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消えない思い  作者: 樹木緑
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第3話 帰郷2

パリ=シャルル・ド・ゴール国際空港は作りが一風変わっていて、とても広い。

さすがファッションのパリと言うか、空港の中までも、ブラント点がずらりと並んでいる。

出発の時間まで少し時間があるので、両親に頼まれたマカロンのお店を探しに行く。


マカロンとはフランスのパティスリーで、フランスの代名詞と言える洋菓子。

フランス版もなか?

色取り取りの小さな円型の、もなかのような物の間にとても甘い餡というか、ジャムと言うか蜜というか挟んである。


余りにも甘すぎるため、僕の口には会わないけど、フランス土産としてとても人気がある。

僕も親戚一同や、お世話になった方々の為、何箱か買っていく予定でいる。

空港内をウロウロしていると、マカロンのお店は割と簡単に見つける事が出来た。

やはり一番に目に入ってくるのが、バラエティーに富んだ鮮やかな色。

色を選んで詰めてもらうのも楽しいが、選ぶのに時間がかかるので、すでにパックになっているものを選んだ。


そうこうしているうちに、搭乗案内のアナウンスが流れてきた。

「OO航空、東京行き12便にご搭乗のお客様に、ご案内致します。

間もなく、機内へのご案内が始まります。

お手持ちのチケットをご確認のうえ、3番ゲートでお待ち下さい。」


国際空港に居ると、色んな国の言葉でアナウンスが流れてくる。

どんなに長い間外国にいて、その国の言葉が理解出来ても、日本語で聞くアナウンスは外国語

のアナウンスの網ををすり抜けすんなりと耳に入ってくる。


お金を払って僕の後ろに立つ小さな存在に目を向けた。

「僕達の乗る便だ。陽ちゃん、飛行機がそろそろ出発するからゲートで待ってようね。

お祖父ちゃんも、お祖母ちゃんも陽ちゃんに会えるのすっごく楽しみにしてるんだよ。

ずっと会ってなかったから楽しみだね~。」

黒髪のクリクリとした巻き毛をした男の子は、目をパチパチさせながら、

「ねえ、ねえ、かなちゃん、これからはずっとニッポンに住むの?

僕…本当に大丈夫かな? 僕の日本語変じゃない?」と不安そうに聞いてきた。

「大丈夫だよ。陽ちゃん、すっごく日本語上手だよ。いっぱい勉強したもんね。」

そうしていると、また日本語で空港内放送が流れてきた。


「OO航空より東京行き12便にご搭乗のお客様にご案内致します。OO航空東京行き12便にご搭乗のお客様は3

番ゲートよりご搭乗下さい。繰り返します…」

どうやら飛行機への登場が始まったらしい。


「あ、いそがなくちゃ。陽ちゃん行こう。」

そう言って陽一の手を引いて搭乗口まで急いだ。

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