助けられた先で
ガタンゴトン
ガタンゴトトトン
不快な揺れ?により目を覚ます
「ここは?」俺は声を出す
すると、少し離れた位置から声が聞こえた
「目を覚ましたか?」
声の方を見やると御者台に乗った男が振り返ってこちらを見ていた
青髪青目のロングヘア‥女に見紛う程の美しさだ、頬の十字の傷と白いシャツの隙間から見える鎖骨と鍛え抜かれ絞り込まれた胸元が見えなければ、だが
「え?誰?」
男は質問には答えず別の説明をした
「お前は、道で倒れていて、賊に攫われそうになっていた‥そして俺が助けた」
「へ?」
賊にさらわれたっていうか刺された筈なんだけど
確か、俺は後輩くんと一緒にいた所を後ろから女に刺されて‥
「これは救急車?じゃないよな‥」
と俺が独り言の様に言うと
「救急車?なんだそれは?」と青髪のイケメンが答え
ここは外国なんだろうか?青髪青目の男がコスプレだとしても、馬車まで用意するのは変だ
「いや、だから、ピーポーピーポーって言う赤と白の‥」
と説明しようとすると男が険しい顔つきになり
「ピーポー?赤と白‥あいつか!どこにいる!?」
と大きな声で俺に聞いてきた
「いや、あの、いるっていうか?俺みたいな人を見つけると駆け付ける」
「駆け付ける‥たしかに、お前の様な子供をみたらアイツは急いで駆け付けるな」
「子供?俺は、もう充分大人だけど?」
そう俺は充分に大人だ女性経験はなく魔法使いになっていてもおかしくない程には‥
「フッそういう年頃か‥まあ良い、お前名前は?」
年頃?まあ、あの狂気のストーカー女から助けてくれた命の恩人に名前を聞かれたら素直に答えておくか
「志賀‥それと助けてくれて、ありがとう」
「気にするな‥それにしてもシガーか創造神と同じ名前だな」
と笑顔で答える外国風イケメン
やはり、どこの場所でも、ありがとうごめんなさいが言えれば大丈夫だな。
それにしても、シガー?なんて神様いたっけ?シヴァとかなら知ってるけど
「とりあえず、水でも飲もう、そこに泉がある」
そう言って男は馬車を停めると
降りろと、顎で俺を促した
「サヌーキ山の湧き水で出来た泉だ‥ここの水は綺麗だから飲める」
サヌーキ山?知らない山の名前だな?
あと、俺は池袋にいた筈なんだが
なんで、こんな自然豊かな場所に?と思ったが
喉も渇いていたので俺は馬車から降りて泉へと向かう
確かに綺麗そうだキラキラと太陽の光を反射している
今まで気づかなかったが大きい富士山の様な山を泉が反射している
その美しさに惚けているとボトッと何かを落とす音が聞こえた
音の方に振り向くと俺と同じ様に惚けた様に馬車から降りた男が水筒を落として俺を見つめていた
男は俺の視線に気づくとハッとして
「ゔ、うん」
と何かを誤魔化す様にわざとらしく咳をして
「早く、水を飲め!追っ手がくる可能性もある」
と言った
追っ手?何のことだ、まさかストーカー女の事だろうか?
あの女から逃れる為に、こんな山奥?に?
何のことかよく分からないまま、俺は喉の渇きを潤そうと泉に向かってしゃがみ込んで呆然とした
なんだ?この超絶美少年は?
泉の中から俺を見つめていたのは
銀髪、碧眼の絶世の美少年だった‥