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№4   デビュー?




【マロリア暦992年 6月】 12歳

領地(村)を貰って早いもので9月には3年目、開発も順調に進み、領内の小規模な学校を作ったのですが人手不足と生徒への応募人員が多く 残念ですが学校の入学は領地生まれの子供を優先する事にしました。

 

 他所の領地から大量に移民されると他領主からの苦情や受け手の準備が間に合わないので仕方が無いと言えば仕方が無いのですが何事も全てが万事と言う訳には行かないようです。


 週2日は実家に帰っているのですが町の計画見直しや建物の設計など色々部屋に篭ってしていると母上から呼び出しを食らいました… 逝ってきます。


「アレンいつも町の開発ばかりして家に帰ってきても部屋に篭りきりなのはどうかと思うわ 家族(母&姉達)との時間も作る様にしなさい!」

『確かに最近姉上達とも会っていないし』

ごめんなさい母上、領地の開発に掛かりきりになってしまって

「そうよ私や姉妹の気持ちも考えてね アレン」

分かりました。それでは久しぶりにピクニックにでも行きますか?母上

「今日わね、明日の社交界デビューの為に備えて服の仕立てを行います。」

レティ姉上がデビューなさるのですか?

「何言ってるの勿論貴方よ!アレン!」

えぇ!僕がですか?まだ12歳ですよ

「本来は13歳を迎えて社交界にはデビューするけど周りが会わせてくれって煩いのよね いい加減押えきれなくなっちゃってね。」


 パーティー前に屋敷のメイド達から僕(自分)の噂を訊いてみた『銀髪=魔力が高い、親譲りで容姿も良く伯爵家なので家柄も申し分ない 礼儀正しくて頭も良いい』正しく優良物件らしい 何より両親や姉達が僕(自分)の事を自慢して言い触らしている事が一番の原因だ!親馬鹿、姉馬鹿、身内贔屓と言うのだろうか… あぁ~頭痛い~


「それに貴方身長もこの一年で随分大きくなったでしょう」

身長ですか? 最近計ったら5ft5in(163cm)でした。

「それならダンスも問題無いわね」

ダンスも踊らなきゃ駄目ですか?

「駄目です!家族でよく踊ってるでしょう! アレンは、ダンス上手だから大丈夫よ!  それとお昼前にはパーティーで着る服の寸法を測り仕立て屋が来るから時間空けておいてね」

分かりました 母上


日曜日のお昼には服が出来てたんですが… 何ですか?このズボンがキチキチって良く分からないんですけど… 股間が浮き出すようなデザインかなり微妙 ナニこれ何かの罰ゲーム? 「最近の流行で宜しいでしょうか?」って仕立て屋さんに訊ねられたから「服の事は良く判らないから任せるよ」と伝えたら嬉しそうに「畏まりました。」って言っちゃってたけどコレか!コレが理由か!


母上に抗議したら「アレンとても似合っているわよ とてもセクシーね!」って… 姉達に支援を求めたら恥ずかしそうに顔を染めながら流し目で「アレン素敵よ!」って

もう駄目だ!、味方、味方は居ないのか… そうこうしてる内に屋敷にお客が到着し始めた。


うぅ、出迎えに挨拶がとても忙しい そして女性の視線… 胸の谷間を強調したドレスの少女や女性達が食い入る様な視線を僕に向けてくる 元の世界で胸の大きな女性が男性の視線が怖いって前世話してたけど 正にその通り! 股間に食い入る様な視線! ホント怖いんですけど… 代わる代わる女の子が話しかけて来ます。


皆、可愛かったり美人だったりするんで前世だったら嬉しいハズなのに… 殆の女性が値踏みする様なギラギラした視線で見てるので嬉しくないと言うか【怖い!】と思う僕(自分)が居ます。

早く終わらないかな~って思ってたら 演奏が始まりダンスタイム 姉さん達にダンスを申し込みに向かうが既に相手が居る なら母上へと向かうが父さんと踊ってる


仕方がない どうせ誰かの相手をしなければならないのだから成るべく僕に気が無い女の子を捜しダンスを申し込むとしましょう


先程、レティ(次女)姉さんと話していた女の子に声を掛けました。


意外そうな顔をして 「私ダンスは上手に踊れないの」と言われたけど

「大丈夫、僕がリードするよ!」と言うと「分かったわ」とOKしてくれました。


ダンス自体は何回か前の転生時、貴族に生まれた時に必須だったので踊れるので問題なし 最近、元の世界で転生した時も社交ダンスしてたから全然問題ない 女の子に少しづつステップを教えながら何曲か踊って行くと動きがスムーズになって行く

 

『この子、物覚えがいいな… それに武術でもやってるのかな?体重移動がとても滑らかだ…』こちらの世界のダンスは単調で正直見栄えが良くない、僕達のダンスが目立つけど見栄えが悪いこちらのダンスを踊る気はない、

「貴方の教えてくれるダンスって素敵ね」と少女


最初、緊張して惑ってた彼女も今では笑顔で踊ってる


「笑顔が素敵だね!」と言うと彼女が俯いてしまった。(余計な事言ってしまった。(苦笑))


ダンスの曲が変わったので一先ず休憩の為ホールから離れたら周りから拍手で送られた。

以前、僕(自分)が教えたダンスで母上や姉上達も同じステップで踊っていて皆、僕達のステップを真似て踊っている

 

使用人から飲み物を取って彼女に渡すと「ありがとう」と笑顔で答えてくれた。

「先程のダンス変わってたわね」

「我が家でダンスと言えばこの踊り方だよ!」と微笑みながら話し掛ける

自己紹介まだだったね 僕はアレン、アーズブルッグ伯爵家の長男で今年12歳になる よろしくね!


「偶然、同じ歳なのね 私は、ジョセフィーヌよ ベリー公爵家の長女で今年12歳よ ジョセって呼んでね アレン!」

ジョセは、何か武術してるの?

「剣は得意よ どうしたの?」

体の重心のとり方とか足運びとかでね…

「アレンは武術何かしてるの?」

武術全般って感じかな広く浅く

「やっぱり貴方って変わってるわね 貴族の男の子が武術なんて(笑)」

まあね

「普通貴族の男子ならダンスや演奏、歌とか刺繍なのに」

困ったな~ それなら貴族の男子らしく演奏ぐらいしますか!聴いてみる?

「うん、アレンの演奏聞いてみたい お願い!」

暇な時、遊びで演奏してたギター『材料(真鍮や鉄)持ち込んで王都の一流の職人に特注でパーツを発注 自分で組み立て調整した。 この世界にたった一つだけの楽器』をリビングから取ってきてもらい

「変わった楽器ね なんて言う楽器なの?」

ギターって言うんだよ それじゃ演奏始めるね

ジョセへ演奏を始めた… 一曲終わった後、周りお客から拍手の嵐 えっ!なんで?

「アレン素敵だったわ!」と言ってジョセが抱きついてきた。

確かにこの世界の音源シンプルだから一人で出す音には限界があるのでギターは反則だったかなと(苦笑い)


それと気が付いたけど…ジョセと一緒に居ると何故か女の子が声を掛けてこない(やった~)だけどそれって… ジョセって嫌われてるのかな?なら僕(自分)だけでも仲良くしよう!と心に決めた。


打ち解けてきたジョセが「アレン、今度は歌を歌って」とリクエスト 

ほっぺが赤いと思ったらワイン飲んでるし… ジョセは12歳だからビールやワインは問題無いと言う この世界12歳でお酒はOKなのか?


「ジョセフィーヌ様、歌をご所望ですね」とおちゃらけて話し「異国の歌ですが宜しいですか?」

「お願いアレン」

「今宵ジョセフィーヌ様の為に歌います 初めて歌う曲でお聞き苦しい所もあると思いますがどうかご容赦を下さい。」とって演奏を始め歌い始める

何故か外野の貴族達も聞き入ってるが そんなのお構いなしに演奏は続く

「ジョセも言葉は分からないけど頷きながら曲に聞き入ってる」切ない恋のバラードなので寂しい曲なのですが彼女はとても気に入った様です。


曲が終わると「アレン素敵!」って抱きついた ジョセって明らかに酔ってるよ~

腕を組んで離さないし そんなジョセと話をしていると30歳位の金髪で髪が腰まである綺麗だけど凛々しい女性が僕に近づいて来た 先に挨拶したら公爵でジョセの母親らしい


「ジョセと仲良くしてくれてありがとう ジョセがこんなに嬉しそうにしてるは本当に久しぶりだわ」

やはりジョセって何時も一人だったのかな… 僕だけでも友達で居よう

「お母様 アレンって素敵よね!」と言って抱き付いた腕に頬を摺り寄せる

「今まで異性に全く興味が無かった ジョセにもようやく春が来たようね!」

「お母様ったらアレンは友達なの!」

「ジョセ本当に友達でいいの アレン君とお付き合いなら私も反対しないわ」

「えぇ~、だけどアレンにも…(殆どの男の子がお母様の目に適わかったのにアレンなら賛成だねんて お母様もアレンが気に入ったのね だけどアレンの気持ちも確かめないと…)」

「お付き合いは分からないけど まずは友達から始めないジョセ?」


『不思議な子ね 最初は今時の流行りの服着てるからもっとチャラチャラしてるのかと思ったけど出迎えの挨拶や接客も問題ないし アレン君の母親カリーヌに領地の開発について説明うけたけど殆どアレンが仕切っているって言うし彼が書いた図面やカリーヌに提出している報告書を見せて貰ったけど王都に居る一流の職人や技術者以上の詳細な図面と分かりやすい解説や指示 それに報告書って… 殆ど独学で学んだって言うけど こう言うのを【天才】って言うね!


ジョセを誘ったのは、あの子が彼に興味が無かったからだと彼の様子を見て直ぐに分かったけど… 異性に興味が全くなかったジョセを短時間であんなにメロメロにさせるなんて 伴侶として危険かしら?こちらが公爵家だと知った後も物怖じしない喋りといい 気に入ったわ! 私が後十数年若かったら… って話が横道に逸れたわね 彼も友達からって言ってるし最初はそれでいいかしら』


「ジョセ、アレンもそう言ってるしお友達からどうかしら」

「ハイ、お母様 アレンよろしくね!」

「こちらこそよろしく ジョセ!」

日暮れ前、パーティーが終了するまでジョセが腕を放さなかったので女の子が誰も寄って来なかったのは嬉しい誤算 


何故か姉達の刺す様な視線が痛い 何かしたか僕…


「正式な社交界デビューは来年だから暫くパーティには出ないよ」と話すと寂しそうな顔をするジョセ

「僕は領地の開発で忙しいからジョセが僕の所に遊びにお出でよ 案内するから 」

「分かったわ近いうち遊びにくるわね!」

「連絡待ってるよ ジョセ」


ジョセを見送った後、母上や姉達から色々質問と言うか尋問された。


ご機嫌斜めな姉達、特に普段温厚なアデーレ(長女)姉さんが珍しく知らない女の子と話しり腕組んだら駄目とか支離滅裂な事を色々言ってきた。どうしたんだろ?


数日間、交代で姉さん達と一緒に寝る事と来月一緒に王都に買い物に行く事でなんとか機嫌を直して貰ったけど女性って難しい…





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