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第20章 孤独の魔女 134.帰郷

 コレットお抱えの馬車隊を連れ、砂漠を大所帯が歩く。その途中、ロザリーにアリアやメーデンを紹介しながら、パメラは色々な出来事を話した。


「ヴァレリアも、この日にイデアの塔に行くつもりだったんだって。偶然出会って、一緒に戦ったんだ。ヴァレリアがいなかったら多分上手くいってなかった。ディーヴァと同じくらい強くて、すっごく助けてくれたの」


 塔の屋上にて相対した時の事は話さない。あれはただの白昼夢だったんだと心に秘め、ロザリーの向こう隣のヴァレリアへと微笑みかける。すると、彼女は険の取れた少女らしい笑顔で答えてくれた。


「あの人ほど、私は強くありませんよ。ですが、すみません。私の身勝手な行動で、ディーヴァさんまで……」

「ううん。あそこで大軍が待ってるなんて、私達も考えてなかったから」

「ここから、とんでもなく大きな力を感じたわ。あれはディーヴァだったのね……」

「ええ……」


 ここからは難しい話になりそうだと、コレットが割って入った。クリスティアとディーヴァが不在のため、現在は彼女がいちおうのトップである。


「クロウの話だと、なにやら凄まじい力で敵を圧倒していたようですわ。まあ、あの方は規格外ですから、きっと大丈夫だと思います。何せ、わたくしが苦労してたどり着いた融合(ユニオン)すらも軽々と操り、さらに力を隠しているのですから」


「マレフィカの力……まだ、先があるの?」

「ええ。おそらく。ユニオンを操れるのは現在、わたくしとあなた、そしてパメラさんぐらいでしょうか。オブリヴィオを越えたリュカさん、ヴァレリアさんもその資質はあるはず。ですが、その先はわたくしも知らなかったほど、まったくの未知です」


「恥ずかしい話だが、我の知識にもない。禁忌、つまり、隠す必要があったのかもしれないな……。ディーヴァはそういう女性(ひと)だ」


 長年カオスを研究しているグリエルマですら知り得ない情報。彼女はあくまで研究者であり、マレフィカとしてはそこまで突出してはいない。いや、衰えていると言った方が正しいのかもしれない。


「我も、本格的に修行する必要がありそうだな。歳のせいか、今回はひどく疲れたよ」

「その年齢まで魔女の力は残り続けると分かっただけ安心ですわ。おそらく、子を産めなくなる辺りが、魔女の限界なのだとわたくしは考えています」

「ぐっ、痛い所を突くな。ああ、母や先祖はそうして力の消失を回避してきた。だが、子供か……」


 それっきりグリエルマは黙り込んでしまう。


「どうも子供についての話題は、禁句(タブー)になりそうですわね。それからもう一つ、触れにくい話題ですが……」


 コレットはメアについて切り出した。今は馬車の中、布をかけている。四肢をなくし、ボロボロな彼女は見せたくなかったのだ。


「そう……。まだ機械は一部だけだったからやり直せると思ったのだけど、すでに全身を……」


 メアの救出はロザリーとの約束でもあった。沈黙するパメラに替わり、ヴァレリアが口を開く。


「彼女へと止めを刺したのは私です。あの時の私は、どうかしていた……」

「でもっ、それはお姫さまを助けるために」

「いいんです。これは、私の罪」


 一部始終を見ていたメーデンがかばうも、ヴァレリアは首を振る。復讐鬼であった自分に、同情など必要ないと。


「ですが望みはあります。心臓部には、ただ、動力源の様な物が組み込まれていました。彼女をこう変えた人物とグリエルマさんの技術で、きっと甦るはずです」

「ああ、コレットの魂寄せもあれば完全だろう。マレフィカに不可能は無い」


 希望を語る仲間達。そんな暖かな光景に、ヴァレリアは高揚した。そして、思いを伝えるため一歩前へと歩み出る。


「私も、その戦いを手助けしたく思います。いえ、行かせて欲しい。私のこれからは、魔女を、いや、人を救うために使いたいのです。マリエルの望んだ英雄に、私はならなくてはいけない……!」


 マリエルの行方についても、その力が自分を救った事も聞かされていた。こんな自分を慕い、その身まで捧げたあの少女の思いだけは、無駄にしたくなかった。


 不器用な少女が見せた、誠実な願い。ロザリーは嬉しくなってヴァレリアの手を握った。急に心臓の鼓動が早くなる。


「その戦い、私も一緒よ。よろしくね、ヴァレリア!」

「お姉様……」


 ピンク色の顔がさらに赤くなり、しどろもどろになるヴァレリア。


「あっ、今のは無しです、ロザリーさん……」

「いいじゃない、私の方が一つ上だもの。好きなように呼んでいいわ」

「はうう……」


 ロザリーはヴァレリアを半ば強引に抱き寄せた。乙女の園育ちのヴァレリアにとって、少女同士の恋愛、“エス”という考えはごく自然なもの。はっきりとその心に大きく愛の火を灯す。


「ばか……」


 それを見て、パメラは小さくつぶやいた。かすかな横恋慕。あれは無自覚だから、そこに大きな意味はないと言い聞かせながら。


「あっ、あたい今なんだか胸が痛い」


 ここにも犠牲者は存在した。そんな事を正直に口に出すほどに恋愛経験に乏しいリュカである。純情すぎる彼女にとって、自分以外へとハートが飛び交う現場は毒だろう。

 ならば、と、パメラはこちらも当てつけるようにリュカへとスキンシップを持ちかけた。


「リュカ、疲れたね。おんぶしてっ! 私をおんぶすると、いいトレーニングになるよ」

「ああ、任せて。でも軽いなーパメラ、そんなんでよくイデアの塔を登れたよ。えらいえらい」


 完全密着。どうだ、と言わんばかりにパメラはロザリーを見つめる。


「リュカ、あなたもお疲れ様! パメラ式トレーニングはすごいのよ。超回復が瞬時に起きて、私もそれで基礎作りをしたわ。あ、そうそう、私もずいぶん良くなってきたから、明日久しぶりに組み手をしましょう」

「……う、うんっ!」


 あろうことか、ロザリーはリュカの好感度を忘れずに回収した。リュカはその一言だけで舞い上がってしまう。パメラは特大のため息がついて出た。


 そんな先頭の少し後を離れて歩くアリアとメーデンの二人。お互いに少しだけ、その気持ちがわかるような、わからないような、複雑な関係であった。沈黙に耐えかね、先にメーデンが切り出す。


「さっきからどうして黙ってるんですぅ? 聖女さま、あの方とずいぶん仲良くしてますが」

「うるさいわね……。言わなくても分かるわ」

「もしかして、間に入っていけないくらいビビってますぅ?」

「それはあなたが思っている事でしょう。人の気持ちとして代弁しないで」

「うぐっ! 私は、聖女さまの侍女なんです! 聖女さまが幸せならそれでいいのです」

「なら黙っていなさいよ……私は、間女のようなものだから、修羅場を避けたいだけよ。それに、もう彼女とはキスしたしね。美味しかったわ」

「ぐぬぬ……。聖女さまとの三位一体は私のものなのにぃ……」


 完敗であった。ロザリー、アリア、自分の順に不等号がついた瞬間である。本当は、その間に全ての登場人物が入り、メーデンとなる。そんな事実に絶望しふらふらと歩く彼女は、どんどん皆に追い抜かれ消えていった。


「めんどくさいわ……あの子」


 一つ上の女性だが、新しいおもちゃが出来たとアリアは振り返りながら意識的に好感を抱く事にした。

 するとすぐ後ろでプラチナを抱え、えっちらと歩くムジカが視線に入る。ざらついた後味の口直しがしたかったアリアは、その小さな天使へと話しかけた。


「無邪気でいいわね、あなたは」

「ン? なにが?」

「何でもないのよ。そのままのあなたでいてちょうだい」


 そんなからかうようなアリアに向け、ニコーっと返る笑顔。この天然記念物のような純粋な少女にだけは、自身の低俗な性欲も向かわない。性に振り回される彼女にとって、それは何よりの癒やしとなる。


「アオオ」

「どうしたノ? うん、もう、大丈夫だよ。ありがと、ぷらちな」

「ずっとムジカを慰めてくれていたのね。さすがは私の白いの。ほら、こっちよ、私にも白いの、ちょうだい」


 ムジカからプラチナを受け取り、アリアは胸の谷間に押しつけるように抱く。


「アウウ……」

「アリア、ヒワイだって、何の事?」

「ふふ、子供は知らなくていいのよ」


 フワフワの毛が胸をくすぐる。こっちはこっちでずっと部屋に飾っておきたいほどの可愛らしさ。本ばかりで殺風景な部屋も少しは女の子らしくなるだろう。しかし、部屋の模様替えなど必要ない事に気づく。もうあそこへは帰らないのだ。


「ふ、次のページを開いたのね、私は……」



 一同は懐かしの、といっても二日ぶりの集落へと帰還した。

 オアシスに近い集落では、コキュートスの二人組が子供達を連れて交互に水を運んでいた。どうやら人手が足りないようだ。


「おかえりー! 集落は、俺達が守ってやったぜ」

「もちろん、いくらか貰えるのよね?」

「こらっ、ご奉仕に賃金はありません!」


 サクラコの一喝。わーっ、と退散する子供達。

 あとは自分達がやると、兵士達は各自持ち場へと戻っていった。コレットはその様子に、あれこれと思案している。


「やはり上水道と下水道は必要ですわね……。工事にかかる費用は……」


 道中に聞いた、リユニオン計画についての独り言のようだ。拠点を移転させるため、こことももうすぐお別れだという。

 姫が上に立ってからというもの、組織としての発展がとみにめざましい。ロザリーは遠い地のクリスティアを想った。


「どんどん理想が実現していく。こんなこと私一人では、絶対に叶わなかった」

「何をいうのです。全て、あなたの手柄ですわ。胸を張りなさい」


 皆がうなずき、ロザリーを見つめた。そこに、ふんわりといい匂いが漂ってくる。ロザリーは照れくさくなって足早に食堂へと向かった。


「じゃあ、ごはんにしましょうか。ここのみんなとたくさん作ったから、百人分でも大丈夫よ。あ、でもムジカ、今回は一人で食べないようにね」

「うん! 大盛りでガマンする!」

「本当、いいお嫁さんになるぜ、ロザリー。……結婚したいなぁ」


 リュカの独り言。本気で言っている事を知るのはコレットだけである。


「何言ってるの、さ、みんな、手を洗ってね」


 テーブルには、よりどりみどりのご馳走が並んでいた。アンデッド執事の作るコース料理もいいが、やはり家庭的なロザリーの料理はまさにヘクセンナハトの味である。マレフィカ達も、兵士達も大喜びで食らいついた。


「おおお……」


 手抜き一切なしの料理群の迫力に、メーデンは一人圧倒されていた。もはやアイデンティティの危機である。


「ぐぬぬ、メイドスキルでも負けるというのですか……」

「悲しい独り相撲ね。あ、美味しい」


 アリアとメーデンは自然と端の方に座っていた。ロザリーは、そんな気後れしていた二人にも声を掛ける。


「メーデン、あなたがパメラの侍女ね。よかったら料理、教えて欲しいわ。あの子の好きそうなものとか」

「あへへ……ええ、もう、任せて下さい! 聖女さま専属メイド、このメーデンが手取り足取り教えて差し上げましょう!」

「よかった、ありがとう!」


 ロザリーが手をさしのべる。メーデンはそれを恐る恐る握り返し、二人は見つめ合った。


(なんてまっすぐな瞳……。溶ける、溶けてしまうー!)


 冷や汗がドロドロと流れる。聖女にはもちろん一流の料理人がついていた。自分の作ったものなんて、食べさせただけで不敬罪である。


(ハッ! そうだ、ここはわざと適当な料理を教えて、この人の好感度を下げるチャンスなのでは? ぐへへ、聖女さまの嫌いなニシンのパイでも教えて差し上げますよ……)


 そんな底の浅い悪だくみを考えている最中、突然ロザリーが膝をつき、目線を合わせようとしてきた。


(はわわ、この人、そう言えば考えを読む能力があるんでした!  っていうのも読まれて!? ああ、死んだ、私死にました)


 もちろん、ロザリーはそんな何でもかんでも読むような事はしない。それに、メーデンに対してはおそらく、通じないであろう。彼女が紡いだのは、ただ、素直な言葉。


「それから、ごめんなさい。私がパメラを連れ出したりしなければ、あなたが罪に問われる事もなかったはず。きっと、幸せに過ごせていたのだと思うと、申し訳なくて」

「あ、へ?」


 もしかすると、いい人? いや、そんな事は承知の上である。聖女様が愛する人なのだから。

 あ、でも、それって弱みを握った事になるのだろうか。ははーん、とメーデンは再び笑みを浮かべた。


「いいんですいいんです。私、聖女さまが十歳のよくおねしょをしていた頃からお世話している専属侍女ですから、聖女さまの事なら何でも知っています。外の世界へと憧れていた事も。なので、気にしないで下さい。ですがあなた、聖女さま歴はまだ半年でしたか? はーん。それではまだまだ聖女さまの「せ」も分かっていない事でしょう。あー、いいんですいいんです。遠慮は要りません。この私が色々教えて差し上げましょう、メイドのいろはから、聖女さまマニュアルまで。ですが、これから一緒にお風呂に入るのはこの私!  おトイレの付き添いも、夜を共にするのもこの私! いいですね!?」


 メーデンはいきり立って恐ろしく早口にロザリーに食ってかかった。聖女マウント。アリアは見ているだけで哀れに思えてしょうがない。


「え、ええ、よろしくね、メーデン。お世話になるわ。アリアも、まだここの味に慣れないかもしれないけど、遠慮せずにね」


 なんという屈託のない笑顔。唾がたくさん顔にかかったであろうに、本当に心からメーデンを歓迎している。アリアは少し恐ろしくなった。パメラでさえ裏の顔を持つというのに、この子は表しかないのだと。と、同時に、パメラの愛が向かう理由も理解した。

 自分がパメラに抱く感情を、そっくりそのままパメラが彼女へと抱いているとするならば、とても勝ち目はない。パメラに自由をあげたのは誰でもない、ロザリーなのだから。


 そう、一番美味しく実った果実を口にする権利は、彼女にある。自分のは言わば、つまみ食い。互いが互いを求めなければ、行為とは呼べない。つまりノーカン。進展の無い二人を結びつけるには、やはりこのエロースが一肌脱ぐべきであろう。


「私は少し休ませてもらうわ……。後でいただくわね」


 そう言い残し、抑えの効かない火照りを隠しながらアリアは寝室へと消えていった。


「むむ、あれはカップリングに熱を上げた女子特有のオーラ……。何をたくらんでいるのでしょう」

「カップ……なに?」

「い、いえ、何でも! では、お手並み拝見」


 食事の挨拶を済ませ、メーデンはロザリーの料理を貪った。心の中で絶賛の嵐が巻き起こる。しばらく(ろく)な物を食べていないため、ロザリーが女神にすら見えた。


「ほいひい! ほれは、どーやって、つくるんですは!?」


 パスタを鼻から出しながら、つい本音が出た。しかしロザリーはすでに遠くで談笑していた。こぼしながら料理を食べるパメラの口元を拭きながら。


 そ、その役目は私の……。


「恐るべし……聖女さま誘拐犯……」



 食事を終えると、ノーラ達がメアのそばにいたいと言いだし、見てもらう事にした。


 こんな形での再会。彼女達はずいぶんと泣いていたが、もう寝静まってしまったようだ。ロザリーはその痛々しい姿に声を失ったが、まだ終わった訳じゃないと自分を奮い立たせた。そして、必ず彼女を助け出してみせると誓う。



 一日の終わりに、すでに休んだ子供達以外での話し合いが行われた。それぞれの報告が軽く行われた後、コレットが口火を切る。


「以上がヘクセンナハトの初戦果ですわ。そして今、クリスティアが他国に同盟を働きかけています。私達は声を上げ、ここに存在を示しました。すでに魔女は、“存在しないもの”ではありません。権利とは、主張しなければ勝ち得る事などできないのです。あとは、勝ち抜くのみ。ですがみなさん、どうか、いなくならないで。あなた方の存在一つ一つが、わたくしに、マレフィカに勇気を与えるのですから」


 クリスティアの覇道を行くような演説に比べ、コレットのものはどこか弱々しさを感じさせる。しかし、犠牲を経た皆の心には、これ以上なく響いた。


「やはりクリスティアのようには、いきませんわね」

「いいえ、素晴らしい言葉だったわ。ありがとう、コレット」

「ふ、ふええ……」


 ロザリーによるただのねぎらいに、コレットは泣き出してしまった。そんなやりとりを尻目に、アリアはロザリーに話しかける。


「あなた達、意外とちゃんとしているのね」

「ええ、少し前まで、数人で行き当たりばったりの旅をしていただけなのだけど。本当に、ここまで来たのね」


 ヴァレリアも、そんなロザリーの気持ちが分かる気がした。

 一人旅では、ここまで様々な影響を世界にもたらす事など出来ない。マレフィカの危険性を誰よりも知る者として、今は、危険性よりも集うことで生まれる新たな可能性に賭けてみたいと思った。実際、自分を育んだ傭兵団、夜明けの旅団はとても安らげる場所でもあったのだから。


「お姉様のために……私が……」


 だが、組織の負の面を担うという思いは変わらない。いや、抗生剤というと少しは優しく聞こえるだろう。それは、自分一人でいい。


「ヴァレリア、あなたも慣れないかもしれないけど、何でも言ってね」

「え? あ、何でしょう?」

「もう、聞いてなかったの? 仕方ないわね」

「大丈夫ですよ。私は私なりにやっていこうと思いますので。それが、ディーヴァさんとの約束でもあります」


 出会った時とは見違えるような穏やかな顔でそう話すヴァレリア。相変わらず少しだけ距離を置いて、という条件で組織と付き合っていくつもりのようだ。

 口数の少ない新入りの二人も入れた、賑やかしく、会議とは名ばかりの団らんが続く。初めは変人扱いだったメーデンも、すでに皆から愛されたようである。


「いいわね……こういうの」

「ロザリーさん、感慨に浸っていないでまとめなさいな。リーダーでしょう」


 名指しで呼ばれ、慌てて立ち上がる。


「あ、ええと、療養という形で初作戦に参加出来なかったのは残念だったけれど、みんなを信じていたわ。私無しでも組織が機能する事が、私の望みでもあるの。本当はパメラを中心にしていきたいのだけど、少しあの子には面倒でしょうから。これからも、頼りないリーダーとは思うけどよろしくね。みんな、本当にお疲れ様!」


 その言葉に皆が拍手を送った。今後の作戦については明日以降に話す事として、それぞれゆっくりと疲れを癒やした。

 その夜、ちょっとした騒ぎがパメラ達の寝室で起きた話は、また別の機会に。


―次回予告―

暁の勇者と鉄の車輪。

共に横たわる、数々の骸。

その全ての頂で、彼女は何を思う。


第135話「支配の魔女」

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