---眠い--- 第2話
夏のショートホラー!?
これは「kaze to kumo club」のオリジナル作品です。
とても短いショートホラー作品で
夏のショートホラー!?
---眠い--- 第2話
著作、ルシファー16
「あなた! 起きてよ! あなた!」
家の異変に気づいた法子は、
当然の事のように夫のもとへ向っていた。
しかし、夫は、いくら……ゆすっても起きない。
「あなた!のんきに寝ている場合じゃー……」
言いかけた法子の目が見開いた。
夫がひからびている。
ミイラのように……。
「ぎゃあーああああぁー!!」
法子はその場を飛び退いた。
足は震え、ひたいに冷や汗がダラダラと流れはじめる。
身体中がガタガタと震え、きゅうに手足が重くなった。
「な、なんなの? これは……?」
突然、法子に睡魔が襲った。
眠い!
ひどく眠いのだ。
その上、からだが動かない。
これはおかしい。
なにかがいる。
法子は、ほんのうてきに、そう悟った。
「た、助けて……、誰か……」
カサカサカサ……。
また、あの奇妙な音がする。
重いまぶたをなんとかこらえながら、
法子はその音の方を見た。
それは明らかに……夫の死体から出て来た。
彼の、無数の毛あなから……、
そうだ!
しかばねにある、すべての細胞から、
にじみ出てくる、いような黄色の糸。
その糸が、
空中で……こすれるように絡み付き、
なにかの形になろうとしている。
「…なに……??」
法子はどんどん眠くなり、
きいろい糸たちがゆっくりと
自分のほうに来るのを感じていた……。
第2話、終了です。
次回をお楽しみに……。
一読、ありがとうございました!
今後も、「kaze to kumo club」のオリジナル作品をよろしく
お願いいたします!