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第11話 『ローランド戦役』

 ローランド戦役――。


 それは、ロザリーの長きにわたる戦い、その全ての引き金となった惨劇の序章。

 魔女殲滅を掲げたガーディアナ教国による突然の侵攻により、ロザリーの母国、ローランドは滅びた。新暦15年、今から五年前の出来事である。


 それまで魔女の楽園とまで囁かれたローランドだったが、その時をもって地獄にも等しい地へと変貌した。各国より身を寄せていたマレフィカもその多くが命を落とし、生き延びた者は身柄を拘束され、収容所へと送られる運命となる。


 その中に、少女パメラの姿もあった。

 彼女はそれを自ら望み、自分の信じる者達のためにその身を捧げた。


 これは聖なる魔女と呼ばれ、静かに歴史から消えた少女の追憶である。




************




 開戦から防戦一方のローランド軍が、最後の砦であるローランド城へと籠城(ろうじょう)するにまで至った頃。まだ幼いロザリーは、父ブラッド、そしてその弟子であるキルと共に孤児院のマレフィカ達を集め、その護衛に当たっていた。


 戦禍の不安につぶれそうな中、それでもロザリーは義の道を行く我が国を信じ、仲間と鼓舞(こぶ)しあいながら、日々をひたすらに生き抜いていた。


 そんなある時、王子ユリウスの率いる軍が壊滅したとの一報が入った事を受け、ローランド王はこの戦においての覚悟を語った。

 ガーディアナとの戦力差は誰が見ても圧倒的であり、万が一にも勝機はない。ならば、差し違えてでも王子を亡き者にした悪鬼ガーディアナを地獄へと道連れにするという鬼気迫る内容に、騎士団長を務めるギュスターを始め、臣下の誰もが不退転の覚悟を決めた。

 それは命を賭け、ローランド最後の血族である王女、そして力を持たぬ国民達を地下道から逃がすための時間稼ぎをするという決意でもある。


 何より兵士達の士気を上げたのは、剣術指南役ブラッドの参戦であろう。

 マレフィカである我が子を受け入れてくれた王に対する恩義から、ローランド最強との呼び声が高い彼も最後まで共に戦う事を誓ったのだ。

 ロザリーは、そんないつもとは違う険しい表情の大人達を見て、どこか非日常に足を踏み入れた事を改めて実感した。


 城下はすでに平和だった面影はなく、黒煙がいくつも立ち上っていた。そこへ次々と掲げられるガーディアナの旗。城には休むこと無く戦力が送り込まれ、来る日も来る日も消耗戦が続く。


 同時に行われていた地下道を使っての避難は難航していたが、あと数日あればと言う所まで来ていた。それさえ完了してしまえば、精神的には勝利を収めたともいえよう。


 しかしある時、攻城戦の不利を一瞬で逆転せしめる兵器がガーディアナによって投入された。

 古代兵器“タロス”。巨大な、人型の兵器である。


 この所、世界の均衡が崩れガーディアナ一強となりつつある背景には、こういった古代兵器の封印を、教皇リュミエールが何かしらの力を用いて解く事に成功したからに他ならない。

 その他にも、機動要塞“マグナアルクス”、永久魔動機関“イデア”、戦術兵器“ケラウノス”など、現代の技術では到底及びもしないこれら超兵器の前では、抵抗など一切が無意味。


 さらに、それら超兵器すらも超える力を持つと言われるのが、聖女セント・ガーディアナその人である。唯一ガーディアナでさえ恐れた魔女の力を、いともたやすく無力化する事ができる存在がその奥に控えているのだ。もし、ローランドのマレフィカ達が育ち大きな力を持ったとしても、彼女がいる限りどうにもならないだろう。


 そして、運命の日。そんな圧倒的な力を前に、ローランド滅亡の日はかくして訪れたのである。




************




 その年、十二歳となったロザリー。魔女としては年長に当たるが、彼女はマレフィカとして未だ力に目覚めてはいなかった。

 魔女の多くは、思春期の訪れと共に何かしらの異能を掴む者が多い。だがその分を補うように、彼女は父に剣術を習う事で大人達と共に戦えるほどの技術を磨いていた。


 生傷が絶えない生活。母はいつもそんな彼女を心配し、そばに寄り添ってくれる。いや、ロザリーの母オリビアは、ローランドに集められた魔女達全ての母でもあった。無償で孤児院を運営し、その生計を立てるのも彼女の仕事なのである。


 そんな彼女が面倒を見ている孤児の中には、ロザリーとは逆に恐ろしい力の片鱗を見せる者もいた。

 特筆すべきはその中の一人、くせっ毛の銀色に輝く髪が特徴の、パメラ゠リリウム。

 彼女は、ありとあらゆる傷を瞬く間に癒やしてみせるのだ。簡素な白のワンピースを着た、村娘と見まごう普通の少女にしか見えないが、彼女はローランドの兵達の中でも人気が高く、敬愛の意味を込め“聖なる魔女”とまで呼ばれていた。


 パメラはロザリーの二つ下の孤児であり、どこへ行くにもロザリーに付いて回っていた。ロザリーは彼女を実の妹のように思っていたが、一方パメラの感情はどこか、それ(・・)とは少し違っていた。


 パメラにとって、ロザリーは全てであった。

 まだ幼い彼女には、それが愛であるという自覚はない。


 マレフィカは基本、外の世界にてほぼ迫害されて暮らしてきたため、まず心を閉ざしている者が多い。孤児達は親の愛も知らず、ある者は心ない大人から乱暴された経験すらあった。その結果、彼女達は自衛のため、狭い世界に閉じこもる。


 しかし、ここへと来た孤児は、たいていそんな世界観をロザリーによって変えられた。ロザリーは同じマレフィカとは思えない程に健全で、包み込むような母性、そして、時に(たくま)しい父性を(もっ)て孤児達に接し、彼女達の生きる支えとなった。


 しかし、外の世界というものは変わらず一つの教義の下にあり、なおも彼女達へと悪意を持って襲いかかる。その残酷さを知るパメラは、逆に闇を知らぬロザリーを守るために、その力の全てで尽くしているのだ。


 パメラはロザリーと、彼女を取り巻く人々を幾度となく救った。その度に、こちらへとその心が向く日を待ち望んでいた。それだけが、大袈裟などでなく、彼女の生きる意味だったのである。


 そしてまた今日も、大勢の負傷兵が彼女の下へと運ばれてくる。その小さな体から生まれる、奇跡を信じて。




「――無理はしないでね、兵隊さん」

「ああ、いつもすまない……」


 圧倒的に戦力で劣るはずのローランドが未だに落城しない理由の一つに、パメラの功績があった。どんな負傷をも、その日のうちに万全の状態へと戻すという、医術では不可能な奇跡。その力により、彼らは常に人員を切らす事なく守りを固める事ができるのだ。


「まさに勲章ものだよ、お前の力は。我がローランドに、聖なる魔女あり、だな」

「ううん、わたしのせいで、また兵隊さんが戦わなきゃいけなくなる……ごめんなさい」


 確かにその通りだと兵士は苦笑した。だが、その目はまだ何も諦めてはいない。共に剣を振るう戦士として、ロザリーはその気持ちがよく理解できた。


「ばかね、みんな、誰かのために戦える事が誇りなのだから、これはいいことなのよ」

「それは、ロザリーも?」

「ええ、そうよ」

「ああ、ロザリーの言うとおりだ。こんな戦い、俺達がさっさと終わらせてきてやるからな。お嬢ちゃん達はここで援護を頼む」


 タロスによる城の破壊が始まるまでは、一様(いちよう)に皆、一筋の希望を持っていた。情報によれば、聖女はこの戦いには参加していないという。となれば、マレフィカこそこの戦争の主導権を握る存在と言っても過言ではなかった。

 魔法が使える者は後ろから援護し、特殊な力を持つ者はこうやって裏で支援する。ローランドのマレフィカ保護政策は、こんな形で功を奏したともいえる。彼女達も、国への恩を返すためにここに残り戦っているのだ。


「それではブラッドさん、行ってきます!」

「ふん、骨を(うず)める覚悟で行ってこい」

「はいっ!」


 そんなマレフィカを守る事こそ勝利につながると、そこにはブラッドも護衛につけられていた。彼はどこか、戦地に向かう兵をもどかしく見送る。


「父さん、ごめんなさい。私達のために戦いに出られなくて……」

「切り札は最後まで隠しておくものだ。それに、防衛戦はギュスターの親父の十八番(おはこ)。ここは任せておけばいい」

「うん……」


 父の言葉を飲み込みつつも、ロザリーは焦りを隠せずにいた。この頃は戦力としてはまだ微力な、ただの一兵士である。子供用の皮鎧に身を包み、その手にはグラディウスという短めの剣を所持しているのみ。早く自分も正式な騎士になれたらと、その一心であった。


「私は、何も出来ない……。だからせめて剣を振るう。父さんのように」

「そう気に病むな。迷いは太刀筋に出るぞ」


 ロザリーの目は、珍しく優しい言葉をかける父ブラッドに注がれる。全身鋼のような筋肉を纏い、黒い布地の上着、黒いズボン、あとは最低限、止血用の布を巻いただけの軽装。重装備の兵の中で、一際目立つ大男である。歴戦の傷跡や、泣く子も黙る彫りの深い顔立ちも、その迫力を物語る。

 中でもオールバックの黒髪を留める赤いバンダナが最も特徴的であるが、ブラッドはそれを外し、娘ロザリーの頭へと巻きつけた。


「迷った時は、こいつを締め直せ。血止めに使っていたものだが、余計な事は頭から消える」

「ありがとう……」


 今まで、ほとんど父からプレゼントなどしてもらった事など無かったロザリーとしては、その何てことはない布きれがただ、単純に嬉しかった。強く、気高い父の匂いが、常に感じられるのだ。ロザリーは髪をかき上げ、父と同じようにそれを締めて見せた。


「様になってるじゃないか。さすがは俺達の娘だ。なあ、オリビア」


 ブラッドは子供達の側に座る女性へと話しかける。オリビアと呼ばれた女性は、長い紫の髪をなびかせ、おっとりとした様子で笑った。


「ふふ、そうね。でも、体格まで私に似なくて良かったわ。こんな病弱な身体では戦えないものね」

「私は母さんに似たかったわ。父さんみたいに目つきが悪くて、筋肉も付きやすいし、嫌になっちゃう」

「おいおい、ずいぶんだな。性格はそっちにばかり似やがって、うるさいのが二人になっちまった」

「ふふ、娘は父に似て、母を真似るものよ。そんなに寂しいなら男の子も産めばよかったかしらね。でもここは女の子ばかりだから、いじめられちゃうか」


 そう言って孤児達を見守る、ロザリーの母オリビア。非戦闘員である彼女は王宮での待機が命じられていたが、子供達が不安がるため、こうして共にいる。いや、最後まで子供達をそばで守りたいと願う。それが彼女であった。


「オリビア、無理はするなよ。いざとなれば俺達の事はかまわん。この子達を逃がしてやってくれ」

「ええ、最初からあなたの心配なんてしてないわ。この子達の方が可愛いもの」

「ふ、よく言った」


 そこまで言うと、ブラッドは立ち上がり肩を慣らした。その目線の先には、兵を引き連れたギュスターがいる。


「親父、来たか」

「うむ、だが今回は少し様子が違うようだ。遅々として進まん攻城にしびれを切らして、奴ら兵器を投入してきたらしい。監視兵が巨大な影を見たというのだ」

「そうか、ならばもう子守をしている訳にはいかんな」


 ブラッドは、我が子ロザリーを見つめた。しん、と張り詰めた空気がロザリーを包む。

 それは、父がどこかへ行ってしまいそうな予感を(ともな)った。このバンダナは形見のつもりなのであろうか。


「父さん……」

「何、すぐ帰る。キル、ここは……娘は任せた」

「はい! ブラッドさん。いえ、師匠!」


 キルの顔つきが、いつもの笑顔から厳しいものへと変わっている。彼は愛用のアーメットを被り、細身の剣を抜いた。


「師匠はやめろ。それとキル、これを持っておけ。ロザリーの為に造った剣だが、こいつにはまだ使いこなせんだろう。とりあえず、そんなか細い剣よりは使えるはずだ」

「父さん、私のために……?」

「ああ。いつか渡そうと思っていたが、お前の事だ、無理に振り回して怪我でもしたらかなわんからな」

「重い……これは、一般的な鋳造(ちゅうぞう)品ではなく、鋼から鍛造(たんぞう)したものですね」

「ああ、東方の技術を応用したものだ。カタナ、と言ったか」


 キルはその輝きを放つ刀身を見て感嘆の溜息をつくと、大切に鞘へと収めた。


「ロザリー、確かにあなたがこの長剣を扱うには、筋量も背丈もまだ足りません。今は私が預からせていただきます」

「うん……キルだったら、いいよ」

「あはは、偉そうに言いましたが、私でも使いこなせるかどうか」

「そんなことない。でも、早く大人になるから、それまでは……」

「ええ、側でお守りします。この剣に誓って」


 まるでお姫様を守るナイトのように、キルは剣を胸に掲げて見せた。思わず真っ赤になるロザリー。


「まったく、ケツがかゆいぜ」


 二人の甘酸っぱいやりとりに触発されたのか、ブラッドは愛する妻を見つめた。口数の少ない夫を察して、それに答えるオリビア。


「あなた」

「ああ……」


 ブラッドとオリビアは最後になるかもしれないキスを交わす。

 ロザリーはそれを見つめたあと、思わずキルの方を眺めた。しかし彼の端正な顔はアーメットに隠れ、視線すらも分からない。すると、隣にいるパメラが小首を傾げ問いかける。


「キス?」

「えっ」

「したいとか」


 意地悪に微笑むパメラ。彼女はロザリーの想いを知りながら、こうしてからかってくるのだ。


「そんな事……」

「わたしで良かったら、いいよ」


 パメラは、んー、と唇をすぼめたようにして、本気とも嘘とも分からない冗談を交わす。


((また私をからかって……))


「もう、こんな時にふざけないの!」

「えへへ」


 おそらく最終局面。この戦いに勝てばまた平和な日々が戻ってくると、ロザリーのみならずマレフィカの少女達も手に手を取った。


「みんな、マレフィカの未来は、この戦いで決まる。絶対に生き延びましょう!」


 そう気を張る反面、少し震える手に気づき、パメラはロザリーを勇気づける。


「ロザリー、きっと、大丈夫。あなたは、わたしが守るから」

「ええ、ありがとう……パメラ」






 月が異様な輝きを放つ晩、ガーディアナの占領下となった城下町に立てられた駐屯地(ちゅうとんち)にて、男が一つ欠伸(あくび)をした。


「ふう……、つまらん」


 本丸であるローランド城は、思いのほか難攻不落の要塞であった。魔女をほいほい受け入れるような平和ボケしたお国柄と聞いていたが、なるほど、どうもそれだけではないらしい。

 外周には堀が取り囲み、入り口は跳ね橋となっているため、攻めようにも梯子(はしご)を使い少数の兵を送り込む事しかできない。もちろんそれは敵の格好の餌食となるが、多大な犠牲を払い、まずは跳ね橋を下ろすことには成功した。

 その先見えるのは、高い監視塔、視界の広い庭園、それを弓で狙いやすく張り巡らされた城壁と、あらゆる関門が待ち構える。そもそも、投石も届かないほど高低差のある作りだ。白兵戦を得意とする我が軍では、やや分が悪い。


「せいぜい苦しめてやりたい所だが、上の連中は頭が聖書で出来てやがるからな」


 城の周りは全て封鎖され、兵糧(ひょうろう)攻めが行われているが、思った以上に向こうも備蓄が豊富らしい。

 ここは死体などを投げ入れ、精神的にも肉体的にも追い詰める方法がこういった手合いには効くのだが、神の旗を掲げる正教としてそれは御法度(ごはっと)との事だ。


「聖体など、肉の塊に過ぎぬではないか。昔の戦はよかった。死は等しく、全てに降り注ぐ……」


 ガーディアナの司徒の一人、ジューダス゠グリューエンは肩に担いだ大剣を揺らしながら、愚痴をはいた。その大剣はまるで、首を刈り取る事を目的としたように、先が丸く(えぐ)れている。

 彼の顔の作りはどこか凶暴な肉食獣を思わせた。さらには黄金の髪が逆立ち、まるで獅子のように風になびいている。そんな彼もまたブラッドと同じく、ぴったりとした黒のスーツのような衣装に、金の肩当てや獣の毛をあしらった外套(がいとう)を合わせた、比較的軽装な出で立ちであった。


 ジューダスは風変わりな傭兵上がりの司徒であり、ガーディアナにおいても危険視されるほどの狂人である。彼が(おもむ)けば、そこは殺戮(さつりく)の地と変わる。正教の軍でありながら必要以上に殺しを楽しむため、ほぼ戦争にしか使えないのだ。彼の部下も殺人を()とする、元ならず者ばかりで構成されている徹底した殺戮部隊である。


 その中の部下の一人が、やや苛立ちながらジューダスへと状況を報告した。


(かしら)、そろそろ動かねえと、ウチの奴らもう我慢の限界ですぜ。夜な夜な街に繰り出しては好き勝手やりやがる。昨晩なんて、見ちゃあいられないくらいでして」

子供(ガキ)以外は好きにしていいと言ったはずだ。だがまあ、正規軍の目もある、そろそろ潮時か。……それで、戦況の方はどうなっている」

「へえ。正規軍の奴らですが、馬鹿の一つ覚えみてえに進退を繰り返しては数を減らしています。いい気味ですぜ」

「ああ、正攻法などで城攻めが出来るものか。しかも、相手にはマレフィカがいる。俺は誰よりも、奴らを理解しているつもりだ」


 ジューダスのつり上がった目は、城壁の奥にいるであろう魔女達を見据えた。


「でしたら、なおさら聖女様の力が必要だったのでは無いのですかい?」

「今回、聖女を連れてこなかったのは、俺の目的がそのマレフィカだからだ。……あれは、必ず全て我が物にする」


 そう言って不敵にほくそ笑むジューダス。また変質的な魔女賛美を聞かされると、部下は慌てて言いだしあぐねていた重大な情報を知らせた。


「と、ところで、その正規軍なんですが、ついにタロスを使うようです」

「そうか。名残惜しいな。この城とも」


 ジューダスは振り向き、自軍営の遙か後方に現れた巨大な影を確認する。到着まではあと数刻といった所だろう。ここが一番、乗るにはおいしいところである。


「よし、貴様等! そろそろ喰らうかァ!」

「うおおおォォォ!!」


 割れんばかりの轟きが上がる。闇の中、ついに司徒ジューダス率いる傭兵団、“夜明けの旅団”が動き出した。


―次回予告―

 戦争という大義を背負い、襲い来る暴虐の徒。

 対し、ロザリーは絆の力で立ち向かう。

 絆。それは、あなたとわたしで紡ぐ糸。


 第12話「ジューダス」

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