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№1   転生




【マロリア暦985年 5月】

 うぅ~体がだるい 青銅製の水差しに映り込んだ自分を見つめる5歳前後の銀髪プラチナ・ブロンドの少年が映っていた銀髪と言う事は、今度は北欧?


流石に転生が50回越えてからのいい加減回数数える気も失せた。


 ベットから体を起すと自分の側で看病していたメイドらしき女性が「奥様、旦那様、坊ちゃまが… 」と声を出しながら慌てて部屋から廊下へ飛び出して行く…

しばらくボーっとしていると肉体の記憶が馴染んでくる『アレンか… 毎回そうだが、今回の体の主も どうやら重い病気だったらしい(毎回、病気や怪我で死ぬ予定の肉体に転生する そして転生後は肉体が健康体になり新たな人生を送る)』


両親が慌てて扉を開け中に入ってくる… 


「アレン、アレン大丈夫か?気分はどうだ?」

父と母が目に涙を浮かべながら自分を見つめ話しかけてくる

「父上、母上もう大丈夫です… 」

 俯き申し訳ない顔をした。

「どうしたのアレンどこか痛いの?」と母

「大丈夫です… 母上…、母上父上に貰ったこの髪の毛は銀色になってしまいました。 ごめんなさい」 ペコリと頭を下げる すると

「良いんだ、いいんだ、そん事… お前が無事なら…」

手を握り涙目で話しかけてくる両親

『愛されていたんだな… この子の為、家族の為、今回もまた頑張るか!』


そんな出来事から数日が経ったある日の事、庭で散歩を兼ねた軽い運動をしいると妙な事に気付いた。


何やら鎧を着た騎士(男女)?が剣や弓の訓練をしている『また古風な、屋敷で伝統文化とか教えているのかな?何故? 剣術や弓の家元なのか?』


少し離れた場所で弓の的に使う案山子へ火の玉を当てている姿を目撃する

『何やら違和感があると思ったら 魔法?魔法なのか?北欧のどこかの貴族か王室かと思ったけど違うみたい… 何処なんだ!ここは!』


改めて周りを確認すると警備の人も騎士風な方々で、よくよく考えるとTV、ラジオ、パソコン、携帯電話なんて見かけていない


『もしかして小説やアニメよくある異世界ってか… 初、異世界転生、そろそろ転生回数が三桁になると思ってたけど三桁から異世界なのか?背中から変な汗が出てくる いつもと勝手が違うし出来るだけ早くこちらの情報を集めないと… 』


 おっと忘れない内に家族紹介、どうやら自分には姉が二人、長女:アデール(9歳)、次女:レティシア(7歳)、そして自分(5歳)、姉達には、とても可愛がられていて病気になった時も代わる代わる傍に居てくれた様です。 今も誰かが傍に居てくれる(姉妹っていいね)


それと毎朝一緒に散歩してる飼犬のベン(12歳)老犬でいつも寝てばかりだけど僕(自分)にとても懐いてくれてる、何だか肉体年齢に精神が引っ張られ始めている(苦笑)


僕(自分)の状況としては取り合えず簡単な文章は読めるけど数週間寝たきりだったので体力が無い 軽い運動を始めながら屋敷の図書室で知識を仕入れたい せめて万年質と和紙程度の紙が欲しい(出来るだけ早めに製作するぞ!)


 先ずは現状把握しない事には自分、家族、屋敷、領地、国、世界かな 今までの転生は、どれも大まかに把握してたから何か新鮮だなワクワクするなんて気持ちは… そうと決まればお母様に書斎と図書室の使用許可を貰いに行こう


 それとまだ読めない単語や文章があるので家庭教師も必要ですね 地理や社会も教えてくれると助かる と言う訳でお母様の執務室へ来た。


「どうしたのアレン」、

お母様にお願いが合ってまいりました。

「アレンのお願いって何かしら?」

実は書斎と図書室の使用許可と家庭教師をお願いします

(えっ、あの勉強嫌い!読書嫌い!のアレンが読書に家庭教師、一体どうしたのかしら?)

「どうして急にそんな事、今まで勉強嫌がっていたのに… 」

僕、お母様やお父様の役に立ちたいのです 夢の中で病気が治ったら勉強して家族の為に尽くしますって神様にお願いしたから… それで病気が治ったんだと思います。

「ま、そんな事が それで その銀色の髪も納得出来るわ、愛の女神様の祝福を受けると髪が銀色になるのよ」

そうなんですか?てっきり病気でのストレスが原因だと思ってました。

「ストレスって何の事かしらアレン」

(しまった)ストレスって神様の名前ですよ(ごめんなさいお母様)

「誰かに聞いたの?」

夢の中で神様が名乗ったんです(お母様ごめんなさい)

「言い伝えは、本当だったんだわ!【ストレス神】先先代の領主が銀髪になった時も確かストレスって神の名前を聞いたと日記に残ってたわね」

(先代も転生者だった? 僕と一緒でその場しのぎも甚だしい やめて~)

だから、お母様お願い!

「分かったわ 可愛いアレンの頼みだもの書斎と図書室は自由に使いなさい 但し汚したり散らかしたりしないでね それと家庭教師はレティ(次女)と同じでいいわね」


お母様にお任せします


ここでお気付きの方も居ると思いますが 何故父ではなく母へ一番先に相談したのか?別に我が家がカカア天下って訳じゃないですよ 


こちらの世界では社会的地位が男性より女性が上位なんです 男女の出生率は男児:1に対して女児女性:4と偏ってる


それに男子は、女子に比べ病気に弱く、成人(20歳)になるまで半分近くが死亡するので地域によって男女比率は更に酷くなる。


男子は病気に弱く、守らなければならない存在として、どの家でも女子に比べ大事に大事に育てられる


貧しい地域では、10歳~13歳になった男の子を町の商人や貴族へ丁稚奉公(平均10年)させるので そのまま町で結婚する男性も多く、地方の男女比は酷い事になっていて 場所によっては女性 20~30人に対し 男性 1人 なんて地域もあるそうです。


後日、家庭教師の先生から教えて貰ったのですが貴族の場合育てていて優秀な男子だと親が判断すると他家へと嫁がせず 家の長女と結婚させたり 長女が結婚してた場合は次女や三女など身内へ嫁がせたりする様です。


 転生してから気になっていたんだけど 姉さん達が異常なぐらい自分(僕)に優しいのは、それが原因なのか? 一緒に風呂に入ったり寝ようとしたり体をくっ付けたりと何かと触ってくる…


この世界での家族のスキンシップってこれが普通と思っていたけど… もしかしたら違うのかもしれない…。




※青銅の色は添加する物質により異なり 物語の最初に登場する水差しには『白銀色』ですが錆びると青緑色になる







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