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モデル『リリア』-3
「実は、ね。お父さんの仕事の都合で転校しなくちゃいけなくて。
新しい環境に馴染めるか不安だな、って悩んでるんだよね」
「ふむふむ、なるほどなるほど」
ゆうは考え込むようなポーズをして何度か頷いてみてるけど、あんまり考えてなさそうな雰囲気がする。
すると、にっこり笑って
「リリアは可愛くていい子だからなんとかなるよ!
気にしなくても大丈夫!」
けらけら笑いながら言われてしまうと、こっちも反論しにくいんだよな。
しばらく笑った後に、ふぅとひと息ついてから、
「まぁ何か困ったら遠慮なく相談にのるからいつでも頼ってね」
さっきと表情が変わって今度は落ち着いた表情で、じっとこっちを見ながら言われてしまったから、「…ありがと」と小さく返事するしか出来なかった。