プロローグ的なモノ1
プロローグ的なモノが少し長いです。
本編まで暫くお付き合い下さい。
ボトッ…熊に似た魔獣の首が落ちた。一刀のもとに3メートルはあるであろう魔獣の首を斬り落としたのは、まだ幼い顔をした少年だった。少年は辺りを見渡す、そこには同じ魔獣の死体が十数体転がっていた。
全て少年が一撃で仕留めたものだ。彼は死体を見た後、目の前に広がる草原を見て
(やっと、森か林かは知らないけど抜けたよ〜広ろすぎだろ〜しかも、バンバン襲われるし疲れたぁ〜)
彼は知らない事だが彼が抜けた、森は国の騎士団もSランク冒険者も近寄らない、近寄れない森だ。彼が倒した魔獣は討伐ランクで言えば一匹倒すだけでAランクそれを複数討伐となるとSランク冒険者や騎士団少なく見積もっても、10人以上でないと討伐の依頼を受ける事はない、強力な魔獣だった。
そんな魔獣をこともなげに倒した少年は、魔獣を、解体し必要部分を魔法バックに放り込み、ひらけた草原に向かって歩きはじめた。まだ見ぬ人を探して…
彼は異世界に居た。昨今のラノベやアニメ、漫画等に良くある剣と魔法のファンタジー世界に。
まだというべきか、もうというべきか?来てから4カ月が経とうとしている。
そんな彼の異世界での4カ月をダイジェスト風に彼目線で語るならこんな感じになる。
42歳独身(これ大事)とあるブラック企業として有名な某居酒屋チェーン店の店長をしていた俺はある日目覚めたら見知らぬ部屋に居た。
そこは森の中の一軒家だった。家の中を調べたら日記を見つけた。明らかに日本語じゃない日記を読めた事で、此処が異世界だと思った俺は、神様に呼びかけてみた…
反応は無かった。
ついでにステータスオープンとかも言ってみた…
やはり反応は無かった。
なんだろコレ不親切じゃね?とにかく唯一の手掛かり日記を読んでみる。日記を書いた人物の名は、ヘプテ・アウルヴァンクルというドワーフの元冒険者の鍛治師だった。
ヘプテは15年前に人間の赤ん坊を拾って育てたらしい。
多分俺のことだよね?若返ってるし
日記を読んで分かった事はヘプテはもう亡くなってるって事とこの世界はいわゆる剣と魔法のファンタジー世界って事だけだった。
そこで一番の問題は、俺の戦闘力だ、元の世界の俺なら瞬殺される自信がある。
試すのは怖いし、あっさり死ぬかもしれないけど試す事にした…
結果は…ありがとう神様、女神様
これは後から分かった事だけどかなりチートな力でした。
そうして俺は旅に出た。最初に人を見つけた時は嬉しかったと同時に言葉が通じるかどうか不安だった。
言葉は問題なく通じた、そこで此処がアルセス王国という国の領土内って事と俺が目覚めた森は強力な魔獣と魔物の巣窟で誰も入らない事を知り、俺にチートな力がある事がココで分かった。
結局色々考えた結果、王都に向かう事にした。理由は単純にこの世界には当たり前だけどネット環境はない、つまり情報は人の多い場所王都に集まりやすいだろうと考えた事、あとは俺にはそれなりにチートな力はある、けどこの世界の基準ではどれ位の強さがあるのかが分からない。
世界最強とか目指す気は全くないけど、他にどんな強い奴がいるかぐらいは知っておきたい。
俺としては目立ちたくないし、面倒は避けたい。
折角若返った身体で異世界に来たんだから、面倒な、しがらみは出来るだけ回避して楽しく生きたいじゃないか。
彼は王都を目指す。日記に書いてあったヘプテが名付けてくれた、ハヤト・アウルヴァンクルという名に変え、15歳になった身体で…
ハヤトが王都に着いたのはこの世界に来てから4カ月たっていた。
そして同行者が2人増えていた。
ハヤトがテンプレ宜しく、魔物や盗賊に襲われていた所を助けたとかではない。王都に行く旅団の中で知り合った。知り合い以上友達未満の男女の2人組だ。
魔物や盗賊が普通に出てくるこの世界、ハヤトは途中までと言っても王都に向かう最後の街に立ち寄るまでだが当然だが1人で旅をしていた。
だがこの世界1人で旅をする人はほとんど居ない。当たり前だが腕に自信がなければ出来ないのだ。1人で多数を相手に出来るチカラが
ハヤトは王都まで、旅団に加わる事にした。目立たない、怪しまれないを第一の目的にして。
旅団の人数は数百人、色んな人がいる。里帰りする女性、店を持たない流れの商人、冒険者、王都の学校に入る為の試験を受けに行く者、当然王都に仕入れに行く商人やそれを護衛する冒険者等も居る。
数はチカラになる、そういった色んな人が自然と集まり旅団となっていく。商人にとっても冒険者にとっても他の人も安全に行けるにこした事はないかだ。
だから一緒に行きたいと言って断る事はほとんどない。
そんな中で知り合ったのがこの2人組だ。2人と出会った事によりハヤトは、この世界に来て最大の落ち込みを経験する事になる。