第12章 新たなる物語 登場人物
ロザリー゠エル゠フリードリッヒ
17歳。物語の主人公。かつての戦争において、マレフィカで一人生き残った少女。
気力、能力、共に充実し、ようやく皆をまとめ上げるリーダーとしての自覚が生まれ始める。それはやはり父の背中を見た影響か。現在は目下、五年ぶりとなる姫との再会に心を躍らせている。
【奥義】 クロス・インバーテッド
サザンクロスの進化形。かつての仲間達の思いを受け取り、父の技を自分流にアレンジしたもの。だがまだまだ型が完成した程度で、真の姿には至ってはいない。
パメラ゠クレイディア
15歳。物語のヒロイン。ガーディアナ教国の象徴である聖女。
心の声の消失に戸惑いつつも、自分に出来る事に一生懸命あたっている。ロザリーのいない生活は初めてだが、意外とソフィアがかいがいしく面倒をみているようだ。姉としての自覚ができた為か、おねしょ等の恥ずかしい癖もすっかり治ったようである。
ティセ゠ファウスト
16歳。世界を変える願望を抱くマレフィカの魔法使い。
賑やかな旅の仲間達が増え、どうもまんざらでもない様子。それでもイチバンは自分だとのアピールはいつも忘れない。
最近は子供達と触れ合う機会が多く、ごっこ遊びをせがまれる際は仕方なく魔王役をやってあげている。ちなみに、演技がどことなく某ダンジョンマスターの真似になってしまうのが悩みらしい。
琴吹桜子 (コトブキ サクラコ)
14歳。東方、イヅモ国の忍び。幕府お抱えの隠密組織、紅の陣所属。
今回出会った謎の男性を通して、恋心というものを知りつつある。しかし、まだそれが何なのかは本人にも分かっていない。
ただ、強い人がいつも身の回りに現れなぜか世話を焼いてくれるという性質も、彼女自身のこういった人懐っこさのせいかもしれない。
須藤真琴 (スドウ マコト)
16歳。救世主として日本からはるばる異世界へやって来た女子高生。
ようやくハードモードな異世界旅行をゲーム感覚で楽しむ余裕が出てきたらしく、最近は異世界日記というものを書いているようだ。また、奴隷生活の中でちょっとずつ料理の腕前の方も上がってきている。これは変な物を入れる余裕のない環境と、アンジェの煽りがないおかげかもしれない。
アンジェラス゠ベル
17歳。マコトのお付きとして天界から派遣された天使。
最近出会った死神に、どこか自分に似た物を感じている。何かからドロップアウトした者特有のオーラを持つ彼女との、アンニュイな時間が最近のお気に入り。
もちろんマコトと会える時間も楽しみにしている。何なら彼女の料理を食べずに済む今が一番、彼女への好感度が高いまであるっぽい。実は愛がヤバイ勢。
ソフィア゠エリン
14歳。絶世の美少女。実は、第二のガーディアナの聖女でもある。
集落での生活は意外と馴染んでいるようで、特に老人からの人気が高い。これは元々お爺ちゃんっ子だったせいでもあるが、もうこの世にいないビアドの分までと献身的に接しているためである。
パメラと和解した事でロザリーをようやく諦め、再会したブラッドへと再び熱を上げ始めたが……。
メリル゠フェルデナンド
16歳。双蛇の双子、姉。やせた子供のような姿。
マコトの教育により殺気が消え、一転して尊大な態度すら可愛らしくなってしまった。ただこれも暗殺者になる前の性格に戻っただけで、殺伐とした環境が彼女を変えてしまったのである。
これは秘密だが、その口調からマコトはいつもハ○太郎を思い出している。
シェリル゠フェルデナンド
16歳。双蛇の双子、妹。グラマラスな成人女性のような姿。
マコトの教育により常に漂っていた妖艶さは消え、ただの頭パーリーなギャルと化した。これもメリル同様、昔の性格のように見えて実はそうでもない。本来はもっと大人しかったはずの彼女がここまでおかしくなってしまった原因はどうも他にあるらしく、メリルとしてもずっと気に掛けているようだ。
クリスティア゠ローランド
17歳。ローランド王女。王族唯一の生き残りである。クロウ直伝の十字槍の使い手。
現在はアルベスタンに囚われ、難民に変わりコロッセオの剣闘士として戦っている。
一国を背負う姫として常に気丈な態度を見せるが、どこか同時に少女としての脆さも併せ持つ。
ディーヴァ゠ギルガメス
19歳。アバドン国一の部族、ギルガメスの女戦士。暁の勇者と呼ばれる。
女だてらに恐ろしく強いらしく、ブラッドですらその力を認めている。
堅物だが、不器用で子供好き。集落を離れるにあたり、実は子供達との別れが一番辛かったという。
クライネ゠マリアデル
年齢不詳。救済の聖母団という中立医師団のリーダー。
マリアの家系である事以外、謎の多い女性。普段はおっとりした態度を取ることが多くどこか緩んだ性格であるが、それすらも演じているだけかもしれない。と言うのもブラッドすら彼女だけはどこか苦手としていて、未だに腹の底を探れずにいるという。
コレット゠ルビー
20歳。死神の館の主。冥王見習いのマレフィカ。見た目は子供だが成人している。
半死人で年を取ることもなく、ロンデニオンにおいて十年ものあいだ人間の魂を集めていた。だが最終的にロザリー達に叱られ、冥界に帰る事となる。
どういうわけか現在は気ままに人間界を監視しており、天使のアンジェとちょっとした知り合いとなったようだ。そんな彼女がまた何を企んでいるのか、ちょっとした波乱の種である。
ブラッド゠フォン゠フリードリッヒ
40歳。ロザリーの父親。現在放蕩中の不良親父で、伝説級の一人。
親子の再会を経て、今は新たな使命に燃える不良中年。その独特の魅力から各地に女性の知り合いがいるらしいが、想い人は今も妻のみ。なまじ妻の生身がこの世に残っているため、下手な事は出来ないだろとは本人の談。
因縁のジューダスとの対決を控え、冗談が通じないモードに入ったため今回はこの辺で。
クロウ゠デニール
40歳。ブラッドの親友。長槍を操る、元ローランド騎士団親衛隊隊長。
伝説級の一人で、ブラッドに次ぐ実力者……のはずであるが、独り身が長いためか苦労人である事が顔にまで表れている。
天使狂いとなってしまった背景には、かつて共に旅をした女神サイファーの思わせぶりだが決して懐に踏み入れさせない鉄壁ヒロインぶりにやられてしまったためらしい。もちろんそれは人類をその気にさせるための演技なのだが、彼女は彼女でクロウの事は少し申し訳なく思っている。
威武
生後6ヶ月ほど。イヅモの霊犬、コマイヌの子供(♀)。少し逞しくなった。
サクラコとのコンビネーションを練習中だが、まだまだ戦闘には参加できない。またまたのお留守番に少しいじけているようで、パメラにすら甘えているようだ。
ライノス゠ガルディ
おそらく二十代。闘技場でサクラコが出会った警備隊のリーダー。
気さくで逞しい男性で、どこかこれまでに会った誰かを彷彿とさせる。サクラコには同業者と名乗るが、その正体は……。
アルベスタン王
二年程前に世代交代した新しい王。とはいえ、もう60近い。
前皇帝があまりに大きな存在であったため、その死をもってこれまで抑圧されてきたあらゆる欲望が解放された。
一言でいうならば俗物で、クリスティアを妻に娶ろうと画策する。
キャンディ
18歳。奴隷として貴族に売られ、夜な夜な理不尽に尽くしていた少女。
本名は不明だが、元々の名はもう名乗れないらしく、今も奴隷商に付けられた名前で通しているようだ。
ピンクの髪にツインテール、露出度高めのメイド服と、ちょっと別の作品から来たような容姿をしている。
ジューダス゠グリューエン
34歳。ガーディアナ第六司徒。傭兵部隊、夜明けの旅団を率いる。
しばらくローランドを任されていたが、またも侵略の号令が掛かりアバドンへと攻め入った。依然と比べどこか落ち着いた雰囲気を見せるが、その本質は変わっていない。結局彼にとって、生きる事は殺す事なのである。
彼は彼でブラッドの存在に気づいており、かつてないほどにその闘気をみなぎらせている。