド服…?を着てて…。


「も~、アレが当たってますよ~。昼間から人間の神秘に触れ合うなんて~♪」


うん!!!!これは…マズい事だけは分かる!!!!

今すぐどかさねぇと!!!!


「ひゃん!?も~、朝から元気ですね~…」


「す…すみません、お怪我は無いですか?」


「大丈夫ですよ~♪悪者は私なのに、それでも心配してくださるのですね~♪」


「当たり前ですよ…でも、こんな事は辞めてくださいよ!俺も一応男なんで、絶対安全じゃないんですよ!」


「じゃあ…危険な事もしてくれるんですか?」


「‥‥っ…」


「フフッ♪冗談です!」


全く…このロりは、何考えてんだか…。


「それでは、ご主人様の為に昼食を作りますね♪」


…ん?待てよ?

何で彼女はメイド服を…?

スゥーーーーー…あのメイド服…見覚えが…。


あれ、俺がアマゾネスから買った、コスプレ用メイド服じゃねぇか!!!!

って事は…。


やっぱり!タンスが開けられてるぅぅぅぅぅぅ!?!?!?!?!?!?!?!?


はぁ…エ二メグッズも隠してあるの…モロでバレてんじゃん…。


まぁ‥‥いいや。

バレたのが彼女なだけマシかもしれん。


そう思うことにしよう。


そう思ってないと、生きていけれんわ。

壊れた心は

  元に戻らない。

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