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命の短き子

作者: 常満

 その燕には生まれた時から翼がなかった。

 親鳥が餌をとってくるのを待つ間に兄が羽ばたく練習をしている最中何もすることがなく、ただ何もせず飛べない悲しみを心に抱えてじっと待っていた。そのうちに兄が巣立ち、一か月が経った。親はついにその子を見捨てどこか遠くへ旅立っていった。残された子は仕方なく初めてその巣から出て食べ物を探した。だが簡単に見つかるわけもなく、その燕は死を覚悟した。その時、燕は世界を呪った。

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