泊さんじゃないですか!
いよいよ、子育て編の開始です。s・he シー1~4も読んでくださいね。ストーリーによっては時間大きく変わることがあるんで、年齢を前書きに書きます。
日下部拓也41、日下部千香37、智勇と由縁1、実0、田口裕太53、泊茂一49
ここは会社です。主人も久しぶりの食品部への出勤でした。そこにもじゃもじゃ頭の縮れ毛のおっさんがいました。ニコリとして言います。
「よっ!日下部。相変わらず綺麗だな。」
「泊さんじゃないですか!泊さんは工場の総務課長でしょ。どうして、ここに?」
「異動するんだ。いまは、引き継ぎだ。」
「引き継ぎ?だれとするんですか?」
「この通りだ。」
みれば隣に、川上課長さんがすわっています。
「えーー!じゃあ、川上課長さんは・・・」
「それなんだが・・家業を継ぐことなったそうだ。」
「ああ、長らくお世話になりました。」という川上課長です。
「まあ、ともかく、これからはよろしくな。」
「よろしくお願いします。」
「ところで・・・・おまえ、その服おかしくないか。Tシャツの胸が・・」
見れば自慢の胸にボッチが・・乳首の膨らみが丸見えです。
「え??・・・わぉ!生か!」とTシャツの襟首からのぞき込んでいいました。
「え?やっぱり、ノーブラなのか!」
主人はあわてて、胸を両手でかくしてトイレに駆け込みました。しばらくして、出てきて、椅子に座わり主人は笑いながら泊さんに言い訳をします。
「ははは、ブラ付けるの忘れたかと思いましたが、違ってました。今朝、実がくずったんで、ブラを引き下げて授乳したんです。それを忘れて・・」
「そんなの忘れるのか!」
「忘れますよ。だから、鞄に予備のブラジャーとパンスト入れてあるんです。新入社員のときネクタイ忘れたののと同じですよ。」
「どこが同じなんだ!」
「だって・・どっちも締め付けるもんでしょ。外した方が楽じゃないですか。」
「おまえなあ・・・どっちにしろ新入社員じゃないただろう。」
「へへへへ。」
しばらく仕事をしていて、泊さんが困った顔をしました。川上課長に聞きますが、やっぱりわからないようです。
「ところで、おまえ、これわかるか?」と主人に尋ねています。
「Nシリーズですか。これはですね・・・・」
「ふんふん、さすがだな。」
「しかし、引き継ぎにないんですか。」
「川上課長は、化学薬品のことはわからんから、おまえに聞けとさ。」
「まあ、確かに、そうだけど。」
川上課長はにやりと笑って言います。
「すまん。発注業務はやっているんで商品名は知っているが、それがどんなものかよくわかっていないんだ。」
「いやあ。いろいろ聞いたけど、日下部の説明が一番わかりやすいよ。また、頼む。」とうれしそうに答えました。
昼です。一斉に女子社員が立ち上がります。主人は机の上を片付け始めました。そして、キャリーバッグにあれこれと書類を詰め始めます。
「あれ、今日はもう終わりか?」と泊さんが驚いて尋ねました。
「ええ、午前中だけなんですよ。」
「半休?」
「いえ、在宅勤務なんです。育児もあるんでその合間にしてますけどね。専用の回線に、FAXや電話もありますんでなんでもできますよ。携帯も一番に配布してもらいました。」
「大変だな。子供もまだ小さいんだろう。」
「確かに家でないと、おっぱい丸出しで授乳しながら電話なんてできませんから。」
「おっぱい丸出しで・・・・・いや、いや!」と泊さんは大きく首を振りました。
「泊さん、いやしい想像したでしょ!」と笑っていいました。
「いや、すまん。ところで、昼はどうするんだ。」
「食堂で食べて帰りますよ。」
「おれも、これから工場に帰らないといけないんだ。外で昼を食べないか。」
「良いですよ。」
「ちょっと、まってくれ。机を片付けるから。」
その日の昼は泊さんのおごりでした。主人はいらないといったのですが、いろいろ教えてもらったからお礼をさせろというのでした。
泊さんは、2週間ほど午前は本社、午後は工場ということを繰り返して、月末になってやっと赴任してきました。主人が朝来ると、机が大移動をしていたそうです。キャリーバッグで仕事をしていた主人の机にはほとんどに何もなかったので、勝手に異動させられてしまいました。
「あれー。僕の机が・・」
そう主人が叫ぶと、泊さんが手招きしました。
「おう。日下部か。おはよう。こっちだ。」
「ここですか。」
見れば泊さんの隣です。
「いろいろ、教えてもらわんといんので、無理に隣にしてもらったんだ。」
「そうなんですか。よろしくおねがいします。」
残暑厳しい季節でした。主人は夏場のスカートで出勤していました。泊さんは大の美人好きです。一方、主人は女の私が惚れるぐらいの美形で、身長も高く巨乳で抜群のプロポーションです。それれがスラリとした長い足を惜しげも無くむき出しにしているですからおもわずつばを飲み込んでしまいます。また、主人の履くパンストは黒、ぐっとセクシーで、良い匂いがします。本当に教えてもらうが理由だったのかしら・・危ないよ!
ちらり、ちらりと主人を見ている泊さんにスカートを押さえつつ抗議します。
「泊さん。僕を見る目がいやらしいですよ。鼻の下が伸びてません?」
「そんなことないだろう。おれは男色の趣味はないぞ。」
「そうですか・・」
にまりと笑う鼻の下は確かに伸びているのですが、じろりとにらんで見せるしかありません。そのとき、主人の電話がなりました。
「津島化学の村田さんですか。わかりました。こちらへお願いします。」
電話を置いて、泊さんに声を掛けます。
「ちょうど良い。泊さん、津島化学の村田部長を紹介しておきます。ウチの下請け先なんですよ。見積書を持ってきたみたいなんで、一緒に会って下さい。」
「わかった。」
エレベータホールで待っていると津島化学の村田部長がやってきました。
「いらっしゃいませ。」と主人が頭を下げます。
「お久しぶりですね。産休と聞いてましたが・・」
「やっと出てこれるようになったんですよ。」
「そうですか。こちらは」
「この度、異動してきました泊茂一です。」
早速、名刺交換をしていました。それが終わるのを見て、主人は小声で耳打ちします。
「第2応接に案内して待っててください。お茶を用意していきますから。」
「おまえが入れるのか。」
「ははは、これでも一応、女子社員ですから・・」
「お気遣いは結構ですよ。」
「申し訳ないですが、給茶機で入れる茶です。気遣いというほどのことではありません。ちょっと、2人でお待ち願いますか。」
いつものように、床に膝をついてお茶をだします。秘書室での躾が生きています。研究所時代の主人しか見たこの無い泊さんはびっくりです。
「わあ、おまえ・・・・女らしいな。」
「失礼な。泊さん、なにをいっているですか!」
「いつもですよ。はじめは丁寧でびっくりしてましたけど。」
「いやあ。すみません。こいつは研究所に勤めていたころからの知り合いでして、そのころは、がさつなやつだったのでね。」
「そうなんですか。」
「ところで、産休と伺っていましたが大丈夫なんですか。」
「ええ、子供は妹に面倒見てもらっています。もう、半年もすれば保育園に預けて普通勤務できます。」
「確か、始めに双子が産まれて、さらに、もう一人産まれたと聞いたんですが・・」
「違いますよ。最初は同居している妹とぼほ同時出産だっただけです。実際、1才児2人と0才児1人を2人で見ているんですが、ちょっと大変なのは事実です。子育てを嘗めてましたねぇ。」
(同居している妹?だれだ??)
「働きながらですから大変ですよね。」
「まあ、稼がないといけないんで・・ところで今日はなんですか。」
「見積もりです。いつもは郵便なですが、今日はいらっしゃると聞いて持参しました。」
「ありがとうございます。たぶん、これで問題無いと思います。」
「ほう、見積もりか。」
「泊さん、後で部長に確認してもらってから、お渡しします。」
しばらく談笑が続きます。泊さんは話がうまいです。長年、組合で活躍し続けいたのも頷けます。無口な主人の場合、すぐに、話が終わっていましたが、そこそこ、会話が続きました。主人は何もしゃべらずににこにこしていればいいのですから楽なものです。
津島化学の村田部長がエレベータに消えて時、泊さんが主人に聞きました。
「日下部、ちょっと聞きたいんだが、おまえに妹いたか?」
「ああ、ウチの奥さんのことですよ。妹夫婦と同居していることにしているんです。しかも離婚した夫の子供を連れて同居している。これなら話が通じるでしょ。」
「なるほどなあ。」
「ウソは9割は本当のことを混ぜないとね。対社外向け僕は、日下部美希としいう女子社員ですよ。僕は日下部拓也の姉で、6年ほど前に結婚して、今は離婚しており義理の妹の千香と同居中です。子供は二人出産しましたが、 拓也と千香の夫婦の養子にしてもらいました。拓也は海外へ赴任中のため、ほとんど会うことができません。」
「緻密だな・・普通のオカマだと出産できないからな。」
「ええ、だだ、日下部美希の戸籍がないのが難点です。」
そんな話をしながら二人は席に戻りました。
「しかし、今日はびっくりしたな。応接室でのお茶出しはすごかったぞ。礼儀正しくおしとやかだ。」
「いやぁ。実は応接室の中だけなんですよ。」
「いやあ。すごかった。お茶碗はちゃんと両手で抱えるし、口紅が付くとさりげなく拭いていた。ソファに座る時も背筋をピンと伸ばしつつもやや前屈みで反り返らない。足はちゃんと揃えて綺麗だった。」
「よく見てますねぇ。秘書室で厳しくしつけられましてねぇ。家では平気で股を開いてて奥さんによくしかられるんです。」
そう言って頭をかいて椅子に座る主人の膝はもう開いていました。
「いつもそんな格好なのか。」
「夏は暑いので大体スカートですね。冬はスラックスですけど。」
「いや、別にかまわんが、中が見えそうだぞ。」
「短いですか。普通なんだけどな。やっぱり、キャロットにしようかな。」
「おまえは、無頓着すぎるんだよ。」
「すみません。」としょんぼりしています。
「靴はハイヒールなのか。昔はよろよろしていたが・・」
「ええ、その方がおしとやかになるだろうというので、秘書室でスニーカーを捨てられました。」
「ホントかよ。ひでぇな。」
「こっちになれちゃって。今では、ハイキングとか車の運転以外は、ハイヒールですよ。」
「へえ、本社にいくようになって、化粧もちゃんとするようになったのもそのせいか。」
「すごかったですよ。2時間おきに知らせるタイマーを持たされて、化粧崩れがないが確認する癖をつけさされるわ。花嫁修業はやらされるわで、大変だったんです。」
「花嫁修業??」
「いや、女性化訓練のために、いろんな習い事に行かされたんです。華道、茶道、着付けに料理と一通りやりました。おかげで家事はウチの奥さんよりできるんで、奥さんにはずるいと恨まれますけどね。」
「ははは。それは大変だったな。しかし、その女らしさはそのときに培われた訳だな。」
「まあ、そうですけど。くれぐれも言いますが、僕は男ですからね。変な目でみないで下さいね。」
「わかったよ。気を付けるから・・」
うーん。その顔は大丈夫でしょうか。
田口部長が泊さんを呼びました。
「泊さん。ちょっと!」
「は、はい。」
「これを調べてくれるか。これの前期の数量なんだが、利益率と発注量のな・・」
「部長・・・ちょっと、待ってください。日下部来てくれ。わしゃ、わからん。一緒に聞いてくれ。」
「は、はい。すぐ行きます。」
「じゃあ。二人でしてくれるか。実はなあ・・・」
「・・・・わかりました。」
「僕は経理にいってきますから、この画面のデータ写してください。」
「資材はおれが行ってくるよ。」
「じゃあ、そのデータを持ち寄るとなんとかなりそうですね。」
その後、泊さんと主人はいつもペアで仕事をしたそうです。まるで夫婦のように・・・てっ!私を忘れないで!
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