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第24話 『サクラメント』

 ロザリーの幼少期の故郷、東ローランド。

 この一帯は、北に海を隔てた魔法大国アルテミス、そして東に地続きの隣国、中立国家ロンデニオンとを結ぶ場所にあり、かつては交易の中継地点として栄えた土地であった。

 かねてからこの地を治める地方領主ルドルフは、わずかながらの奉仕と引き替えに定住した旅人達や移民などに農地を解放し、長きに渡り人々に平和で安定した暮らしを約束した。


 しかしガーディアナの統治が始まると、安い土地目当てに人口増加に歯止めが掛からないガーディアナからの移民が大勢押し寄せた。そしてあらゆる場所に砦や教会が建てられ、その負担は領主ルドルフをはじめとするローランド人達が背負わされる事となる。

 その手始めに、全ての作物は神による恵みであるとして、領主には収入の半分を教会へと支払わされる二分の一税が課せられた。これは本国ガーディアナのおよそ五倍にものぼる額。もちろん、生活の上で科せられる租税はさらに多岐に渡る。

 農民は働けど働けど、やせこけていくばかり。業を煮やした領主は教会へと抗議に向かうが、逆にそこで人質とされてしまう。それからこの一帯は、教会によるさらなる支配が行われるようになった。


 頼りの若者は奉仕という名目で隣国との境にある砦へと徴兵されるか、女性ならば修道女として聖職者や兵士達の世話係にさせられる。もちろんそれは、ある時には欲望のはけ口ともなった。


 もはや老人達には、逆らう気力すら残されてはいない。今という時をただの屍ように生きているだけだという。

 そんな話を、ロザリー達は嫌と言うほど聞いて回った。踏みにじられる弱者の気持ちなど、力で抑えつける者達に分かるはずもない。むしろ、愚かな人民をこうして生産的に導いてやっているのだという驕りしか、そこには感じられないのだ。


 そんな現状を変えるだけの力を持つ者など、脅威であるがゆえに異端とされた魔女以外にはいない。ガーディアナからのローランド解放に対するロザリー達の義務感は、日増しに強くなっていくのだった。







 寒村オルファに、いつもの朝が訪れる。これは、貧しくとも慎ましやかな暮らしにも慣れてきた、そんなある日の事。


「ふんふんふーん、はんははーん」


 ティセはその技能を生かし、隣のおばさんの仕事を手伝う事になっていた。これはそれぞれがこの村で出来る事を探した結果だが、積極的というより、やりたくない仕事を避けただけと言うのが実情だ。

 なぜか、機織りの機械をまるで自分の手足のように巧みに操るティセ。即戦力の彼女は、もうすっかりこの職場に馴染んでいた。


「ティセちゃん、お疲れ様。今日はもう上がりよ。いつもお仕事手伝ってくれてありがとうね」

「あ、もうそんな時間か」


 顔を上げたティセの周りには、すでに婦人達が集まってきていた。終業間際に行われる、恒例の井戸端会議である。


「ねえティセ、あなたが余り物で作った服、とても評判がいいのよ。いつもボロばかり着てる主人も気に入ってくれたわ。若いのにたいしたものよねえ」

「まあね。昔、ちょっとやってたから」

「裁縫も丁寧だし、何よりセンスが良いのよね。これはちょっとした才能よ」

「あはは……ただの趣味が、まさかこんな事に役に立つとはね」


 ティセは照れたように笑う。まさか、幼い頃に魔法少女のコスプレ衣装を自前で作っていたなんて事、とてもではないが言えなかった。その出来は見事の一言で、競売にまで掛けられては一財産が動くほどだったという。


(着られなくなったやつ捨てようとしたら、もったいないからってママがオークション開いたのよね。その結果、結局どこかの誰かが無理してでも買うから、なんか悪い気がして作る事自体やめちゃったんだっけ……)


 ただ、やっぱり服を作るのは純粋に好きだ。座りっぱなしで多少辛いが、この仕事はティセにとって最近の楽しみの一つだった。


「でもさ、今日はいつもより早くない? これから何かあるの?」

「ええ、午後から司祭様の視察があるのよ。早い話、今月分の取り立てね」

「そっか。アタシ達の作った分も、全部取られちゃうんだっけ」


 出来上がった織物の束を見て、ティセは溜息をついた。ここへ来て、ずいぶんと(はた)を織った気がする。物としては上等なはずだが、これでだけやってやっと一月、ここで暮らす権利が得られるのだ。


「ほんと、押しかけ強盗みたいなもんよね。罪に問えない分、たちが悪いわ」

「まあ、こればかりは仕方のない事だもの。はい、あなたにも今月分のお給料払っておくわね。本当にお疲れ様」

「あ、ありがと」


 ティセはそれを受け取るかどうか迷ったが、ここは受け取っておく事にした。それがこの人達の、仕事というものに対する誇りなのだから。


「それとティセ、司祭様が来る間、あなた達はどこかに隠れていなさい。彼らにとっては不法滞在のようなものだし、もし見つかったら大変よ」

「大丈夫、この村で騒ぎを起こすつもりはないから。やっぱり、ちょっとムカつくけど」

「それを聞いて安心したわ。最近、村の離れに街から来た親子が隠れ住んでるみたいだけど、あの人達も大丈夫かしらね……。なんだか人間不信になってるみたいで心配だわ」


 そんな不安げな呟きを最後に、ティセはおばさんと別れた。彼女から貰ったいくつかの銀貨が、その掌にほんのりとした暖かさを伝える。


「お金、か……初めて外で稼いだや」


 これが本来の人の営み。何者であろうとも好きに蹂躙していいはずがない。ただこみ上げる怒りに、ティセはその拳を握りしめる事しかできなかった。






 一方、体の方もすでに回復し、おじさんの農作業を手伝っていたロザリーとパメラ。その荒れていた畑には、汗水を流した成果が確かに実り始めていた。


「嘘のようだ……この枯れた土地でまだ、こんなに作物が育つなんて。これでまた、今月も乗り越えられる」

「はい。諦めなければ、実るものです。努力も、作物も」

「それもこれも、頑張ってくれたロザリーのおかげだ。それと僧侶様、あなたはロザリーだけでなく、この村をも救ってくださった。なんと感謝してよいか」

「うう……また、その話するの?」


 おじさんはパメラの手を握り、何度も何度も頭を下げた。対するパメラというと、なぜか少し涙目である。


「そう、あなたの体を通して生まれる力が、この奇跡を起こしたのです。おかげで麦は茂り、色とりどりの野菜も生り、果ては果実まで実った。まさに神の恵みと言うより他はない!」

「そうだそうだ! あんたは大地に恵みを与える、豊穣(ほうじょう)の女神様だ! 女神ローリエ様、万歳!」


 その場にいる小作農達も、声をそろえてパメラを讃えだす。ローリエというのは、この国を興したとされる豊穣の賢者の名前である。


「ねえロザリー……私、ただおトイレしただけなのに、なんでこんな事になっちゃったのかな……」

「ごめんなさい……私達の分も、肥やしに使えると思って……」


 事の発端は、あのくみ取り式のトイレであった。それをロザリーが肥やしとして村に提供したところ、人々は奇跡を見た。なんとそれは、どんな作物も一日で発芽し、病気もなく立派に育つ肥やしだったのだ。


「ロザリーを治すために、たくさん食べたせいで……もう、責任とってよう」

「本当に悪かったわ。まさかあなたの力が、アレにまで残っていたなんてね……」


 そう、後に一人一人のもので実験した結果、中でもパメラのものだけがとてつもない生命力を持っていたらしい。彼女のそれは悪い菌を殺し、発酵を促し、土に栄養を与える、まさに黄金の肥やしとして村中の注目を集め、こうして崇められるまでに至ったのである。なんとも、パメラでなくても泣きたくなるような話だ。


「それで僧侶様、次の肥やしは、いつお生まれに?」

「きっと貢ぎ物が足りないんだ。俺達の分まで、僧侶様にたくさん食べてもらった方がいいんじゃないのか?」

「それはいい。その方が結果としてこの村は豊かになる」


 すると、農民の一人が何かを思いついたように顔を明るくした。


「そうだ! 黄金の肥やしにあやかって、肥やし祭りを開こう。村のみんなで、僧侶様のお通じを願うんだ」

「そうか、長年祭りなど開いてなかったもんな……。よーし! それでは豊作を願って、一本締めならぬ、一本(じり)とまいりましょう!」


 彼らは示し合わせたかのように突然パメラ達を取り囲み、作業着を脱いでふんどし姿となる。


「きゃっ!」

「それでは皆様、お尻を拝借、よーお! ペペペンペペペンペペペンペン! ハッ!」


 農民達は掛け声に合わせ自分の尻を突き出し、おもむろに叩き出した。その際くるくると周囲を回っては、だんだんとパメラへ近づいていく。迫り来る男達の尻に囲まれた、少しばかり異様な光景である。


「さあ、僧侶様もご一緒に!」

「ええ! 尻を出すと、より効果が!」


 その勢いに流されたのか、パメラはスカートを少しだけたくし上げた。


「うう……、ぺぺぺん、ぺぺぺん……」

「おお、力を感じる! 田畑を覆う、(こう)うんの力を!」

「ちょっとパメラ、あなたまで何してるの!?」


 一緒になって恥ずかしそうにお尻を叩くパメラ。ロザリーはチラ見しながらも突っ込まずにはいられない。


「だって、やらないと悪い気がして……」

「だからって無理してやらなくてもいいのよ……。あなた達もいいかげん変な事はやめて!」


 パメラはこう見えて恥ずかしがり屋さんだ。さすがに見かねたロザリーによって、その謎の儀式は中断された。


「邪魔しないでくれ! これは神に祈りを捧げる神聖な儀式であって……」

「神なんてどこにいるの? もしいたとしたらローランドもこんな事にはなってないわ! あなた達もあなた達で、いつまで自分達を犠牲にし続けるの? パメラに貢ぎ物なんて馬鹿げた事、やめてちょうだい。私達とガーディアナを一緒にするつもり?」

「はっ……言われてみると、確かに……」


 そこで初めて男達は正気に戻った。彼らはあまりに長い搾取(さくしゅ)に晒された事によって、まるでそれが当たり前の事のように信じ込まされていたのだ。


「貧すれば(どん)する。ろくに食べるものも食べないと、人はおかしくなるわ。いや、それが奴らの狙いでもある。だからこそ私達は手と手を取り合って、みんなで豊かになるべきよ。私はね、誰かから物を奪ってのうのうと生きる人達より、泥にまみれて何かを生み出しているあなたたちの方がよっぽど偉いと思うわ。だから、もっと胸を張ってよ!」


 ロザリーのその言葉は、いつしか誇りを失った男達の心へと恵みの雨のように降り注いだ。そして何より荒涼としていたのは、自分たち自身の心である事に気づかされる。


「……すまないロザリー、俺達がどうかしていた。ただ、村のみんなが生きていくには、藁にもすがるしかなかった。だがそれがもし、黄金だったとしたら……。僧侶様、みんな、あんただけが希望だったんだ。どうか許してくれ……」


 おじさんは涙を流し謝罪した。その祈りが通じたのか、お通じが通じたのか、パメラもようやく前向きにうんちをする事を受け入れるのだった。


「……うん。少し恥ずかしいけど、私も、みんなのために……うんち、頑張るね!」

「僧侶様……」


 こうして第一回肥やし祭りは中止となったが、結局パメラは緊張やストレスから、しばらく便秘気味となったという。このことは「欲はミを失う」という教訓として、長らく彼らによって語り継がれたとかいないとか。






「とーりゃんせ、とーりゃんせ」


 か細い声で奏でられる童謡が、森のざわめきへと消える。今回新しく加わったもう一人の仲間、忍者サクラコもまた、お世話になった村のために働いていた。

 高い身体能力を持つ彼女には、早速村を警備する仕事が与えられた。特に今日は教会からの視察があるという話で、いち早くその到着を村に報せなければならないのだ。


「よし! この道は異常なし! あの道も異常なし!」


 彼女は故郷でも見回りが仕事だったらしく、すっかり板に付いている様子だ。そんな任務の中でも、一つだけ気になる事があった。それは宿敵、禍忌(まがき)ザクロの安否。


「あの道は、桜の木の方面……。ザクロさん、大丈夫かな……つい、全力出しちゃったけど」


 あれだけしつこかった彼女もしばらく現れてはいない。それだけ自分の奥義による傷が深かったという事だろう。だが完治したとしても、おそらくもう襲われる事はないはずだ。長年の付き合いから、なぜだかそれだけは確信できる。もう、自分は「下」ではないとはっきり示したのだから。

 しかし離れてみると、あの独特な体臭が近くにない事に一抹の寂しさも感じた。常にそれを察知しては、彼女から逃げ続けていたほどである。すでに生活臭の一部と言ってもいい。


「ん……このにおいは……」


 犬のように鼻の良いサクラコは、澄んだ空気の中にかすかに漂うザクロの残り香を嗅ぎ分けた。警戒心と共に辺りを見渡すと、道の端にある物が落ちている事に気づく。それはなんと、旅の途中でだまし取られたはずの自分の巾着(きんちゃく)袋であった。

 慌てて中を覗いてみると、確かにわずかながらの全財産が入っている。そこには共に、殴り書きの手紙のようなものも入っていた。


三途(さんず)を渡るには、ちと多い。浮世(うきよ)を渡るには、ちと少ない。されど外道に渡るには勿体(もったい)ない。……うそ、もしかしてザクロさんが、取り返してくれた……?」


 とするならば、彼女はこの旅の一部始終をずっと近くで見てくれていたのかもしれない。決着の地にここを選んだのは、あの桜の樹をせめてもの墓標とするためであり、あわよくば、それを止めてくれる存在にも気づいていたから……というのは流石に考えすぎだろうか。

 遠く遙かな故郷、イヅモへと向かう方角を見て、サクラコは一礼する。


「ありがとう……ザクロさん」


 サクラコはその袋に絡まっていた、動物の毛らしきものをつまんだ。白くてフワフワの、長さからしてかなりの大型犬のものだろう。確かザクロの愛犬も、大きな白い犬だった事を思い出す。おそらく傷ついた主人を見つけ出し、運んでいってくれたのだ。


「ふふっ、お互い、お犬様に助けられましたね」


 彼女の無事に安心するのも束の間、今度は様々なものが入り交じった、田舎とは不釣り合いなにおいがそちらから向かってきた。その先にあるのは、ガーディアナの小教区。だとすれば、間違いなく話に聞いた教会の連中に違いない。


「今日お見えになるのは、確か偉いお坊様のはず。でも、どうして……こんな」


 それはあまりに不吉な予感であった。なぜなら、金物や香木に混じり、そこからは血の臭いまでもがするのだ。どこかで、すでに何かがあったと考えるのが妥当だろう。


「みんなに、報せなきゃ……」


 高鳴る鼓動を抑えつつ、サクラコは疾風のように村へと駆け戻った。




************




「奴らよ……」


 ガーディアナの司祭が月に一度、多くの兵を引き連れ村々を視察する日。この日を人々は感謝の日と呼ぶ。そう、司祭はあくまで感謝という貢ぎ物を受け取るためにやって来るのだ。彼は現在この地を治める、実質的な支配者と言ってもいい。


 村の人々は貢ぎ物が終わると通路脇に頭を垂れ、厳しい審査を合格し司祭達が行き過ぎるまで待つ。その様子はまさに異様の一言。ここへ来たばかりのサクラコなどは特に、異文化の風習に驚くばかりである。


「なんだか、大名行列みたいですね。さすがにここまで酷くはないですが……」

「ホント、何よあのジジイ……偉そうにふんぞり返って」

「本当に偉いんだよ。司祭……。あの地位につくには、それこそ何十年もかかるの」


 パメラはガーディアナを軽んじるティセに、教会が長い時をかけてどう成り立っていったのかを説明し始めた。


「人は役職につくと、人としてというより、立場でものを考えるようになるの。ううん、そもそも、そういう人間しか必要とされないのかもしれない。以前は、私もそうだった。そうしなきゃ、自分には何も価値がないと思ってた。ガーディアナはそんな人の弱さを利用して、決して逆らう事の出来ない大きな仕組みを作った。一人一人が、与えられた役割をこなして、それ以外の事は何も知らされない。それはあまりに大きくて、私にも全体像は分からないくらい……」

「イヅモの幕府も強大ですが、どちらが大きいんでしょう」

「他国を支配下にまで置いているガーディアナとは、多分規模が違うんじゃないかしら。下手したら、イヅモでさえいつか属国になるかもしれないわ」

「そうですね……それを脅威に感じたからこそ、私は偵察に送られたんでした」


 サクラコはまだ、ガーディアナという国をよく知らないらしい。正しい知識は危険を遠ざける。パメラはここで、改めて自分達が相手にしている者達の事を話すべきと考えた。


「いい機会だから、私の知ってる教会の事を教えるね。知っておいた方が、みんなもあまり無茶な事を考えないと思うから」

「それは、どうかしらね……その多少の無茶を通せるのが、私達じゃないかしら」

「うん……分かってる。でも、無茶と無謀は、少し違うと思うの。……それじゃ、話すね」


 教会の全体的な仕組みとしては、大きく三つに分けられる。パメラはマルクリウスに教わった通りに解説した。


 まずは全ての中枢、ガーディアナ本国の勢力について。これは教皇を中心とし、その傍らに女教皇、その下にそれらを補佐する枢機卿、そして役人が政治を執り行う聖堂会と、それを裏で支える財界のトップ達。教皇の偉大なる居城(マグナ・アルクス)に訪れる事のできる彼らは生粋のエリートであり、かの国においても絶対的な高次元の存在とされる。


「教皇リュミエール、女教皇エトランザ、そして枢機卿マルクリウス。中でもこの三人が有名かな。それと、わた……じゃなくて、行方不明中の聖女ガーディアナもここに入るよ」

「えっ、行方不明なんですか!?」

「うん。きっと今頃、誰かさんのせいでお腹をすかせてるんじゃないかな。ね、ロザリー」

「そ、そうね。でも、そのどこかの誰かが作った美味しい料理を残らず平らげてるはずよ。おかわりまでして」

「むうー……」


 次に、侵略した各国を政治的に取りまとめる司教と、軍事的に取りまとめる司徒。中でも十二司徒と呼ばれる者達は現在あらゆる国々へと派遣されており、独自の軍を所有する事で実質、司教以上の権限をも持つという。生まれや育ちにかかわらず、能力があればこの職にまではつく事が可能。


「さっき言った四人と合わせて、ガーディアナの司徒は全部で十二人。そのほとんどが魔女と同じ特殊な力を持っていて、すごく強いの。できれば、あまり戦いたくない相手……」

「でも、いつかはぶつかる事になるわ。中でも……ローランドを滅ぼしたジューダス、あいつだけは、私が必ず倒してみせる……」

「ロザリー……」


 そしてその下には、各領地毎に上級聖職者である司祭がつき、洗礼、堅信、聖体、終油(しゅうゆ)悔悛(かいしゅん)叙階(じょかい)、婚姻などといった、七つの秘蹟(ひせき)や祭事を行う。さらにその下にも助祭や修道院、下級聖職者など多くの区分があり、ガーディアナがあまりにも巨大な組織である事を改めて示す。


「今通った司祭は、領主と同じかそれ以上の権力を持っていて、逆らうと宗教裁判にかけられるの。そんなのはまだマシで、こんな風にガーディアナの目が届きにくい所では、その権力を利用して悪いことをしてる人もいるって話を聞いた事があるけど……」

「血の通わない組織なんて、末端から腐れ落ちるものよ。特に、あの男が治めていたこの国ではね」

「うん。悲しいけど、これが今のガーディアナなのかもしれない……。みんな、聞いてくれてありがとう」


 一通りパメラの説明が終わる。それは理路整然としていて、思いのほか彼女の地頭の良さがうかがえた。そこに、珍しく黙って聞いていたティセが口を開く。


「確かによく分かったけど、アンタ、やっぱり詳しすぎるわね。本当に下級聖職者だったら、全体像なんて知らないはずなんじゃないの?」

「えっ、それは……」

「パ、パメラはほら、こう見えて上級聖職者だもの! だから神聖魔法で傷を癒やすのもお手の物なのよね。このくらい勉強していて当然よ!」

「う、うん。司祭と同じ、秘蹟を授けるくらいの事なら私にもできるよ。それに、祓魔師(ふつまし)っていう、光で悪い気を払うお仕事もしてたの。この仕事は色んな事を聞いて回らなきゃいけないから、それで覚えちゃった!」

「へえー、パメラさん、そんなに偉いお坊さんだったんですね。なむなむ」

「ふーん、それならいいけど」


 冷や汗をかいたロザリーに向け、パメラは、てへ、と舌を出す。

 もう……とロザリーは少し口を尖らせたしなめるが、可愛いから許した。そのガーディアナの頂点に位置するのが愛くるしい彼女であるなど、今でも少し信じられないくらいだ。


「つまり、あれが私達の相手。それも、そのごく一部という訳ね」


 ロザリー達はあばら屋に息を潜め、それらが通り過ぎるのを待つ事しかできない。


「……ったく、早く行けっての」


 行列もすでに後半に差し掛かる。司祭達の後ろには、農民達から捧げられた供物を載せた馬車や、新しく奴隷扱いとなるであろう若者達の姿が続いた。


「ひどい、あんな子供まで……」

「奴ら、好き勝手してくれるじゃない……」

「こらえて。今じゃないわ」


 ここで動けば村に被害がでるだろう。ティセはその言葉に、ただ頷く。


「必ず、この報いは与える。だから、今は」


 そう、彼女達はこの地を牛耳るガーディアナと戦う事にしたのだ。

 何よりもサクラコの加入が大きく、これによってロザリーの決意は確かになったとも言える。それぞれが一騎当千の力を持つ魔女による部隊。必ず、思い上がった傲慢な世界を崩す力となる。これは、その最初の一歩であると。


「若い女性もいますね。かわいそう……」

「え……、あれは……」


 次にサクラコが見つけた女性の顔だが、ロザリーには見覚えがあった。

 決して目立たないが、そこそこに美しい、ウェーブがかったブラウンの髪の少女。かつてこの国で魔女としての濡れ衣を着せられ、ロザリー達、逆十字によって救い出された彼女である。その強気だったはずの瞳はどこまでも陰り、前を歩くガーディアナの兵をただ静かに睨んでいた。


「そんな……あんまりだわ」

「知ってる人?」

「ええ。いつか、魔女狩りから助け出した子よ。父親と一緒のはずなのだけど」

「そう言えば、街から来た親子が隠れてるっておばさんも言ってたわね。くそっ、見つかったのか」

「何てこと……二度も捕まる所に出くわすなんて」


 ロザリーは彼女に不思議な運命を感じ、どうにかできないかと爪を噛んだ。


「まさか、あの時の血の臭いは……」

「どうしたの? サクラコ」

「いえ、少し、気になる事があって。あの、彼らを尾行するならお任せ下さい。彼女を助け出すなら、忍びである私が適任だと思います」

「そうね……」


 危険ではあるが、確かにその能力はこの状況にうってつけである。内部に潜入し、人質を解放する。心優しい彼女にこの役をまかせ、血を流す仕事は自分が引き受ければいいのだ。


「サクラコ、まかせても、いい?」

「はいっ! 道中に目印となるものを()いておきます。今晩、あちらで落ち合いましょう」

「決して一人で戦ってはダメよ。必ず、私達が来るまで待ちなさい」

委細(いさい)承知!」


 威勢の良い返事の後、サクラコは一瞬でいなくなった。そして木の葉の陰や枯れ木を巧みに利用しながら、つかず離れず尾行する。噂に聞く忍びの技に、皆関心しきりである。


「アイツ、こそこそ隠れるのは得意なのね」

「頼もしいじゃない。私達だけではきっと不可能な作戦も、彼女がいれば可能になるわ」

「うん……。やっぱりガーディアナの間違いは、私達が正さなきゃ」


 あまり乗り気ではなかったパメラも、ここに来てようやく決意を固めてくれたようだ。


「そんじゃ、一暴れする前に一眠りさせて。いつもの仕事で疲れちゃってさ。魔力って寝なきゃ回復しないのよ」

「ええ、夕刻には出るわ。私はいつもの日課をしてくるから」

「ういー」


 機織りの仕事もさることながら、生活の中でティセの炎にはずいぶんと助けられている。料理や湯沸かし、夜は明かりとして、肉体労働の代わりに文字通り火力となってくれるのだ。彼女の長持ちする炎は評判となり、近所でも引っ張りだこである。おかげで魔力が無駄に消費されてしまったというわけ。


「それじゃ、お留守番よろしくね」


 ロザリーはいつもの装備に身を包み、いつもの場所で素振りをするために出かけようとする。そこに、今回はパメラもついてきた。


「ロザリー、一緒にいこ」

「ええ。でも、あなたには退屈だとおもうけど……」

「ロザリーと一緒なら、退屈なんてないよ」

「ふふっ、私もよ」


 実は久しぶりの水入らずである。二人は手を繋ぎ、桜の樹跡地へと向かった。






「……枯れちゃったね、お父さんの樹」


 太い幹はそのままの姿であるものの、枝葉はすでに燃え尽き、今は見る影も無い桜の樹。パメラは自分の何倍もある樹を見上げ、悲しげにつぶやく。


「そうね。でも仕方ないわ。この樹がサクラコを守ったと思えば」

「まるで、本当にお父さんみたいだね。あ、もしかして桜の子供だから、サクラコちゃんって言うのかな?」

「ふふ、私もそうだけど、名前というのは言葉と縁を持つものよ。でも、確かに木の股から産まれたって言う言葉はあるわね。意味は違うけれど」

「それって、どういう意味?」

「色恋沙汰に興味がない人の事を、そんな風に言うのよ」


 まるで他人事のように言ってのけるロザリー。パメラはそれが、ちょっとだけ面白くなかった。


「でも、木だって子供を産むよ。木の実ってそうだよね。他には、木の子……あ、キノコって、木から生えてくるからそう言うのかあ」

「ああ、そうかもしれないわね。キノコ料理、逃亡中によく食べてた事、思い出すわ」

「うん……。懐かしいね」


 子供らしい発想で返すパメラに、相づちを打つたわいない会話。そして二人は旅の思い出へと浸る。その頃の二人はどこか刹那(せつな)的な感情に流され、よくキスをしていた事を思い出す。自然の中にいると人の世のしがらみなどを忘れ、どこか開放的になるのかもしれない。


((キス、しないの……?))


 ふと聞こえてきた言葉。パメラはそれに答えるようにロザリーへと寄りかかった。そして、桜の樹を見上げるロザリーを見つめる。

 その視線に気づき、ロザリーは少し笑った。パメラの情緒が鋭いほど伝わるのだ。


「するの?」

「する」

「もう……」


 二人はしばらくぶりの口づけをした。パメラは勢いよくつま先立ちで、ロザリーへと体重を預ける。それを全て受け止めてくれる、柔らかい唇へと。


「んっ、ふ……」

「ん……」


((……パメラ……、やっぱり……これ、好き……))


 かすかに流れてくる思考。パメラは安堵した。命に関わる危機に晒されたためか、ロザリーの力は徐々に元に戻りつつある。そして、その気持ちもすでに……。


「ふふ。ありがと……」

「照れるからお礼とかやめて」

「えへへー」


 パメラは嬉しくなって、くるくると舞った。そして桜の幹に抱きつく。ロザリーはその無邪気な様子を見ては、優しい笑みをこぼした。


――聖女様、やったね。ロザリー、すっかり元通りだよ。

(うん!)


 心の声が久しぶりに現れた。彼女も、ロザリーの力を奪った事をずっと気に病んでいたのだ。そしてこれは、聖女が自分の意思で初めてしたキス。そんな意味も込めての祝福であった。


――ねえ、わたしの再生の力は、生き物全てに使えるんだよ。その証拠に、あなたのうんち、すごい肥やしになったでしょ?

(それは言わないで! あ、でも、それって……)

――そう。だからこの桜の樹にも、使って見せて。ロザリーの、大切な樹。きっと蘇らせる事ができるはず。

「うん、わかった!」


 たまにパメラは独り言を言う。その度に、心に天使でも住んでいて会話でもしているのだろうとロザリーは思うことにしている。そう、何だって可愛いからいいのだ。


「ロザリー、見てて」

「ん?」


 パメラから暖かい光が広がる。全てを慈しむ光。桜の樹は、それを受け次第に新芽を芽吹かせ始めた。


「え……? これは……パメラの……」


 思わずロザリーはその名を口ずさむ。それは聖女であるパメラに向けてではない。幾度も自身を救った懐かしい光。その記憶の中のパメラへと向けて。


「じゃーん! ロザリー、見て見て!」


 振り向いたパメラは、満開の桜を背に笑っていた。


(パメラ……そこに、いるの?)


 それは、いつか見た光景に似ていた。一面の百合の花と、聖なる少女。もう二度と戻らない、どこまでも美しい記憶。


「ああ……だめよ、こんなの」


 ロザリーは泣いていた。桜の樹が戻った事による喜びも、かつてのパメラとの間接的な邂逅も、どこまでも無邪気な聖女も、この唇のかすかな火照りも、全てを桜色が包み、新たな記憶としてその胸を癒やす。


「ロザリー、泣かないで……」

「えうっ、う……!」


 パメラに抱きしめられ、ロザリーは溢れるままに泣いた。十七歳という多感な時期において、どこか我慢していた感情。いや、心を麻痺させ押し込めていたそんな感情を、聖母のような彼女の胸へと全てぶつけるかのように。


「あの子は、私にとって特別だったの……」

「……ロザリー?」


 意を決した独白。その潤んだ青い目は、いつもより深く沈み、どこまでも遠くを見つめる。


「パメラ。聖なる魔女、パメラ。私の事をいつも助けてくれた、かけがえのない子……」


 パメラの事は、これまでずっと言い出せずにいた。ガーディアナが関わっている以上、聖女であるこの子も責めているようで。けれど、知っていてほしかった。あの子によく似た、この子に。


「だけどあの子は、戦争で私の代わりに連れて行かれた……。そして気づいたの。自分の本当の気持ちに。私はずっと、あなたにあの子を重ねている……! それが、あなたに申し訳なくて、どうしたらいいか、分からなくてっ……」

「いいんだよ。今は、私をその子だと思って……」

「うう……うああ、パメラ、パメラぁ!」


――ロザリー……。


 心の声は絶句した。まさか、自分の遺したものが、彼女の中でこれほどまでに大きくなっていたとは。そして、それを叶えたくても叶えてあげられない自分。嬉しいはずなのに、素直に受け入れていいのか、何も分からなくなった。


――聖女様……ごめん。わたし、こんな時どうしたらいいか……。

(大丈夫。今は、私にまかせて)


 聖女パメラは心の声を落ち着け、その代わりに泣きじゃくるロザリーを抱きしめてあげた。


「ロザリー……本当は辛かったんだね。だけど、もう大丈夫だよ。これからはずっと、私が一緒だからね……」


 聖女は丸裸となったロザリーの魂に対し、パメラとしての言葉を放つ。すると、大粒の涙をこぼしながら、ロザリーは小さく笑ってくれた。


「ありが、とう……」


 いつもからは考えられないほどに力ない言葉。ガーディアナと命を賭して敵対するこの少女に、(カノン)は罰を与えるだろうか。例え与えたとしても、一人では受けさせない。あなたと私、そして……わたし。それらはいつも三位一体(さんみいったい)であると、いつまでも見守る桜の樹と、自分の中にもいるはずの神に誓った。


「主は、いかなる時でも見ています。救いの福音が、汝の御霊に降り注がんことを……」


 秘蹟(サクラメント)。それは聖女の力による、神の力の顕現。

 ロザリーは大いなる聖別を受け、その身をひととき聖女の下へとあずけた。


((悲しみが消えていく……。これは……この子と初めて会ったときにも感じた……いや、もっと昔、私が産まれる前の記憶……))


 二人の背後に浮かぶ、二つの幻像(スペクトル)。かつて、赤ん坊であったロザリーを聖別した、黄金の騎士ミラ。そして聖女を聖別した、黒の天使リゲル。それは、人々の信仰から外れ、いつしか虚ろな存在となった神々の魂。聖女の力を借り、それらが今ここに顕現したのである。


((ああ、私にも見える。確かに、私をずっと見守ってくれている存在が))


 ロザリーは宙を見つめ、奇跡を目の当たりにしている。つまり、今ならば起こせるのだ。夢にまで見て、ずっと叶わなかった奇跡を。


(ほら、今なら、ロザリーにもあなたが見えるかもしれない。お願い、会ってあげて)

――いいのかな……。わたし、ロザリーに会っても、いいのかな……。愛していても、本当にいいのかな……。

(いいの。あなたは、確かにそこにいる。魂という、確かな存在として)

――わかった……。でも、ロザリーを悲しませたくないから、少しだけ……。


 桜の花びらが舞う。それらは少しずつ形を変え、いつかの少女の面影をロザリーに見せた。


「あ、ああ……」


――ロザリー。ほら、笑って。ずっと泣いてちゃ、いやだよ。


 少し生意気な、くりくり髪の愛らしい顔。次第に薄れ行くその顔は、どこか微笑んでいるように見えた。


「だめ、行かないで……」


 ロザリーはそんなおぼろげな光を掴むも、その手には淡く色づいた花びらだけが残されていた。


――ロザリー、ここだよ。わたしは、ずっと、ここにいるよ。


「パメラ……」


 儚くも、生命力にあふれた桜。それはまさに、生きていた頃のパメラそのものであった。そんな彼女を育んだ祖国ローランドにおいて、その花言葉の意味するものは確か……。


「――私を、忘れないで《ヌ・ムビリエ・パ》……。最後に、あなたはそう言ったわね」


 ロザリーは残された花びらへと、静かに語りかける。愛する人の永遠を縛る言葉。残酷な、呪いの言葉を。


――忘れて、もう忘れていいの。お願い……もうあなたを悲しませたくないの。わたしは、近くであなたを見ているだけでいいんだから……。


 二人の間に、言葉までは通じない。けれど、ロザリーは読み取った。自らに嘘をつく、その小さな心の内を。


「いいえ、忘れない。絶対に忘れないわ。私達は、ずっと一緒よ……」


――ああ……。


 その、心から一番欲しかった言葉は、肥大化した自らのエゴすらも包み込んでくれた。叶わない愛を願い続ける事、それは不幸な事ばかりではないと、その時初めて肯定できた気がした。


――ロザリー……ありがとう……。ずっと、ずっと、大好きだよ。


 パメラは、その言葉を残し聖女の中へと消えていく。ロザリーは思わず聖女を抱きしめた。彼女はずっと、ここにいたのだ。自分が忘れない限り、自分が挫けない限り、彼女は共に生きている。確かにもう戻らないものもある。けれど、この子と一緒ならば、新しい世界を歩んでいける。それはきっと悲しみのない、希望に満ちた新世界。


「パメラ……もう大丈夫よ。わがままを聞いてくれて、ありがとう」

「うん……っ!」


 やがて、いにしえの神々は光の粒子となって消えた。

 運命を共にする少女達に、ただ一つ、希望という名の花びらを託して。






「ほーら、いつまで寝てるの。そろそろ行くわよ」

「うーん」


 夕刻、ロザリーはあられもない格好で寝ていたティセを起こす。この娘は王族のくせに寝相が最悪である。さらにサクラコが加入してからというもの、抱き枕のように彼女を使っているのだ。半裸で抱きつくティセに、いつも硬直した姿勢で身動きもできずに眠る哀れな子羊には同情を禁じ得ない。


「ふぁー、もう時間か」

「こんな時によく眠れるわね。ほら、サクラコが待ってるわよ」


 いつもの抱き枕がないため、彼女はなぜか(わら)を掴んでいる。(おご)れるものは藁をもつかむ。少し違うが、そんな言葉がロザリーによぎった。


「それにしても、今頃大丈夫かしらね、サクラコ……」

「うん、きっと大丈夫。もし何かあっても、教会内では殺生は禁じられているから」

「そっか、じゃあ、こっちも殺さなくていいんだ……」


 ティセはどこか安心したようにつぶやいた。

 そして三人はサクラコの示す道しるべを手がかりに、神徒達の砦へと向かう。


 誰も知る事のない、魔女達の初陣。ローランド解放の狼煙(のろし)はいま上がった。


―次回予告―

 かりそめの楽園へと潜入したサクラコ。

 そこで行われていたのは、洗礼という名の選別。

 全てから逃げ続けてきた少女は、やがて本当の強さを知る。


 第25話「制圧」

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