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№7   プレゼント



【マロリア暦993年5月】

3年前、僕が領地を貰った翌年、母上の誕生日にプレゼントした防具一式ですが母上はとても喜んでくれて それから毎年プレゼントしています。


 母上も楽しみにしてるみたいで…、「今年もまた鎧が欲しいのですか?他の物にしたらどうですか?」と言うと悲しそうに訴える様な仕草で僕を見つめます。(母上、子供じゃないんだから)


最初の年に贈った黒の革の鎧一式(魔法防御(低)と物理防御(低)、固定化の魔法を付与)、盾(魔法防御(低)、物理防御、(低))


去年、贈った純白の革の鎧一式(魔法防御(低)と物理防御(低)、固定化の魔法を付与)、盾(魔法防御(低)、物理防御、(低))


今年、贈る予定のクロムメッキで鏡面仕様にした鋼製の鎧一式(魔法防御(高)と物理防御(高)、固定化、重力(1/3)軽減の魔法を付与)と魔法反射を施した盾、


母上は式典には黒や純白の革鎧を着て出席しているので結構目立つ様です。

(この世界では革製品を純白に染める技術が無い、

それと固定化の魔法で強度は、鋼鉄以上に丈夫だったりする)


「アレン、来月の誕生日プレゼントなんだけど… 鎧に合わせた剣が欲しいとわ 」

母上、13歳の子供に余り強請らないで下さい

「だって式典でいつも気になるの… アレン何とかならない?」

分かりました!但し条件があります今年の7~8月長期の休み頂けるなら、

黒の革鎧用の剣に加え白の革鎧用の剣もプレゼントしますよ。

『仕方がないな~ブローソードとロングソードは、白鎧用も黒鎧用も作ってあるから鋼の鎧は来年の誕生日に持ち越しだな… 』


領地開発ですが僕の指示が必要な作業は5月中に終わらせて指示書や計画書、設計図は執行官に預けて仕事が滞らない様に段取りしてますから大丈夫だと思います。


「流石ねアレン!そこら辺抜かりないわね!わかったわ!その条件でお願い」

(珍しいわね 仕事人間のアレンが『休みが欲しい』なんて子供らしくて嬉しいわ)


それでは母上、来月王都の式典へ参加する時に剣は、お渡ししますね。

「うふふ、これで装備は完璧ね、またアンナに自慢しちゃおう」

母上、アンナってジョセのお母さんですか?

「そうよ…、良く気がついたわね」

何だか嫌な予感しかしないんですが… 母上もしかして僕が造ったって

話しっちゃったのかな?

「まだ話して無いわ、領地で造ってるとは話したけど、不味かったかしら?」


だから最近王都の貴族や騎士から領地へ鎧の問合せが… 原因は母上か…


鎧は、領内の騎士や衛視用で領外へは販売はしない、騎士や衛視の鎧は一品一品ハンドメイドで徴兵用の鎧は女性用男性用共、規格品(SS、S、M、L、LL、3L、4L)、支給時に鎧に呪い掛ける 本人以外が装着すると体内の魔力を吸収され領民は数週間、領民以外なら数日で死に至る


母上、夏物の下着やインナーの使用感はどうですか?

「この肌着デザインや着心地もとてもいいわ、商人出入りの商人にも好評よ 生産に力いれなきゃね」

良かった 肌着は、特産品の一つになりますね

「それにこの鎧用のインナーも快適だわ、夏用は涼しいし、冬用は暖かいから部下達にも好評よ アレンこれは王都で売らないの?」

専用の鎧を装備しないと効果が半減するので 今は家族と領地の騎士や衛視、兵の分だけです。

「確かに昔使ってた鎧で試したけど効果半減したわね まぁ~その辺はアレンに任せるわ!」


来週の式典ですが僕も一緒に王都まで連れて行って貰えませんか?

「どうしたのアレン、今まで式典なんて見向きもしなかったのに」

式典ではなくて王都に用事があるので連れてって欲しいのですが…

「用事って何?、買い物」

買い物もありますが商人と商談と図書館で調べ物 それとジョセの所へちょっと…

「そう言えばジョセって秋(9月)には王立学園の二年へになるのよね」

王立学園の寮に住んでるから暫く会って無いし僕の方から会いに行こうかなと思って

「良いと思うわ アレン、そう言った気遣いっいて大事よ」

プレゼントはどうするの?

「革鎧の装備一式です。ドレスや宝石も考えたんですけど… 

守ってあげたいな と思って鎧の装備にしました。」

 紅色の鎧、ジョセにきっと似合うと思う 勿論鎧用のインナー上下数着と肌着の上下5着と普段着用の肌着を上下10着程

「アデールやレティは何て言うかしら… 」

姉上達にも新しい剣と肌着は夏の新作送りましたよ

「その辺は抜かりないのね 」




実の所王都へ行く理由は他にある 古代ネットワークで色々調べていたら偶然王都周辺の地下数十メートルに古代の研究施設を確認した。

  転移ゲートが壊れているのか土砂で埋まっているのか使用出来ない為、現地での調査して現状を調べる必要がある

王都に居る新しい部下の草達(貴族や商人、それに元盗賊、暗殺者、密偵等を洗脳容姿を変え知識を与えた)にサポートしてもらう予定だ 盗族って屋敷から開発地域往路、屋敷から王都の往路、屋敷からジョセの領地までの往路などいつも襲ってくるから片っ端から麻痺させて洗脳、記憶や容姿も変えて部下にしてる 刺客や密偵も同じ… お陰で僕個人の部下には不自由する事は無くなった。


終業式に間に合えばいいけど… アデール姉さんやレティー姉さんに会うのも久しぶりだから楽しみだな 内緒にしてビックリさせよう





【マロリア暦993年6月】

 領地から出発して3日目のお昼過ぎに王都へ到着、4頭引き馬車(板バネ・サスペンションと座席クッション、温度調節魔道具に重力軽魔法減付与と盛り沢山)と家紋の入った馬用の服?(冷却効果のある)のお陰で旅もスムーズ


それと護衛の騎士達も家紋の入った鎧とインナー(冷却効果のある)を着せてます。(働く者は報われないと例え馬でも)



王都は建物の5割が木造、3割がレンガと木の混合、2割が石造り、建物の窓には硝子が無く木の観音開きか、下から上に持ち上げて支えの棒で固定するタイプが殆、町の中は汚物が道の至る所にあり、異臭も漂う 町の規模は大きく人も多いがとても一国の首都とは思えない


王立学園へは終業式の2日前に着いた。 先に用事を済ませ時間にも余裕がるので母上と学園の見学を申し込んだ 髪は目立つ色なので布で包み 職員の方に学園都市の施設を案内してもらってる 


王都から徒歩で30分弱、二頭引き馬車で10分、馬で5分、学園都市マールは元々今の王都を開発する時に防衛の要として古代遺跡の上に建てられた砦が元になっている


そんな訳で外周をぐるっと7~8mの城壁が取り囲み城壁の周りには幅20m深さ10mの堀も在り 出入りは東西南北の四箇所の上げ橋のみ 学生にとって安全が確保されてるのは良い事なのだが… お陰で寮を抜け出して王都へ遊びに行く事は、ほぼ不可能


職員の方に案内して貰い歩いてると剣術課の屋外授業に出くわす

「あっ、ジョセ、ジョセ!」と声を上げるが気が付いて貰えず、頭の布を取り大きな声で手を振り「ジョセ!」と再度声を掛けると気付いてくれた。 

ジョセが先生と話しをした後、此方に走ってくる


「アレンどうしたの?いきなり ビックリしたわ!」

「最近、ジョセに会ってなかったから会いに来たんだ!」と笑顔で言うとジョセが頬を染める

「今晩、家で夕食どう?」

「分かったわ アレン、外泊届け出して置くから」

「うん、先に帰るね また後でね 楽しみにしてるよジョセ」軽くホッペにキスする


 何だか外野が騒がしい ぼ~っとしているジョセを置いて母上と撤収…


母上が「アレンも中々大胆ね!」って、え、なんの事だろう?


 夕方家に訪ねて来たジョセを迎えて夕食後の話の中で あの後色々大変だったって…

一体誰なんだと友人達に問い詰められ 婚約者だと言うと友人から『お前なんか友達じゃない』とか『石に躓いて死ね~』とか色々訳の分からない文句を言われ 外泊届け出した後は、火に油を注いだ更に酷かった。


『もう帰って来るな いや監禁だ!』とか散々言われ追いかけ回されたらしい。


『どこの世界も男女は代われど学生は一緒か…』とホット胸を撫で下ろしたのは

自分だけの秘密


 ジョセの終業式でも色々あったけど… それは、また別の機会に





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