プロローグ的なモノ2
力不足で前置きが長くてすみません。
ハヤトは両手を地面につき両膝を折り曲げ、頭を垂れていた。いわゆるガックリ状態だ。
(異世界でコレはないだろ〜)
話は少し前まで遡る。王都に着いたハヤトは旅で知り合った知り合い以上友達未満の2人に連れられて、王都案内をして貰っていた。ハヤトが頼んだ訳ではない、強引に2人が案内役を買って出てくれたのだ。
2人の名前は、男の方がカール・エプス15歳今のハヤトと同じ年でエプス商会という、王都にも支店があるソコソコ大きな商会の三男坊で、女の方は名前はシャロン・モラレス15歳で王都でも有名な庶民から貴族まで大人気のモラレス服飾店の四女になる。因みに2人は幼馴染の美男美女で将来を約束した仲でもある。
ハヤトが
(美男美女で、幼馴染で、将来を約束してるだとぉ〜何の漫画だよ!死ねば良いのに)
嫉妬8割、羨ましさ2割で思ったのは仕方ないかもしれない。
そんな2人とハヤトが知り合ったきっかけは、この世界のことをまだまだ何も知らず元の世界ではライトなヲタクで日本人だったハヤトのこだわりと幼少の頃から良い品々を見て育って目が肥えてる、カールとシャロンの2人が同じ旅団に居たという、目立ちたくないハヤトにとっては不幸な偶然の産物が原因だった。
ハヤトの装備はヘプテが用意してくれてたモノだ。但し最初にハヤト用に用意されてたモノとは違う。
あまりにも良すぎだったのだ見ただけで分かるぐらいには流石にそれは使わなかった。ヘプテはその装備を作る為に幾つも試作していた。ハヤトはその試作したモノを使っていた。
それでも良すぎかもしれないと思い、汚したりボロく見える様にしてたのだがカールとシャロンはそれを見破った。
興味を持った2人はハヤトに話しかけ、ハヤトの生い立ちをしり2人揃って
「俺が友達になってやるぜ!」
「わたしと友達になりましょう」
何故かかわいそうな人認定されてしまった。ハヤトは異世界にやって来た人間だとは、当然話してない。
ヘプテに拾われ、15年間森の中の一軒家で2人で暮らしてたが育ての親が亡くなったので、森を出て王都を目指してるのだと、装備については亡くなった、ヘプテが残してくれたと嘘でもなく、本当でもない事を言ったら2人は泣きながら友達認定したのだった。
ハヤトは王都に着いたら2人と別れて行動するつもりだった、だが強引な2人にNOと言えない日本人の性で2人に挟まれるカタチで王都を案内して貰っていた。美男美女に挟まれて
(なんの拷問だコレ?)
ハヤトは自分の容姿に生まれてこのかた自信を持ったことは全く無い。この世界で自分の姿を確認した時、若返るならイケメンが良かったのにと思ってガッカリしたのだ。
自分自身で採点しても良くて中の下ぐらいだと思っている。そんな彼が美男美女に挟まれて街を歩く自分を俯瞰で見て情けなくなる。
ハヤトの気持ちを知らないだろうカールとシャロンの2人は色々と王都について教えてくれていた。そうこうするうちに一軒の店に着いた。
シャロンが
「此処は、わたしのおねえさんが任されてるお店なの」
少し複雑な顔でそう言い、カールはニヤついてたのだがハヤトは2人に挟まれてた情けなさで下を向いてたので、2人の表情を見てなかった。
促されるままに店に入ると
「マイシスターシャロン久しぶり〜〜」
と店内に声が響き声の主を見るとそこには…
笑顔でやって来る筋骨隆々の2メートルを超えるアフロヘアーの男性だった。
(おねえさんじゃ無くておねえじゃねぇか!)
心の中でハヤトは全力でツッコミを入れたのは言うまでもない。
感想、誤字脱字等ありましたら、よろしくお願いします。