第17章 歯車の魔女 登場人物
※17章までのネタバレを含みます。
グリエルマ゠マニュエル
30歳。十二賢者の一人、万理の賢者の末裔。
カオスについて唯一ともいえる多くの知識を持つ。シークレットガーデン副所長としてガーディアナに荷担した罪の意識から、ヘクセンナハトの力となるべく魔女達の下へ訪れた。
リトルウィッチクラフトという魔女学園の学園長というのが彼女の本来の顔であり、ロンデニオンの隠れ家にて現在四十名ほどの魔女が先生の帰りを待っているらしい。
メア
10歳。イルミナ親衛部隊コキュートスのリーダー。長髪眼帯のクールな子。
改造手術によって体の半分ほどを機械化されている。そのため知能的な障害は取り除かれ、聡明で落ち着きのある性格となった。同時に、新しく得た自我によって愛という感情を知るが、一人の男のエゴによりそれすらも破壊された。
【進化異能】 高速演算
失った身体機能の代替としての力を与える彼女のマギアは、眼に続き脳の覚醒へと至る。しかし、異分子である機械の力との融合がまだ上手くいかず、真価を発揮することはできなかった。
ノーラ゠フランク
12歳。コキュートスにおいて支援を担当する。お下げ髪のおとなしい子。
想い人であったロザリーとの邂逅の中で、執着を捨てた本当の愛へと目覚め自殺とも言える行動をとった。幼児として蘇った彼女は力を扱えず上手く話す事も出来ないが、ほぼ彼女のままである。ロザリーは今度こそ間違った道に進まぬよう、彼女を引き取り育てることにした。
【進化異能】 因果律操作
強靱な意志力をもって初めて操る事のできるマギア。雑念を捨てた純粋な願いのみが聞き届けられる。それは確定事項となり絶対に変えられない。
カイ゠フランチェスカ
11歳。コキュートスの切り込み隊長。ツンツン赤髪の不良っぽい子。
元ストリートチルドレンでケンカでは負け知らずだったが、サクラコに完膚なきまでにやられ、彼女を慕い始める。今度は無謀にもリュカに挑んでみようと思っているようだ。
【異能】 素手喧嘩
その拳一つで生きてきた彼女に、いつからか自然と宿った能力。彼女に相対する者はその攻撃を避ける事ができない。進化すると一対一となる。
ジュディ゠シャノワーヌ
10歳。コキュートスの後方射撃担当。二つ結びのタカビーな子。
元貴族で、人間不信。魔女は優しいので好き。中でも現貴族であり、宝石商のコレットに対して羨望のまなざしを向けている。良い機会なのでクリスティア女王ともこの際コネをつくりたい。
【異能】 蒐集家
身につけた貴金属の価値に応じて、その魔力を増幅する能力。自らの価値=資産という刷り込みが、魔力にすら影響している。
ロザリー゠エル゠フリードリッヒ
17歳。物語の主人公。かつての戦争において、マレフィカで一人生き残った少女。
今回の襲撃事件にてしばらく戦闘不能に。もちろん家事もできないため、魔女達は改めて彼女のありがたみを知る事となった。その優しさから一般兵達の人気も高いが、クリスティアが定めた鉄の掟によって絶対に手を出すことは禁じられているらしい。
パメラ゠クレイディア
15歳。物語のヒロイン。ガーディアナ教国の象徴である聖女。
かつて自分をかくまってくれた老人、ビアドを失うことによって得た再生の力。最愛の人を失いかけた時、それは究極の姿となった。
そんなロザリーに対しては愛情の反面、一人で死のうとした事に結構怒っている。
【神化異能】 愛
再生の力が極限にまで高まり、致命傷まで癒やすと共に、新たに命を授けるという再誕の力までも有する。聖女と同化した事により得た神性によって、パメラの力が上限を超えて覚醒した結果である。
琴吹桜子 (コトブキ サクラコ)
14歳。東方、イヅモ国の忍び。幕府お抱えの隠密組織、紅の陣所属。
覚悟する事を決め次第に成長を見せるサクラコに、カオス・プロキオンはさらなる力を与えた。すでに彼女は、有数の魔女の中でも上から数えた方が早いほどの実力者である。
【進化異能】 神速・二式 残影
あまりの速さのため、まるでそこに存在するかのように振る舞う影をつくる。それは視覚と共にマギアの力すらも欺き、ほぼ全ての攻撃を回避する。
コレット゠ルビー
20歳。肉体年齢は9歳。宝石商、ルビー商会の元締めであり、現冥王。
ロザリーへの想いが神化の扉を開き、新たな力を手に入れる。恋のライバル、パメラとの仲もなぜか進展し、あの柔らかな唇を思い出してはそれだけは駄目だと否定し続けているらしい。
【神化異能】 輪廻転生
死した魂を地上へと戻し、新たな命へと転生させる力。蘇生ではないが、パメラの力と組み合わせる事でそれに近い事が行えるようになる。これは二人の想いが偶然一致した奇跡であり、そうそう起こせるものではない。
リュカ゠レイフォン
17歳。クーロン国の仙者になるため修行中のマレフィカ。
事件の際は遠出しており、ロザリーを守れなかった事を誰よりも後悔している。そのため、いついかなる時も自らをロザリーの力とする事を固く誓う。実はロザリーラブ勢の中でもかなりこじらせている事は誰にも知られていない。
クリスティア゠ローランド
17歳。ローランド王族の生き残り。晴れてリトルローランドの女王となった。
凄まじい速さで一つの国の君主となった女傑でもあるが、その本質はどこか脆い。ロザリー不在の作戦の指揮を執る事に、彼女なりに全力を尽くしているが……。
ディーヴァ゠ギルガメス
19歳。アバドン国一の部族、ギルガメスの女戦士。暁の勇者と呼ばれる。
一人であればあり得なかった弱み。それは仲間を持つと言うこと。しかし、次第に自らに迫るほど成長する彼女達を見て、彼女の考えは変わっていった。それは、自己犠牲ともよべるほどの愛にも似た感情である。
ムジカ゠ファーガス
11歳。獣人の少女であり、偉大な獣王の血を引くマレフィカ。
リュカと同じく、その力を買われてロンデニオンに出向いていた。そこで彼女の獣化はこれ以上ないほどに重宝したという。何をしていたかは次回のお楽しみ。
クロウ゠デニール
40歳。伝説級の槍使い。元ローランド国親衛隊隊長。
かつての経験を生かし、リトルローランド国に集まった新米兵士達をまとめ上げる兵隊長となった。
そのため兵士達の基本武装は槍である。命を大事にという教えのもと、日夜指導を続けている。
メンデル゠サンジェルマン
52歳。ガーディアナ神官、第五司徒。天才医師であるが、狂気をはらんでいる男。
医学を極めた男は、同時に命の脆さも充分に思い知る。そして彼は新大陸にて発掘されたという、命を越える永遠の力、機械技術へと心酔した。彼の願いはただ一つ。永遠を預ける事のできる少女の創造。教皇と聖女、それすらも越えるアダムとイブになるために。