始まりの場所
「僕が守るから」
「大丈夫だよ」
「どうして!?ねぇパパ、ママどうして一緒じゃいけないの?」
「ーー、これがーーの為なのよ」
「兄さんが行くなら僕も行く!ーーを守るって約束したんだ!」
「ーーが一緒だとーーは安心できないだろ?」
「やだ…連れてかないで…独りにしないで……ーー!」
ーー
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夢を見た。
男の子と手を繋いで歩いていた。
泣いていたら慰めてくれた。
そして…一緒に居たいと叫んでいた。
きっと幼い頃の出来事。
だけど私には思い出がない…憶えていない……
あなたは誰…………?
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茶「ねぇお兄ちゃん。私に幼なじみとかって居たの?」
夢が気になって朝お兄ちゃんに聞いてみた。
拓「いや、幼なじみは居ない。どうした?急にそんなことを聞くなんて。」
茶「夢を見たの。同い年ぐらいの男の子が優しくしてくれた夢。でも最後は『連れてかないで…独りにしないで』って叫んでたの。」
拓「…………そうか。」
一瞬お兄ちゃんの表情が固まった。
拓「まぁ昔の知り合いか何かだろう。それに昔あった出来事とは限らないだろ?」
茶「そう、だね。行ってきます。」
拓「今日は始業式か。気をつけてな。」
茶「はい。」
拓「知らない人について行くなよ?あと変な男に騙されるんじゃないぞ!」
茶「はいはい。」
私は子供か!
しかも最後の何?
周りはみんな高校生よ?
はぁ……
今日から3学期。
噂では6組に転校生が来るらしい。
茶「おはよう。」
『おはよう。』
「ねぇ茶那、聞いた?6組の転校生、すっごくかっこいいんだってね!」
「莉緒ちゃん、落ち着いて。」
莉「落ち着いてる菜穂が変なのよ!ねっ茶那!」
このはしゃいでるのが莉緒、それを宥めてるのが菜穂。
2人共私の親友。
茶「へぇかっこいいんだ。そりゃちょっと見てみたいかも……」
莉「ほらっ茶那だって言ってるじゃん!」
菜「…………茶那ちゃんの見てみたいはただの興味でしょ?」
茶「当たり前でしょ?私あんまり恋愛に興味ないもの。」
莉「まぁこういう子だよね、茶那は。」
菜「こういう子だよ。」
莉・菜『この子をたぶらかすような男だったらかっこよくても敵だよね!』
茶「えっ……大丈夫だよ。物好き居ないって(笑)」
莉「わかってないね。こんなおっとりしてる可愛い女の子男がほっとかない!」
菜「茶那ちゃんは知らないと思うけどうちのクラスの男子が茶那ちゃんに手を出さないのはお兄さんが怖いからなんだよ?」
茶「お兄ちゃんのせいで私は恋愛もできないんだ。まぁ興味ないからいいけどね。」
なるほどあんまり私に近付かない訳だ。
私おっとりしてるかな?
全然だと思うんだけど……
(※喋り方もゆっくり。自覚なし。)
莉「6組行くよ!」
菜「行こう行こう!」
茶「わかったわかった。」
ドアの隙間から除く。
莉「おっあれじゃん?かっこいい!王子様だね。」
菜「あれはなかなかのものだね。」
茶「あの子…………」
夢で見た子に似てる…………
「竜馬 桜希です。テニス部に入ろうと思っているので同じ部活に入っている方はどうぞよろしくお願いします。」
茶「竜馬……桜希……くん……」
莉「もしかして茶那にも……」
莉・菜『恋~~!?』
2人がなんか盛り上がってたけど、私は彼をどこかで見た気がしてならなかった。
帰り道も帰ってからもずっと考えた。
茶「(~~♪面白くなってきた♪)」




