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無職聖女ジャンヌダルク

ジャンヌダルクのブログ炎上記

作者: 束間由一


 私はジャンヌ=ダルク。

 日本人「十字 まもり」に転生した私は、最近ブログにハマっている。


 「ラ・ピュセル」と言うブログだ。

 主に、私の前世に受けた神の啓示を載せている。

 

 順調に閲覧者を伸ばしていた私のブログだったが、この度大問題が発生した。

 問題の経緯はこうだ。

 

 まず、私の記事への書き込みにこんなコメントが来たのだ。


 「シね! このキチガイ野郎のブログマジツマンネ」


 私は、コメントには全て返信する主義だったから、勿論これにも次のように答えた。


 「神の啓示を冒涜するものは、大いなる裁きを受けるだろう。早々に名を名乗り謝罪せよ」


 これが、導火線となった。

 記事に、次々と非難、揶揄、暴言、応援等様々なコメントが大量に送られてくきたのだ。

 所謂「炎上」である。

 アクセス数は数倍になり、何と、一日5000を突破するまでになった。


 こうなると下手をすればブログ閉鎖、最悪本人の気が病んで天に召される事もあると言う。

 しかし、私は一度生きて、戦い、死んだ経験と言うものがある。この程度の問題でくたばるほど軟弱では無い。

 

 冷静に状況を見ながら、更新は淡々と続けた。

 勿論、この燃え上がった火の子達に、静まるよう促す内容も含めた。


 しかし、なかなか、事態は収拾しない。

 寧ろ、その火力を強めていった。


 人間とはやはり愚かなものだ。これでは、死体に集るハイエナと同じではないか。 

 いや、ハイエナは生きるためにやっている。

 目的もなくやっている彼らと比べるのは申し訳ない話だろう。


 そして、1週間がたった頃。コメントの中に気になる内容を発見した。


 「本当に、あなたなのですか? 本当のあなたならばお答えください」


 さらに、名前の欄には「ジルドレイ」とあった。  

 ジル=ド=レイは、一応かつて共に戦った仲間である。

 まさか、あの男も私と同じように転生したのだろうか?

 

 コメントを返してみる。

 「私は、正真正銘ジャンヌダルクだ」と。


 それから数日。

 私は、チョコスティックを食べながら悶々とそのコメントへの返答を待った。




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