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アトラスティア勉強会 三時限目 『地理Ⅰ』

マコト「今回は地理のお勉強! 舞台となるエルガイア大陸について調べるよ」

アンジェ「はいはい、アンジェ今回頑張りすぎたので、魔王になったマコトがそのぶん頑張って下さいねー(はなほじー)」


マコト「こらっ! 女の子がやっていい事じゃないでしょ(ゴツン)」

アンジェ「ぎゃああ、ありえない所まで指が入りました! 魔王こわっ!」


ティセ「もしかして……あんた達バカ?」

マコト「ティセさん、今回はよろしくお願いします!」

ティセ「よろしくー。勉強会だっけ。アタシ、アカデミー主席だから何でも聞いて」


アンジェ「では、この作品が売れるにはどうしたらよいのでしょうか?」

ティセ「そんなのアタシを主役にすれば良かったんじゃない? 今からでも遅くないよ」

アンジェ「言いづらいんですけど、あなたこれからしばらく出番ないんです……」

ティセ「ハァ~!?」


マコト「アンジェが燃えてる……。気にせず早速行ってみましょう!」

エンジョ「どうも、炎上(エンジョ)ラス゠ベルです」

ティセ「たくましいわね……」



【アトラスティア五大陸】

 この世界アトラスティアは、エルガイア、ネオエデン、ジャイーラ、レガシア、アバドンの五つの大陸で構成される。それぞれに異なる人種が分布し、統一言語での疎通が可能。



マコト「分かりやすく言うと、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アジア、アフリカみたいな事かな」

ティセ「ああ、それってアンタが来たっていう異世界ね」

アンジェ「はい。造りはほぼ同じと言ってもいいでしょう。元々はうり二つに作られた惑星なので」

ティセ「じゃあさ、アルテミスってそっちではどんな感じなの?」

マコト「えっと、なんとなくイタリアっぽいかな? 地中海に面した陽気な国です」

アンジェ「相変わらず一から国のイメージを作るのが面倒なので、モデルにしたんでしょう。中でもアルテミスだけは度を超して何かのパロディで出来てますし」

ティセ「へえ、つまりアタシの国でふざけてる奴がいると」

マコト「この子時々よく分からない事を言い出すので、気にしないで下さい」



【エルガイア】

 物語の舞台となる西の大陸。古くからの歴史があり、かつて魔族による大規模な介入を経験している。さらに近年ではガーディアナによる支配が脅威となりつつある。



マコト「神の大地みたいな事かな。なんとなく分かるね」

ティセ「ご大層な名前ね。どうせ古代の賢者とやらが付けたんでしょ」

アンジェ「その通りです。自称、全能の賢者さんの傲慢な自意識が見て取れるようですね。まあその後、神には負けちゃったんですけど」

ティセ「あはは! アタシだったら、(なか)(くに)みたいにするね」

アンジェ「おお、あえての漢字。壮大な物語が見えてくるようです!」

ティセ「いつかアタシ達の旅をシネマジカにした、ロード・オブ・マレフィカっていう超大作を考えてるのよ。これでお母様を超えてやるわ」

アンジェ「素晴らしい! サブタイトルは、旅の仲間、二つの物語、王女の帰還の三部作ですね!」


マコト「大丈夫かなぁこれ……」



【神聖ガーディアナ教国】

 約二千年前、賢者カノンはやがて来る厄災を憂い、全ての真理を印した書物、聖典(カノン)を作り上げた。その書物は訪れる破局と終末、それに対しての行いなどが事細かに記されており、自身への予言者としての崇拝のみならず、黙示の開示によっていつかの時代のように人々を狂気的な力に誘う事を目的とする側面があった。

 しかし、その結果は文明の崩壊という形で幕を閉じる。その後、人々の(よすが)となっていた聖人リュミエールは聖典を封印。それを戒めとして平和的な教えを唱えるガーディアナ教を立ち上げ、この後二千年と続く国の基礎をつくった。

 そして現在。長く続いた魔王の時代を経て、現在の教皇リュミエールにより再び聖典の封印は解かれる事となる。彼による布教活動はやや過激で、全てはカノンの導きであると、現在フェルミニア、ローランドを手中に収め、全世界に向けさらに侵攻を始めている。


・聖都クレスト

 ガーディアナの聖地に存在する首都。機動要塞マグナアルクス、ガーディアナ大聖堂などを有する、政治、信仰の中心地。


・ウィンストン

 聖女が生まれたとされる土地。ここで毎年誕生祭が行われる。この街の名は、かつて独裁国家による侵略を阻止したと言われる政治家のものである。


・サンデヴェルデ

 のどかな田園地帯であったが、近年村長が何者かに殺害されるという痛ましい事件があった。生き延びた兵士達は何も覚えておらず、騎士団からも除名された。


・グローリア

 小さな港街。灼熱の魔女が出没した。魔法の痕跡がある事から、その犯行はアルテミスによるものではないかとの疑いが依然として消えていない。



ティセ「グローリア、懐かしいわね。アタシが鮮烈なデビューを飾った場所だわ」

マコト「ロザリーさんに聞きましたよ。ダメじゃないですか街で暴れたら!」

ティセ「それは悪かったと思うけど、あんた達もよりによって大聖堂で大暴れしたそうじゃない? 人の事言えんの?」

アンジェ「ぐうの音」

マコト「あっ、ぐうの音を出した。自分は暴れてないと言いたいんだね……」

ティセ「最近では魔王にまでなったんだって? パメラがずいぶんと世話になったそうじゃん」


アンジェ・マコト「ぎゃふん」



【ローランド王国】

 エルガイアの均衡はこれまで、法のガーディアナ、剣のフェルミニア、知のアルテミス、そして政のローランドと、この四つの国により保たれてきた。ここはその善政から大陸一住みやすい国として特に名高い。さらには国中に親衛騎士団〈ロイヤルガード〉が配備され、魔物や外敵に対しゆるぎない基盤を持っていた。

 だがガーディアナの圧力により難民となったマレフィカを受け入れた事をきっかけに、国王の善政は危険思想とされ大規模な侵略攻撃をうける。

 王族は亡命した王女を除き皆戦死し、マレフィカはそのほとんどが捕らえられた。

 そして現在は魔女の国とのそしりを受け、王都クリスタニアを含めた各領地にて、ガーディアナによる圧政が続いている。


・首都クリスタニア

 ローランド城のそびえる大規模な都市。かつては堅牢な要塞であったローランド城も、今はガーディアナの手の中にある。


・オルファ

 辺境にあるロザリーの故郷。幼少期、正式に兵となるまでここで暮らしていた。十年の時を経たロザリー達の活躍により、住民達は全てロンデニオンへ移住する事となる。


・ミューレンブルグ

 ローランドの中でもアバドンに近く、痩せた土地であったため黒死病に冒された。フェルデナンド姉妹の出身地。


・逆十字本拠

 ロザリー達が暮らしていたレジスタンスの隠れ家。見つかりにくい山間にあるが、現在はガーディアナに発見されており、その全てが接収された。


・ホーリーフォレスト

 ジューダスの任期中に開発されていた都市。誰にも見つからない深い森にあり、捕まえた魔女はここへと集められていた。その目的も、現在どうなっているのかも不明。



マコト「ロザリーさんの母国、ガーディアナの侵略を受けてしまったんだよね」

アンジェ「なるほど、メリル達もここにいたんですか……」

ティセ「胸くそ悪い。アタシはこの頃、ただ指をくわえて見てただけだったわ。アルテミスからでもあの巨人は見えたからね。あれでお母様、酷く怯えちゃってさ」

アンジェ「本当、あの国はチート要素の塊ですよね。その一つであるパメラさんが味方で良かったですよ」

マコト「うん、パメラちゃんがいなかったら、今頃私……」

ティセ「あまり自分を責めないの。アタシだって同じ思いよ」


アンジェ「おお、デレた……」



【神聖フェルミニア王国】

 歴史と伝統のある軍事国家。かつては世界の中心地であった。

 一騎当千の兵で構成された聖堂騎士団〈ラウンドナイツ〉を抱え、一時は世界最強の時代を築いたが、救世戦争による魔族との決戦によりその戦力は半減。さらに、首都フェルミナにて起きた魔女の暴走により首都機能が壊滅し、軍もその過半数を失う。その事もあってマレフィカへの国民感情は高く、異端審問が活発に執り行われている。

 その結果、現在はガーディアナの戦力に頼り切る形となっており、ほぼ属国と化した。

 解体されたラウンドナイツはその多くがロンデニオン国へと逃れ、現在は魔族から人々を守る盾となっている。


・王都フェルミナ

 フェルミニア城やフェルミナ大聖堂がある首都であったが、破滅の魔女の力によって消滅した。人が住める程度には復興したものの、未だその傷跡は残っている。


・アイアンランド

 救世主の降り立った街とも言われている。その時代には救世主達の拠点もあった。


・イデアの塔

 賢者ルーンの残した遺跡。魔力を抑える力を持つため、現在はマレフィカ収容所として利用されている。



アンジェ「今作ではいまいち影が薄い国ですが、救世戦争、いわゆる前作の舞台となった国ですね」

マコト「前作とかないから。これが処女作です!」

アンジェ「昔、よく自作のノートで遊んでたらしいですよ。TRPGみたく設定とか書いて」

マコト「こらこら! 黒歴史警察が来るよ!」

ティセ「何言ってんだか。あ、このイデアの塔って、確かパメラがいつか言ってた所ね。魔力が使えないならアタシは役に立てそうにないけど」

アンジェ「離脱するのでちょうど良いんじゃないですか?」

マコト「またメタな事言う……」



【中立国家ロンデニオン】

 この国は永世中立国家として、魔族を対象としない、いかなる争いにも加担しないことを宣言している。

 この地は元々フェルミニア領であったが、数々の武勲を立てた英雄ボルガード゠ルースハワードがこの地を手柄として与えられ、自治区として治めていた。しかしガーディアナの傀儡と化したフェルミニアの腐敗を見かねた彼は、祖国と決別しガーディアナの支配を拒否、ここをいかなる国にも属さない自由都市とした。

 そのため彼は実質王ではないが、国王としての器と民に認められている。さらに、国の盾である新生ラウンドナイツの守りは鉄壁で、世界中の騎士を目指す若者の入隊が後を立たないという。


・ロンデニオン城

 キングキャッスルと呼ばれるほど堅牢な造りを見せる鉄壁の要塞。レジェンドも多く在駐する。


・自由都市デュオロン

 クーロン系組織、堕龍が治める都市。近年、治安がぐんと良くなったと評判である。冒険者の組合である冒険者ギルドもあり、活気にあふれている。


・死神の館

 森の中に静養地として建てられた貴族の屋敷であったが、今では廃墟と化している。最近は森を覆っていた瘴気も晴れ、立て替え工事が行われているとか。



マコト「私達もいっときお世話になったね。自由都市!」

アンジェ「いやー、色々ありました。そのいくつかの話はそのうち番外編で出そうと思っています」

ティセ「誰に言ってんの? まあ、ここではちょっとした顔だよね、アタシ達。サクラコなんて裏のボスだし」

マコト「悪い人達を更正させたんだっけ。まだ小さいのに偉いよね!」


ティセ「ま、まあね。それもこれも、アタシが最初に助けてやったからなんだけど、まあそこは言わぬが花っていうか。ちょっとドジだけどやる時はやるよね。びびりのくせにいつも自分より強い奴に向かっていく所なんて危なっかしいったら。まったく、ロザリーに似たのかね。ちょっと影は薄いけど、ペットみたいにちょこんってこっちを上目遣いで見てきてさ。ああ、ペットと言えば、イブの事も忘れないでね。あれ、アタシが名前つけたんだよ。あいつのあの時の喜びようったらなかったわね。ティセさんティセさんっていつもいつも……」


マコト「わ、わあ、そうなんですか、すごいですね……!」

アンジェ「あの、キャラ崩壊してませんか……?」



【魔法国家アルテミス】

 救世戦争の際、フェルミニアと共に魔族と戦うための片翼を担った強国。

 現在は救世戦争後に施された女神による魔の封印により、この世界で発生するあらゆる魔力は抑えられ、魔法を使えるものは一握りとなった。その影響もあり、現在の国力はかなり縮小している。

 世襲女王制で、現在はアルテミス19世による統治が行われている。(女性が生まれなかった場合は男性が統治する)

 この国には魔導師達が設立した〈アルテミスルーンアカデミー〉という唯一魔法を学習できる施設があり、知識を得ようと多くの冒険者達がこの地を訪れ広く学んでいる。しかし、この事は人類平和における一つの脅威であるというガーディアナの考えにより、現在各方面での圧力が増しているという。


・首都アルテミス

 絢爛豪華なアルテミス城や、アルテミス大劇場、アルテミス大浴場など、観光施設が建ち並ぶ国の中心地。


・アルテミスルーンアカデミー

 幼少期からエスカレート式に魔法部、魔術部、魔導部の三段階でカリキュラムを組み、一流の魔導師を育てあげる機関。途中入学などは出来ないため真のエリートしか魔導師とはなれないが、その知識は誰でも学ぶ事ができる。だが近年、ガーディアナにより強制的に解体されてしまった。


・アルテミス魔法(マジカル)ランド

 魔法を使った様々なアトラクションが楽しめる、複合レジャー施設。敷地が広大なため、とても一日では遊びきれない。ご利用の際はマジカルランドホテルへの予約がおすすめ。


・ラビリンス

 謎の人物、ダンジョンマスターによって管理されている冒険者訓練施設。設計者がレジェンドであるためか、難易度がおかしい。ちなみに最近クリア者が出た。


・ルーンの里

 古代遺跡の多く残る土地。その一帯は魔力の高い者しか立ち入る事はできない。ここには高い魔力の力場を利用した、ディープラビリンスというダンジョンがあるらしい。無印のラビリンスは、これを模して造られたものに過ぎないという。



ティセ「ああ、これがあるからアタシを呼んだのか。納得」

マコト「偶然です偶然! でも、とりあえず行ってみたい国ナンバーワンですよね。(他がどれも行きたくないだけとも言う)」

ティセ「まあね。エンタメと言えばウチじゃない? そのおかげで忘れたい過去もあるけど」


アンジェ「そういえばティセさん、ここに帰っちゃうんですよね。寂しいですけど……」

ティセ「そうね。今どうなってるのか気になるし、修行にうってつけの場所もあるしね。それはそうと、まだ姫騎士ロザリーは上映してるのかね……」

マコト「姫騎士……? でもティセさんならきっとやり遂げて、またロザリーさんの力になってくれると信じています」

ティセ「うん、ありがと。アンタとはちょっとやり合った事もあったけど、あの時は悪かったわ。そっちも頑張りなよ」

マコト「はい! メリルもシェリルも、あれから心を入れ替えました。私だってもう魔王になんて負けません!」


アンジェ「どうやら固い握手が交されたみたいです。というわけで、今回はこの辺でお別れしたいと思います。ティセさん、今までどうもありがとうございました! きっと忘れません! インフレに置いて行かれた最初の敵、ヤ○チャみたいに、これからもきっと愛され続ける事でしょう!」

ティセ「はあ? アンタ、やっぱりぶっ飛ばされたいみたいね?」


エンジョ「いえ、手より先に火が出てます。以上、炎上ラス゠ベルがお送りしました。次はサクラコさんをゲストに、平和にやりたいですね……」


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